やっとやっと、、お茶に戻って来れました(笑)
今回は松花堂美術館10周年記念のイベント、中村昌生先生のお茶室講義&お茶室見学です
名前だけは存じ上げていましたが、まさか中村昌生先生の講義が受けれるなんて夢にも思っていませんでしたので、舞い上がっていました
でもその前に、狭き門を潜り抜けなくてはなりません
「先着順の電話申し込み」です
朝9時スタートだったのですが、9時にかけるとやはり受付は話し中
何度かトライして、やっとつながって、とりあえず2名で申し込み(←お相手は決まっていません(笑))
その後、HPを確認したら「申し込み多数により募集は終了しました」となっていました
よかった、、電話がつながって
中村昌生先生は、日本の数奇屋建築・茶室の第一人者で、お茶室のことを調べたりしていると、よくお目にかかるお名前です
この日の講義は定員40名で講義を受けて、その後A班B班に分かれて、中村先生に直接お茶室のご案内をしていただくという、プレミアムなプラン
先生はこちらのお茶室の建築に携わっていらっしゃるので、思い入れも一入です
松花堂庭園に関してご説明しておきましょう
場所は「京都」なのですが、まぁハッキリ言って「京都」なのは住所だけで、大阪のベッドタウンというか、ちょっと郊外の団地みたいな場所です
おけいはんの「樟葉」という駅です
なので、一般的に「京都の庭園美術館」をイメージされると駅を降りてからのギャップが激しいです
ただし流石に松花堂庭園と美術館だけは別世界です
(駅からバスだし)
孟宗竹の突然変異、「金明孟宗竹」
一節おきに本来の竹の色(緑色)の筋が入っています
で、私の松花堂に関しての知識ですが…
松花堂美術館が、松花堂昭乗に関係していることは知っていました
そして、松花堂弁当の起源になったことも知っていました
でも、、松花堂昭乗がお坊さんだとは知りませんでした!!
なので、講義ではお寺の坊の名前が色々と出てきます
最初は、松花堂昭乗がお坊さんだったと知らなかった私は、ちょっと混乱していたのですが、お坊さんだとわかって納得
やはりこういう専門的な講義は予習が必要ですね
資料も本格的だし…、、ついていけるのかしら
閑雲軒の図面なのですが、中村先生が資料をもとに忠実に再現されたものが松花堂庭園の中にあります
ただ、先生、何度も何度もおっしゃられていたのですが、とても悔いが残る部分があるらしく、当時は資料がなくてわからなかったことらしいのですが、造っている最中に「本来縁側と茶室に段差があった」ことが判明し、でももうどうにもできないところまで仕上がっていたらしく、とても残念がっておいででした(あまりにも悔しかったらしく、広島だか岡山だかに、もう一軒、段差があるのを造られたそうです(笑))
こんな図面とか
お茶室って複雑…
日本の職人さんはすごいですよね
美術館の2階には、お茶室の展開図が展示されてあって、その細かさに驚かされます
かなり貴重な資料のようです
ここからの画像に関しては、美術館サイドに許可を取っています
(多分通常は撮影がNGな場所の画像も入っているかと思いますが、そういうことです)
茶室「梅院」宗旦好
茶室松院(閑雲軒)
みんな、写真撮影ダメだと思っておとなしくしていたのですが、美術館サイドが「写真撮ってくださっていいですよー」と言われ、一斉に撮影
閑雲軒のにじり口から入ると、先生がお茶室の中でちょこんと座っていらっしゃいました
閑雲軒のにじり口はお茶室の中央にあります
ちょっと不思議
先生が「何故だと思いますか?」とヒントを交えながら質問を投げかけます
「貴人と供の者の対比がはっきりとするからじゃないでしょうかねぇ。私はそう思いますが、みなさんはいかがですか?」と
確かに入って左手が床で貴人のお席、右手が供が控える場所、、みたいな感じです
中村先生直々にご説明
私たちが一番「なんちゃって」な生徒で、後の方々は、みなさんきちんとされて建築関係と思われる方とか、お茶の先生とか、多分建築を勉強している学生さんとか
遠州の茶室です
明るいですね
八窓あります
これに突き上げ窓をつけると、なんと九窓
松花堂と遠州は仲が良かったらしく、遠州を招いてお茶会もされていたようです
ここで一旦松院を出て、松花堂がある庭園へ向かいます
松花堂の前にある蹲
こんな大きな自然岩を使った蹲は珍しいらしい
松花堂内部
床と、棚の下の炉と、仏壇だけの棚がある小さなお部屋
閑雲軒のお茶室とは全く違う空間
晩年は必要最小限の空間で生活をされたのですね
でもすべてが足りている、不思議な空間です
天井がすごい、ド派手!!
何か天然素材を編んであって、そこに絵が描かれているのですが、でもこの天井、本来のものは持ち去られたらしい
しかも、その持ち去った人物は自分の作った建物の天井に持ち去ったものを取り付けてるんですって(あつかましいと思うのは私だけ?昔はそんなものだったのかしら?)
松花堂外観
こちらは泉坊の書院
(松花堂は瀧の坊を弟子に譲って、晩年は泉坊の松花堂で暮らすんです)
小早川秀秋の寄進です
小早川くんは西軍を裏切ったことで有名ですが、すごく早死にしちゃうんですよね、確か
大谷吉継の恨みかもしれませんね
空は明るいのですが、台風の影響でパラパラと降ってきました
先生もお疲れ(笑)
講義中に何度も何度も「このように講義させていただくのも年齢的にもこれで最後になります」とか「もう次はありません」とか、おっしゃるのですが、その度に皆さんにクスクス笑われて、なんだかカワイくて、すっかり先生のファインになってしまいました
でももう80歳を超えられているはずですからね。。
雨もパラッと一瞬でしたし、とても素敵な1日でした
http://www.yawata-bunka.jp/syokado/index.htm
松花堂庭園・美術館HP
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