「文化創造論」 では私からの講義は3回しかなく、
あとは学生たちにお題を与えてパフォーマンス課題をやってもらったり、
ディスカッションをしてもらったりしているのですが、
その数少ない講義のうちの1回はスポーツについて論じています。
その回のワークシートの1番の問いは以下のようなものです。
「チェスはスポーツだと思いますか。どこまでがスポーツと呼べるでしょうか。
スポーツとは何かを定義してみてください。」
これはもちろんこちらから講義をする前にみんなに考えてもらい、
興味 ・関心を喚起するための問いであるわけですが、
なかなか意外性のあるいい問いなんじゃないかと思っています。
この問いとその答えについては以前に書いたことがあるのでそちらをご参照ください。
さて、この問いに対して学生さんたちはどう答えるのでしょうか?
これが意外なことに 「チェスはスポーツである」 と答える学生が年々増えているんです。
最初のうちはほんの少数派だったんですが、だんだん増えてきて、
今年はもう少数派とは呼べないくらいまで勢力を伸ばしてきましたので、
その数値をご報告させていただきます。
「文化創造論」 はうちの学類のスポーツ ・芸術創造専攻の必修科目です。
(それをなぜか文化探究専攻に所属しているはずの私が1人で担当しています。)
受講者はスポーツの学生が3分の2くらい、音楽と美術の学生が合わせて3分の1くらいの割合です。
当日の授業の受講者はスポーツが31名、音楽 ・美術が19名でした。
で、結果はというと、
チェスはスポーツではない 31名 (62%)
チェスはスポーツである 19名 (38%)
となりました。
なんとスポーツである派が3分の1を超えて4割に届こうとしています。
反原発派+脱原発派の割合を遙かに凌駕しています。
スゴイですねえ。
私の感覚じゃまったく信じられませんが、実際にこうなのです。
内訳も見ておきましょう。
【スポーツの学生】
チェスはスポーツではない 18名 (58%)
チェスはスポーツである 13名 (42%)
【音楽・美術の学生】
チェスはスポーツではない 13名 (68%)
チェスはスポーツである 6名 (32%)
なんとスポーツの学生のほうが、チェスはスポーツであると思っている人の割合が高いのです。
もう4割を超えちゃっています。
まあ実はこれにはカラクリがあって、チェスはスポーツであるという話を私が初めて知ったのは、
たまたま印刷室で体育のS先生に会ったときに立ち話のついでで、
「カーリングってスポーツじゃないと思うんだけど体育の人としてどう思います?」 って聞いたら、
「いやあスポーツでしょう。チェスだってスポーツなんですから」 と、
国際チェス連盟がARISFに入っていることなどを教えてもらったりしたのがきっかけでした。
そのS先生がおそらくスポーツの学生相手の何かの授業で、
スポーツとは何かについて話しているのだろうと思われます。
教育の成果ですね。
早晩、チェスはスポーツである派が過半数を超える日もやってくることでしょう。
スポーツでない派はやはり、スポーツとは全身の運動を伴ったものでなければならず、
それもある程度の運動強度 (例えば、汗をかく、身体鍛錬になる等) が必要であると考えています。
それに対してスポーツである派はいくつかに分かれていて、
身体だけでなく心 (知能、精神力) を使うものもスポーツと呼べると考える人たち、
(おそらくS先生にマインドスポーツという枠組みがあることを教わったのでしょう)
頭脳も身体の一部なのだからチェスは身体を使っていると言えると考える人たち、
一定のルールの下で勝敗を争うことがスポーツであると考えている人たち、
など若干のバリエーションがありました。
みんな考え方が柔軟だなあ。
私は正解を知った上で、それでも日本的偏見に囚われているので、
チェスやブリッジどころか、カーリングもビリヤードもダーツもスポーツと呼ぶべきじゃない、
という偏屈な立場を貫きたいと思っているのですが、皆さまはどうお考えでしょうか?
そのうち 「てつカフェ」 で取り上げてみてもいいかもしれないな。
P.S.
