こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

1969年、ベームのザルツブツク音楽祭

2008年03月06日 22時54分10秒 | モーツァルト
3月になって、少し暖かくなると思いきや、昨日は啓蟄でしたが、まだ春は遠いなあって感じであります。先週末のいつもの岡山詣で、例によって中古CDやさんによりました。先週いったところとは、別のお店でしたが、そこに行くのは三ヶ月ぶりくらいでした。こうやって、お店に行くからついつい買ってしまうんですね。それでCDもどんどん増殖するんですが、まあ、仕方ないですねえ。ほほほのほ。
それで、今回の獲物は、オルフェオからのライブです。1969年のザルツブルク音楽祭から、8月6日モーツァルテウムでのモーツァルト・コンサートのすべてを収録したライブ録音です。曲目は、セレナード第六番「セレナータ・ノットゥルナ」、協奏交響曲変ホ長調K.364、交響曲第33番の三曲です。協奏交響曲のソリストは、ウォルフガング・シュナイダーハン(Vn)、ルドルフ・シュトレング(Va)です。
しかし、モーツァルト好きとベーム・ファンに取ってみれば、夢のようなコンサートですねえ。オール・モーツァルトでベームの指揮、そしてVPO、それだけでなくシュナイダーハンのヴァイオリンですからね。許光俊氏は「ベームとウィーン・フィルの演奏を現地で聴くのが夢だった」と言われてますが、まさに至言であります。
さて、このCDの演奏ですが、ベームに取ってみれば、壮年期から円熟期に入ろうとした時期のものですね。全体的に、モーツァルトの中期のザルツブルクで作曲されたものです。1776~79年ころのものです。こんな時期のものだからでしょうか、また演奏することを何よりの喜びとしていたザルツブルク音楽祭でのコンサートだからでしょうか、またより大きな信頼の絆で結ばれていたVPOとの演奏だからでしょうか、この演奏はたいそう明るく伸び伸びとしたもので、肩肘の張らないものになっています。セレナータ・ノットゥルナは、オケの面々がベームの下で自由で、それでいて力強い弦が印象的です。協奏交響曲は、シュナイダーハンの闊達なヴァイオリンがいいです。加えて、当時VPOの首席奏者のシュトレングの名人弦も見事です。VPOと絶妙のバランスです。特に、第二楽章は美しさにあふれています。そして、最後の交響曲です。この曲は明るく、さわやかで楽しさにあふれた曲で、モーツァルトの田園交響曲とも言われています。第一楽章には交響曲第1番とジュピターに流れるものと同じモチーフが聴けます。この曲も、生命感あふれ生き生きとした演奏になっています。
しかし、こんなコンサートは二度と現実の世界では聴けないものでしょうね。


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