★★★★ 少子化対策 ★★★★
前稿では、先送りされて放置されている政治課題を列記しましたが、今回は、その内の『少子化対策』を取り上げます。少子化対策は種々の問題の『根っ子』だと、私は思います。
フランスの少子化対策に賛同する記事を見掛けます。 フランスの政策は、少子化の問題、女性活躍の問題、男女同権問題を同時に解決出来ると思われますが、結婚しないで子供を産む女性が増加して、社会が大きく変化する様になると思われます。
日本人は、「臭い物に蓋をする」スタンスを取り勝ちですが、「日本の伝統文化を出来る限り維持する事を考慮した、日本独自の少子化対策を工夫すべきだ」と私は考えています。
【合計特殊出産率】
一人の女性が一生に産む子供の数を『合計特殊出産率』と呼びます。 全ての子供が、出産出来る年齢を過ぎるまで生き延びる事は出来ませんから、合計特殊出産率が『2.0』でも人口は減少します。 死亡率の低い日本の場合、人口が減少しない合計特殊出産率は『2.07』の様です。2017年の日本は『1.4』でした。
(出生数―死亡者数)>0なら人口は増加します。日本の場合は、平均寿命が現在でも長くなっているので、死亡者数は少ないです。(出生数―死亡者数)=0、即ち、人口が減少し始めたのは2010年頃です。 老人の多いい国になって行っています。
先進諸国の合計特殊出産率は『2.0以下』ですから、大なり小なり・少子化の問題を抱えています。
2017年の各国の合計特殊出産率 (出典:ウイキペディア)
フランス :1.9
イギリス :1.8
アメリカ :1.8
オーストラリア :1.8
ロシア :1.8
ブラジル :1.7
中国 :1.7
ドイツ :1.6
カナダ :1.5
日本 :1.4
イタリア :1.3
韓国 :1.1
【フランスの少子化対策】
フランスは少子化対策が最も進んだ国だと言われます。日本の政治家や官僚は、フランスの制度を勉強していると思いますが、家族の有り方を考え直す必要が有るので、少しずつしか政策を打ち出せないのだと、私は見ています。
フランスの少子化対策を穿った見方をすると、「金で解決」している様に見えます。 女性活躍社会で、子育てを金で支援すると、結婚制度を考え直す事が必要になります。1970年頃のフランスでは、未婚の女性が生んだ子供(婚外子)の割合は『6%』でしたが、少子化対策が進んだ・2016年には『59.7%』にも急増しました。 大半の女性が、結婚しないで子供を産む社会に変貌したのです。 (2016年の日本の婚外子は2.3%です。)
(注記) 私は、結婚しないで女性が子供を産んで、自分で子供を育てる家庭を『未婚女性家族』よ呼ぶ事にしています。 日本では、女性の両親と同居するケースが多くなるかも知れません。 結婚して子供をもうけ→離婚して女性が子供を連れて出た家族は『未婚女性家族』には含めない事にします。
「子供は欲しいけど、男と同居するのはメンドクサイ!」、「子育てに協力しない、偉そうにする夫とはセッセト別れてしまおう!」・・・こんな社会になったら、家庭を持てない男性が五万と出来てしまいます。 妻を5人持っても良いイスラムの社会と真逆の世の中になってしまいます。 (ドンファンは「離婚しても養育費の心配が要らない」と、大喜びする社会になります。) 『男女平等』や『女性活躍社会』の運動は自然の流れです。その結果、数十年後には日本もフランスの政策を採用する様にならざるを得ないと私は予想します。
日本は大家族や三世代家族制度でしたが、戦後は核家族が主流になりました。日本人は、核家族化をスンナリと受け入れましたが、『未婚女性家族制度』を受け入れるには、相当長い時間が必要だと私は考えています。
フランスの真似をすると、少子化の問題は劇的に改善出来る可能性が有ります。 然し、憲法9条の改定よりも、種々の問題を孕んでいる事を認識して下さい。
① 家族手当 :子供が二人以上いる家庭に支給
② 家族補足手当 :第3子から支給
③ N分N乗方式 :税制優遇
④ 年金加算 :子供を3人育てると年金が10%加算される。
⑤ 職業自由選択補足手当
⑥ 保育方法自由選択補足手当 :子供を預ける費用を支給
⑦ 出産費用の無料化
⑧ 父親の出産休暇 :有給扱いで賃金の80%を保障
⑨ 不妊治療費と人工中絶費が無料 :43歳まで
⑩ 高校までの学費は無料
⑪ 保育学校 :3歳以上は公立の保育学校へ
⑫ 余暇保育 :日本の学童保育の様な制度で、ほぼ無料
(コメント) フランスの方式は万能では有りません。不景気になって失業したり、給与が下がると女性が子供を産まなくなります。 給与が有る程度の額になるまで子供を産まない女性が増えてきて、高齢出産が増加します。
【歴代の少子化対策大臣】
内閣府設置法には、金融担当大臣などの3大臣を設ける事になっていますが、その他の特命大臣の設置は内閣が自由に決めて良い事になっています。 (但し、大臣の数は制限されていますので、特命大臣を増やすと兼任する事になります。)
最初に、少子化対策大臣を設けたのは第一次安倍内閣です。 その慣例は、民主党政権になっても守られ、13年間続いています。 (歴代の少子化対策大臣を列記しておきます。)
①&② 川上陽子 :2007年8月~(約13ヵ月間) 独身?
