ギグエコノミーは新たな働き方改革となり得るか。スキマ時間にパパっと数百円稼ぐと云う、従来であれば需給調整のオーバーヘッドがでかすぎて商売にならなかった働き方が、ネットで可能になった。企業としても副業を認める方向に傾きつつある。収入源が複数有れば、生活する上でセーフティネットとして機能するか、過労で心身を病むかのどちらかである。一社にしか勤めていなくても病む時は病むので、だったら多様な働き方を試すのも悪くはないと思っている。問題は制度が現実に追い付いていない点である。マッチングプラットフォーム上では役務提供者は個人事業主扱いであるが、個別契約が交わされない分、より立場が弱い。「裸の労働者」として市場に放り出されている状況は、好ましいとは思えない。従来の労働組合の延長で何とかしようとする動きはあるが、パパっと闘争するにはオーバーヘッドがでかすぎるのであり、そっち方面も何か改革が必要なのである。