学生さんのなかには、剣道や柔道など 「道」 の付いているものはスポーツとは別物だ、
と考えている人がいるようで、これもいずれ考えてみるべき問題かもしれません。
驚いたのは、以前はオリンピックがアマチュアスポーツの祭典でプロは出場できなかった、
ということを知らなかった学生がいるということで (しかもスポーツの学生)、
1984年なんてついこないだのことのような気がするのに、
彼らにとっては自分が生まれる前の歴史に属する事柄なんだなと、
こんなところで老いを実感させられてしまいました。
あとは学生たちにお題を与えてパフォーマンス課題をやってもらったり、
ディスカッションをしてもらったりしているのですが、
その数少ない講義のうちの1回はスポーツについて論じています。
その回のワークシートの1番の問いは以下のようなものです。
「チェスはスポーツだと思いますか。どこまでがスポーツと呼べるでしょうか。
スポーツとは何かを定義してみてください。」
これはもちろんこちらから講義をする前にみんなに考えてもらい、
興味 ・関心を喚起するための問いであるわけですが、
なかなか意外性のあるいい問いなんじゃないかと思っています。
この問いとその答えについては以前に書いたことがあるのでそちらをご参照ください。
さて、この問いに対して学生さんたちはどう答えるのでしょうか?
これが意外なことに 「チェスはスポーツである」 と答える学生が年々増えているんです。
最初のうちはほんの少数派だったんですが、だんだん増えてきて、
今年はもう少数派とは呼べないくらいまで勢力を伸ばしてきましたので、
その数値をご報告させていただきます。
「文化創造論」 はうちの学類のスポーツ ・芸術創造専攻の必修科目です。
(それをなぜか文化探究専攻に所属しているはずの私が1人で担当しています。)
受講者はスポーツの学生が3分の2くらい、音楽と美術の学生が合わせて3分の1くらいの割合です。
当日の授業の受講者はスポーツが31名、音楽 ・美術が19名でした。
で、結果はというと、
チェスはスポーツではない 31名 (62%)
チェスはスポーツである 19名 (38%)
となりました。
なんとスポーツである派が3分の1を超えて4割に届こうとしています。
反原発派+脱原発派の割合を遙かに凌駕しています。
スゴイですねえ。
私の感覚じゃまったく信じられませんが、実際にこうなのです。
内訳も見ておきましょう。
【スポーツの学生】
チェスはスポーツではない 18名 (58%)
チェスはスポーツである 13名 (42%)
【音楽・美術の学生】
チェスはスポーツではない 13名 (68%)
チェスはスポーツである 6名 (32%)
なんとスポーツの学生のほうが、チェスはスポーツであると思っている人の割合が高いのです。
もう4割を超えちゃっています。
まあ実はこれにはカラクリがあって、チェスはスポーツであるという話を私が初めて知ったのは、
たまたま印刷室で体育のS先生に会ったときに立ち話のついでで、
「カーリングってスポーツじゃないと思うんだけど体育の人としてどう思います?」 って聞いたら、
「いやあスポーツでしょう。チェスだってスポーツなんですから」 と、
国際チェス連盟がARISFに入っていることなどを教えてもらったりしたのがきっかけでした。
そのS先生がおそらくスポーツの学生相手の何かの授業で、
スポーツとは何かについて話しているのだろうと思われます。
教育の成果ですね。
早晩、チェスはスポーツである派が過半数を超える日もやってくることでしょう。
スポーツでない派はやはり、スポーツとは全身の運動を伴ったものでなければならず、
それもある程度の運動強度 (例えば、汗をかく、身体鍛錬になる等) が必要であると考えています。
それに対してスポーツである派はいくつかに分かれていて、
身体だけでなく心 (知能、精神力) を使うものもスポーツと呼べると考える人たち、
(おそらくS先生にマインドスポーツという枠組みがあることを教わったのでしょう)
頭脳も身体の一部なのだからチェスは身体を使っていると言えると考える人たち、
一定のルールの下で勝敗を争うことがスポーツであると考えている人たち、
など若干のバリエーションがありました。
みんな考え方が柔軟だなあ。
私は正解を知った上で、それでも日本的偏見に囚われているので、
チェスやブリッジどころか、カーリングもビリヤードもダーツもスポーツと呼ぶべきじゃない、
という偏屈な立場を貫きたいと思っているのですが、皆さまはどうお考えでしょうか?
そのうち 「てつカフェ」 で取り上げてみてもいいかもしれないな。
P.S.
学生さんのなかには、剣道や柔道など 「道」 の付いているものはスポーツとは別物だ、
と考えている人がいるようで、これもいずれ考えてみるべき問題かもしれません。
驚いたのは、以前はオリンピックがアマチュアスポーツの祭典でプロは出場できなかった、
ということを知らなかった学生がいるということで (しかもスポーツの学生)、
1984年なんてついこないだのことのような気がするのに、
彼らにとっては自分が生まれる前の歴史に属する事柄なんだなと、
こんなところで老いを実感させられてしまいました。