③ 中山恭子 :2008年8月~(53日間) 結婚+子息
④ 小渕優子 :2008年9月~(約12ヵ月間) 結婚
⑤ 福島瑞穂 :2009年9月~(約8ヵ月間) 事実婚+お嬢さん
△ 平野博文 :2007年8月~(12日間) 事務代理
⑥ 玄葉光一郎 :2010年6月~ (102日間) 結婚
⑦ 岡崎トミ子 :2010年9月~(120日間)
⑧ 与謝野馨 :2011年1月~(約8ヵ月間) 結婚+子供2人
⑨ 村田蓮舫 :2011年9月~(130日間) 結婚+子供1人
⑩ 岡田克也 :2012年1月~(28日間) 結婚+子供3人
⑪ 中川正春 :2012年2月~(73日間)
⑫ 小宮山洋子 :2012年4月~(約5ヵ月間)
⑬ 中塚一宏 :2012年10月~(85日間) 結婚+子供2人?
⑭ 森まさこ :2012年12月~(約20ヵ月間) 結婚+子供2人
⑮&⑯ 有村治子 :2014年9月~(約13ヵ月間) 結婚
⑰ 加藤勝信 :2015年10月~(約22ヵ月間) 結婚+子供4人
⑱&⑲ 松山政司 :2017年8月~(約14ヵ月間) 結婚+子供1人
⑳ 宮腰光寛 :2018年10月~(約11ヵ月間) 結婚+子供2人
㉑ 衛藤晟一 :2019年9月~(12ヵ月間?) 結婚+子供2人
㉒ 坂本哲志 :2020年9月~(?) 結婚+子供3人
(注記) 大臣の代数はウイキペディアによる。
(私の大胆な想像) 2007年に安倍晋三氏は、勉強しないで/深く考える事も無く、「少子化は重大な社会問題だ!」と言うマスコミの主張を取り入れて、『少子化対策大臣』を設けたのでは?と想像します。然し、一カ月後に安倍氏は辞職したので、何もしませんでした。
後任の福田総理は、「フランスは成功して来ているが、女性が結婚しないで子供を産む様になる」と言う報告を受けたのでは? 福田内閣は短命でしたから、「どうすべきか?」と悩んだだけで、何も出来なかったと思います。 次の麻生内閣は、何の政治経験もないお嬢さんを大臣に抜擢してお茶を濁しました。
その後3年間ほど民主党政権になりますが、「少子化対策を強引に進めたら『未婚女性家族』が増える等の問題が出て、右翼の格好の餌食になる。然し、『少子化対策大臣』を設けないと、批判が出るだろう」と考えたと思います。 (たった3年間に大臣が9人も誕生しましたから、何か出来る分けが有りません。)
2012年に第二次安倍内閣がスタートしました。 安倍氏は、女性活躍社会推進の旗を掲げ、女性活躍担当大臣を設け、2015年には女性活躍推進法を施行しました。フランスの政策の一部を日本でも実施しました。 待機児童問題の解消、幼稚園/保育園の無償化、育児休暇制度、働き方改革・・・
安倍氏は右寄りの思想を持っているのに、『未婚女性家族』が増える政策を採用するのを不思議に思ってきました。 「流れに竿さして、票を増やそう!」と単純に考えただけの様です。 何か日本独自の工夫を加えないと、『未婚女性家族制度社会』になって、社会習慣/文明が大幅に変化すると思われます。 その事を国民に知らせて、「可とするか?否とするか?」真摯に議論する必要が有ると、私は考えています。
前稿では、先送りされて放置されている政治課題を列記しましたが、今回は、その内の『少子化対策』を取り上げます。少子化対策は種々の問題の『根っ子』だと、私は思います。
フランスの少子化対策に賛同する記事を見掛けます。 フランスの政策は、少子化の問題、女性活躍の問題、男女同権問題を同時に解決出来ると思われますが、結婚しないで子供を産む女性が増加して、社会が大きく変化する様になると思われます。
日本人は、「臭い物に蓋をする」スタンスを取り勝ちですが、「日本の伝統文化を出来る限り維持する事を考慮した、日本独自の少子化対策を工夫すべきだ」と私は考えています。
【合計特殊出産率】
一人の女性が一生に産む子供の数を『合計特殊出産率』と呼びます。 全ての子供が、出産出来る年齢を過ぎるまで生き延びる事は出来ませんから、合計特殊出産率が『2.0』でも人口は減少します。 死亡率の低い日本の場合、人口が減少しない合計特殊出産率は『2.07』の様です。2017年の日本は『1.4』でした。
