まちとも こころのおもむくままに

==ボランティア時々写真撮影==
日々の暮らしの中で感じたこと、時々撮る写真などを綴っていきます。

レポート添削で気になったこと

2018-08-09 21:48:36 | 社会福祉専門職
先日、通信教育のレポート添削について書きました。
その中で、精神障害者を地域社会が受け止めているのか、学生の考えが気になったと書きました。

ほとんどの学生は、地域社会に偏見があり、精神障害者の受け入れができていないというような趣旨でレポートを書いています。
テキストに、そんなことが書かれているので、テキストの受け売りという感じです。しかし、学生は実際に社会福祉士として仕事をしている人たちですから、地域社会を自分の目で見て感じたことを書いてほしいと思ってしまいます。

長年、精神障害者の生活支援を行ってきたまちともの目から見れば、地域社会は大きく変わっていると感じています。
40年前に支援についた頃は、地域社会には、「精神障害者を一生病院に入れておいてほしい。」と言う人たちが多くいました。
精神科医療も入院中心の時代でしたから、地域で暮らすのは大変な時代でした。
外来通院しながら在宅生活している人たちが、行く場所がありませんでした。

1981年に国際障害者年が取り組まれ、その後の一連の取り組みで、障害者施策が前進することとなります。
しかし、この時代、精神障害者は障害者という範疇での施策は実施されていませんでした。
あくまで病気治療のみ、病気に伴って生じる生活上の様々な障害に目を向けた施策はありませんでした。

先進的な取り組みとして、精神障害者のリハビリテーションも行われるようになり、病院でのデイケア、保健所等での居場所作り、共同作業所の設置などが行われるようになりました。
障害者基本法で、身体障害、知的障害とともに精神障害も障害者として規定されることとなり、障害者施策が徐々に実施されてきました。

今、地域社会で暮らしている精神障害者は多くいます。その人たちは、デイケアに通ったり、就労支援の事業所に通ったり、中にはホームヘルプサービスを利用して在宅生活を維持している人もいます。
その支援者が、地域社会にも働きかけています。障害者支援の事業所でも、地域社会との交流が取り組まれています。
そんな状況の変化により、精神障害者への理解は進んできています。

どの時代にも、適切に理解していない人はいます。しかし、理解者が増えている状況もあります。
地域社会の変化を適切に把握して、障害者支援を考えていってほしいものだと感じています。
さっそく専任教員から返事が来て、スクーリング時に地域社会の変化を伝えていきたいとのことでした。

学区の夏祭りの一コマ。
やはり、夏まつりは夜店ですね。