デジタルディバイドである。新潟県津南町でワクチン接種の申込を電話とインターネットで受け付けた所、電話での予約が1件も出来ない事案が発生した。ネットは0時から、電話は10時から開始と云う運用上のミスは有ったにせよ、ネットが使えない不利益がこう云う形で可視化されるのは良い傾向ではない。「使わねば損」の方が「使ったら得」よりもナッジ効果は高いには違いないが、その恩恵に与れなかった人が意固地になって使わなくなる恐れがある。公共サービスは万民が平等に利用可能であると云うのが大前提で、そのコストを下げる為にITを用いると云うのが筋道である。悪い印象を持たれてしまうのは得策ではない。以降はネットと電話で申込枠を個別に設ける方針の様だが、当面は仕方ないだろう。馬を水辺に連れてくる事は出来ても水を飲ませる事は出来ない。凡策だが電子クーポン券の乱発等、ちょっと使ってみようかなと思わせるナッジが求められるのである。