(出生数―死亡者数)>0なら人口は増加します。日本の場合は、平均寿命が現在でも長くなっているので、死亡者数は少ないです。(出生数―死亡者数)=0、即ち、人口が減少し始めたのは2010年頃です。 老人の多いい国になって行っています。
先進諸国の合計特殊出産率は『2.0以下』ですから、大なり小なり・少子化の問題を抱えています。
2017年の各国の合計特殊出産率 (出典:ウイキペディア)
フランス :1.9
イギリス :1.8
アメリカ :1.8
オーストラリア :1.8
ロシア :1.8
ブラジル :1.7
中国 :1.7
ドイツ :1.6
カナダ :1.5
日本 :1.4
イタリア :1.3
韓国 :1.1
【フランスの少子化対策】
フランスは少子化対策が最も進んだ国だと言われます。日本の政治家や官僚は、フランスの制度を勉強していると思いますが、家族の有り方を考え直す必要が有るので、少しずつしか政策を打ち出せないのだと、私は見ています。
フランスの少子化対策を穿った見方をすると、「金で解決」している様に見えます。 女性活躍社会で、子育てを金で支援すると、結婚制度を考え直す事が必要になります。1970年頃のフランスでは、未婚の女性が生んだ子供(婚外子)の割合は『6%』でしたが、少子化対策が進んだ・2016年には『59.7%』にも急増しました。 大半の女性が、結婚しないで子供を産む社会に変貌したのです。 (2016年の日本の婚外子は2.3%です。)
(注記) 私は、結婚しないで女性が子供を産んで、自分で子供を育てる家庭を『未婚女性家族』よ呼ぶ事にしています。 日本では、女性の両親と同居するケースが多くなるかも知れません。 結婚して子供をもうけ→離婚して女性が子供を連れて出た家族は『未婚女性家族』には含めない事にします。
「子供は欲しいけど、男と同居するのはメンドクサイ!」、「子育てに協力しない、偉そうにする夫とはセッセト別れてしまおう!」・・・こんな社会になったら、家庭を持てない男性が五万と出来てしまいます。 妻を5人持っても良いイスラムの社会と真逆の世の中になってしまいます。 (ドンファンは「離婚しても養育費の心配が要らない」と、大喜びする社会になります。) 『男女平等』や『女性活躍社会』の運動は自然の流れです。その結果、数十年後には日本もフランスの政策を採用する様にならざるを得ないと私は予想します。
日本は大家族や三世代家族制度でしたが、戦後は核家族が主流になりました。日本人は、核家族化をスンナリと受け入れましたが、『未婚女性家族制度』を受け入れるには、相当長い時間が必要だと私は考えています。
フランスの真似をすると、少子化の問題は劇的に改善出来る可能性が有ります。 然し、憲法9条の改定よりも、種々の問題を孕んでいる事を認識して下さい。
① 家族手当 :子供が二人以上いる家庭に支給
② 家族補足手当 :第3子から支給
③ N分N乗方式 :税制優遇
④ 年金加算 :子供を3人育てると年金が10%加算される。
⑤ 職業自由選択補足手当
⑥ 保育方法自由選択補足手当 :子供を預ける費用を支給
⑦ 出産費用の無料化
⑧ 父親の出産休暇 :有給扱いで賃金の80%を保障
⑨ 不妊治療費と人工中絶費が無料 :43歳まで
⑩ 高校までの学費は無料
⑪ 保育学校 :3歳以上は公立の保育学校へ
⑫ 余暇保育 :日本の学童保育の様な制度で、ほぼ無料
(コメント) フランスの方式は万能では有りません。不景気になって失業したり、給与が下がると女性が子供を産まなくなります。 給与が有る程度の額になるまで子供を産まない女性が増えてきて、高齢出産が増加します。
【歴代の少子化対策大臣】
内閣府設置法には、金融担当大臣などの3大臣を設ける事になっていますが、その他の特命大臣の設置は内閣が自由に決めて良い事になっています。 (但し、大臣の数は制限されていますので、特命大臣を増やすと兼任する事になります。)
最初に、少子化対策大臣を設けたのは第一次安倍内閣です。 その慣例は、民主党政権になっても守られ、13年間続いています。 (歴代の少子化対策大臣を列記しておきます。)
①&② 川上陽子 :2007年8月~(約13ヵ月間) 独身?
