昨日だったか、震災のときに全員の生徒の助かった中学校だったの話が
ラジオであった。
訓練と子供たちの身についた自分を守る姿勢が良い結果をもたらしたらしい。
しかし、身を守るためには考えることをまず知らなければならない。
そして瞬時の判断。
物を考えされるためには、暗記して○×で答えたり、必要な回答の一語を入れて済む
ような教育のしかたでは「考える」教育にはならない。
もちろん、子供の個性があるから、言われなくても「考え込む」子供もいるかもしれない。
しかし、考え込むのと考えるのは違う。
考えるのは出口をみつけるためで、考え込むは愚痴の一種だ。
フランスでラジオ放送を聞いていたときのこと。
一人の小学生が電話してきた。
アナ:君の髪の色は?
少年: 黒
アナ:じゃあ、目のは緑色かい?
少年: ううん。 黒だよ。
その後出身地を聞いたと思う。 それから
アナ:学校でなにか言われるようなことない?
少年はまあ、日本ならいじめみたいな話をしたと思う。 でもそういう時に
自分でどうするかも言った。
アナ:それはいい。君は自分を自分で守れるんだね。
日本ではありえないアナウンサーと視聴者の会話。
でも私自身もこんな経験がある。
学生のころ、4部屋もある大きなアパートをシェアしていた。
大家さんは老女で時々来て、台所などの掃除を手伝ってくれた。
彼女には私と同じくらいの年の孫がいる。
ある日、いつも手をやいている私より年長のフランスの女のことを
おばあさんに言った。
そうしたらおばあさんが「ちゃんと怒っているって彼女に言ったかい?」と私に
聞いた。 私の返事は曖昧だった。 そうするとおばあさんは
「そういう時は私は腹を立てていると言わないといけないよ。たとえ、怒ってなくても 怒ったようにしないといけない」と私に言ったのだ。
彼女は日本では考えられない攻撃的な対処方法を私に教えた。
よく映画やドラマでがなりたてている男や女がいるが、
ああいうのは本当にあそこまで怒っていないかもしれないのだ。
「大人げない」とか、「負けるが勝ち」というのは日本の外では通じないない。
私自身、恐らく生まれつき攻撃的なのだろう。
初めてパリについて長期滞在なので学生ビザの証書のついたパスポートを持って
フランスの発行する滞在許可証を取りに行った。
私は在仏の日本大使館の紹介状を持っていた。
しかし、馬鹿みたいに待たされ、私は受付で日本大使館の紹介状だってあるんだ、
なんでこんなに待たなければいけないのだとがなりたてた。
その後たいして待つこともなく滞在許可証を取得した。
パリについて1週間かそこらに起こったことだ。
こういう粗野にも見える方法がいいとは言わない。
しかし、知らずにやったこの方法が意外に効果あると知った私は
この方法で多くの不愉快なことを切り抜けた。
かみつき返せば彼らは引くし、もうやらない。
別に攻撃的になる教育をしなさいと言っているのではない。
身を守るということはかなり体力と気力を使うことなのだ。
それを日本流にどう教育するのかが課題だ。