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地産ブランドとTPP

2014-05-03 20:13:25 | 経済
中々TPP合意の結論まで進まない日米TPP参加交渉です。
日本からは甘利TPP担当大臣が出向き
米国からはフロマン通商代表が向い受けます。

甘利さんはチャレンジャーの立場で交渉に挑んでいるのでしょうが、正直、
良く頑張ってるよ。結果はでないかもしれないけどね。


差額関税制度

豚肉の輸入関税には差額関税制度が採用されており、524円/㎏を超える値段の
豚肉には4.6%という低関税率となっている。基準値段の524円を下回る値段の豚肉も全てこの値段で
輸入買い取ることになっている。

1㎏当たり1000円の高級豚肉は関税率4.6%で済みます。おおお安いですね。
1㎏当たり524円以下の普通の豚肉はすべて546円で買い取ります。これも安いですね。
1㎏当たり300円の豚肉も200円の豚肉も全て546円で買い取ります。えっ?関税率200%超えたね。
そんなことしたら損だから、全部524円以上で輸入してして特別税率扱いにしてしまえ
これが関税逃れの裏ポークってね。

おコメの場合は全部341円/㎏に設定されていて従量税になっている。残念ながら、341円を超える
値段で取引される輸入米はほぼ0である為に一定の値段以上の物に対する特別税率は存在しない。
どの様な値段のおコメでも341円/㎏で取引される。これは豚肉の524円/㎏と同じ寸法です。

今回の米国とのTPP参加交渉でこれまで最大で482円の豚肉関税を50円にする事が盛り込まれた。
1キロ当たり482円の関税が係る豚肉のお値段はは64.53円/㎏でこれに税率50円にするということですので、
具体的にはかかる税率を10分の1スケールにする事だと思います。普通の食用豚肉についてはさほど
大差は無いと思いますが、(関税逃れの裏ポークの為)加工用豚肉となると大幅に輸入量が増えると思います。

これに便乗対抗するかのように日本が豚肉輸入先の米国に次いで第2位のデンマークとのEPA協議が行われ、
米国からの豚肉輸入関税の大幅値下がりを懸念してヨーロッパの国と新たな貿易を促進する狙いがあると
思われます。

米国からの輸入豚肉が暫定的に1㎏当たり120円の暫定的な税率に段階的な引き下げを得て50円程に成ると
実質的に今までの特別税率の4.6%よりも安くなる価格帯が発生すると思います。

一例を挙げれば、小売店で販売される100g100円の輸入豚肉、これは約52.4円で輸入してそこに4.8%の
関税がかかり、100gで約55円そこに諸経費や利益が加算されて100gで100円程度になります。
それが、TPPにより税率が10分の1スケールに成る事で、1㎏の値段が524円を超えなくても低い税率での
輸入が可能となります。大体100g当たり80円近くのお値段になる事が予想されます。

重要な点は関税率そのものよりも524円/1㎏以下の値段のお肉でも税率を低くして輸入出来るように
なるという事です。

この問題点は消費者には安い値段で輸入豚肉を提供できるようになるのですが、加工用豚肉については
底なしに安くなるので、大手ファーストフード店でペースト肉(ピンクスライム肉)が扱われるように
なる恐れがあります。そうなれば日本国内における米国産輸入豚肉のシェアが一気に拡大する事となります。

国内生産者については豚肉も牛肉も消費者ニーズの強い部類の地産ブランドでTPPに対抗するのが
宜しいかと思います。それを考えるとおコメも米農家を守るという意味合いの強い参加交渉ですが、
いっその事開き直って、北海道産ユメヒカリなどに傾倒した自主流通米などの地産ブランドで持ちこたえるのが
的確な判断だと思う、そうなれば、目立たない地域での米農家は衰退するものだと思われる。

農家は国家的な政策ではなく、地域の農業政策の時代に変化する時が来ている。TPPよりも国内レベルでの
生産種類別リカードの比較生産費説による自由経済主義が重要になってくる,
国内産業を守る為に保護貿易的な姿勢を崩さない日本だが、内側の構造的な変革は既に始まっている。
これまでの貿易は国同士の戦いのスタイルから産地同士の戦いに変わっている現れでしょうな。

地産ブランドとTPPは切っても切れない関係にあるといえる。




コメント
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