③ 中山恭子 :2008年8月~(53日間) 結婚+子息
④ 小渕優子 :2008年9月~(約12ヵ月間) 結婚
⑤ 福島瑞穂 :2009年9月~(約8ヵ月間) 事実婚+お嬢さん
△ 平野博文 :2007年8月~(12日間) 事務代理
⑥ 玄葉光一郎 :2010年6月~ (102日間) 結婚
⑦ 岡崎トミ子 :2010年9月~(120日間)
⑧ 与謝野馨 :2011年1月~(約8ヵ月間) 結婚+子供2人
⑨ 村田蓮舫 :2011年9月~(130日間) 結婚+子供1人
⑩ 岡田克也 :2012年1月~(28日間) 結婚+子供3人
⑪ 中川正春 :2012年2月~(73日間)
⑫ 小宮山洋子 :2012年4月~(約5ヵ月間)
⑬ 中塚一宏 :2012年10月~(85日間) 結婚+子供2人?
⑭ 森まさこ :2012年12月~(約20ヵ月間) 結婚+子供2人
⑮&⑯ 有村治子 :2014年9月~(約13ヵ月間) 結婚
⑰ 加藤勝信 :2015年10月~(約22ヵ月間) 結婚+子供4人
⑱&⑲ 松山政司 :2017年8月~(約14ヵ月間) 結婚+子供1人
⑳ 宮腰光寛 :2018年10月~(約11ヵ月間) 結婚+子供2人
㉑ 衛藤晟一 :2019年9月~(12ヵ月間?) 結婚+子供2人
㉒ 坂本哲志 :2020年9月~(?) 結婚+子供3人
(注記) 大臣の代数はウイキペディアによる。
(私の大胆な想像) 2007年に安倍晋三氏は、勉強しないで/深く考える事も無く、「少子化は重大な社会問題だ!」と言うマスコミの主張を取り入れて、『少子化対策大臣』を設けたのでは?と想像します。然し、一カ月後に安倍氏は辞職したので、何もしませんでした。
後任の福田総理は、「フランスは成功して来ているが、女性が結婚しないで子供を産む様になる」と言う報告を受けたのでは? 福田内閣は短命でしたから、「どうすべきか?」と悩んだだけで、何も出来なかったと思います。 次の麻生内閣は、何の政治経験もないお嬢さんを大臣に抜擢してお茶を濁しました。
その後3年間ほど民主党政権になりますが、「少子化対策を強引に進めたら『未婚女性家族』が増える等の問題が出て、右翼の格好の餌食になる。然し、『少子化対策大臣』を設けないと、批判が出るだろう」と考えたと思います。 (たった3年間に大臣が9人も誕生しましたから、何か出来る分けが有りません。)
2012年に第二次安倍内閣がスタートしました。 安倍氏は、女性活躍社会推進の旗を掲げ、女性活躍担当大臣を設け、2015年には女性活躍推進法を施行しました。フランスの政策の一部を日本でも実施しました。 待機児童問題の解消、幼稚園/保育園の無償化、育児休暇制度、働き方改革・・・
安倍氏は右寄りの思想を持っているのに、『未婚女性家族』が増える政策を採用するのを不思議に思ってきました。 「流れに竿さして、票を増やそう!」と単純に考えただけの様です。 何か日本独自の工夫を加えないと、『未婚女性家族制度社会』になって、社会習慣/文明が大幅に変化すると思われます。 その事を国民に知らせて、「可とするか?否とするか?」真摯に議論する必要が有ると、私は考えています。