人生100年時代である。じさまばさまが爆発的に増加するのは、人類史上初の出来事である。健康寿命も格段に延びており、肉体の衰えを年の功で補い、70歳代でも現役さながらの働きをする方も居る。しかし中高年のセカンドキャリアへの移行は、思う様にはいかないらしい。若かりし頃と社会環境が全く異なっているのだから、それも当然だろう。30年前に私が習得したパソコンの知識も使おうと思えば使えるが、実用的とは言い難い。ご長寿社会には、学び直しの仕組みが必要なのである。右も左も分からない新社会人とは違い、ヨノナカのカラクリの知見が深まっているのが強みである。五十の手習いと云われるが、まだ体力的に踏ん張りが効く40歳代で学習の機会を得るのが望ましい。現行キャリアの専門性を深めるも良し、畑違いの仕事に挑戦するも良しである。定年延長を大企業に押し付けて雇用問題に片を付けた心算になるよりも、遥かに生産性が高い様に思えるのである。