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最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

モントゥーのハイドン変奏曲

2014年06月28日 18時06分59秒 | ブラームス
ワールドカップも、日本は予選リーグ敗退ということになりました。まあ世界の壁は厚かったというか、イングランド、スペイン、イタリアなども敗退し、なかなか勝ち残るのは難しいのでしょうねえ。それはさておき、プロ野球。交流戦も終わりました。マリーンズ、投手もまったく、打者もすっぱり。いやー、ほんとにひどい状況です。ローテも組めず、クリーンナップも固定できない。おそらくは、最下位街道まっしぐら、ということです。困ったどうするどうする!。

まあ、そんな悩ましい中で、今回はピェール・モントゥーの演奏です。モントゥーは、1875年生まれで1964年に逝去されたフランスの指揮者ですねえ。『春の祭典』などの初演の指揮者として、歴史上に名前を残していますし、ボストン響やロンドン響を指揮しての録音などもそれなりに残しています。

ただ、やはり最近は入手困難なものが多いです。大学生のときに、夕方の講義まで時間があったので、梅田に出て、紀伊国屋書店で、レコードを二枚買いました。ブラームスの交響曲第2番と第3番で、モントゥーとセルの演奏でした。このふたつのLPは、けっこう気に入ってよく聴いたものでした。ともに1500円でした。モントゥーの演奏では、ベートーヴェンの交響曲全集もVPOとロンドン響を振ったものが、デッカから出ていたのですが、ほとんど見ませんね。中古やさんなどで、見つけたら、ホクホクということで、買ってはいるのですが…。先日も、ベートーヴェンの2・4番や、ハイドンの驚愕と時計のCDを見つけて入手しました。もう亡くなってから半世紀がたっているので、かなり古くなりました。

そんなことで、ハイドンのふたつの交響曲のすきまに入っていたのが、ブラームスのがハイドンの主題による変奏曲でありました。1958年にロンドン交響楽団を指揮しての録音です。この曲は、変奏曲の大家としてのブラームスの面目躍如のような曲であります。今ではハイドンの作ではなく古い賛美歌の旋律とされいますが、ディヴェルティメントHob.II.46の第2楽章の「聖アントニウスのコラール」を主題としたものであります。

このモントゥーの演奏なんですが、まず驚かされるのが、録音の鮮明さであります。初の主題での低音部分が実に鮮やかに再生されています。コントラバスの響きが明快であります。さすがにデッカの優秀録音でしょうか。全体的にも、少々古くなった印象はありますが、各楽器が生々しい音色で再現されておりますね。そして、演奏は明朗快活、一点の曇りもありません。それぞれの楽器が、機嫌良く演奏を楽しんでいるような雰囲気が伝わってきます。しかし、終曲を含めて、9つの変奏での味付けは、それぞれもものがあり、モントゥーの巧さを感じます。

まず主題。やさしい木管の響きで主題が登場します。低音の響きの上での主題はなかなか威厳すら感じます。第一変奏。対位法的に進むが、木管に絡みつくような弦の響きがいいです。第二変奏。一転して短調。切り立つような厳しさが響きます。第三変奏。おおらかな雰囲気の中の変奏ホルンやオーボエの響きが典雅でもある。第四変奏。再び短調。哀愁帯びた弦によるメロディーが、それほどの深刻さはないが、心を打つ。第五変奏。軽快な変奏。短く躍動感に満ちています。第六変奏。堂々として、力のこもった演奏で、盛り上がりを見せ、一つの頂点が築かれる。第七変奏。一転してフルートと弦による優しさにあふれる変奏。弦の響きが美しくいいですね。 第八変奏。みたび短調の木管による陰鬱な調べ。偉容に満ちた終曲に繋がる。そして終曲。壮麗なパッサカリア。実に華やかで堂々と変奏を繰り返しながら、最後に勝利の凱歌のように「聖アントニウスのコラール」が再現されるが、この大きなスケールで、華々しく、熱く、そして威厳にあふれた演奏は、実に気持ちがよく、すっきりとした満足感があふれます。わずか17分の短い曲でありますが、いい曲だなあ、と実感させられるのでありました。

モントゥーの演奏、ベートーヴェンの交響曲全集は、ネットでは中古で18000円で出てました。高いですねえ…。しかし、もう少しで7月です。

(DECCA UCCDー7101 DECCA BEST PLUS 50 2002年)

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2 コメント

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大作曲家は変奏曲の達人 (クレモナ)
2014-06-29 22:50:04
ワールドカップもいよいよ死闘の様相を呈してきましたね。日本もそこに加わりたかったですが、次回は是非!
さて、モントゥですが、私の所有CDでは、ラヴェル、ブラームスの交響曲第2番、ストラヴィンスキーの春の祭典、チャイコフスキーの交響曲第5番、ベートーヴェンの交響曲第1、3、6,8番くらいですか。それほど多くは持っていません。でも、録音数は少なくとも名演の多い指揮者ですね。今、集めようと思っても、なかなか難しいです。私も中古屋さんで見つけたら、予算の許す限り即購入します。
ブラームスのハイドン変奏曲は私も大好きな曲の一つです。数えたことはないですが、交響曲のCDには必ず付いていますので、恐らく20種類以上はあると思います。モントゥはあいにく持っていませんが、私の愛聴盤はベーム、バーンスタインのVPO盤です。誰の演奏でもこの曲は悪くないです。
変奏曲というのは、バッハの時代から作曲家は必ず取り上げてきました。というより、変奏曲が書ければ、作曲家になれるのです。短いテーマが次々と変奏されて、巨大な音楽になっていく曲は沢山あります。ラフマニノフのパガニーニ変奏曲、ブリテンの青少年のための管弦楽入門、もちろんゴルトベルク変奏曲もあります。大作曲家といわれる人は、変奏曲の達人であり、我々はそれらの変奏曲を常日頃、聴いているのかも知れません。
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コメントありがとうございます。 (mikotomochi58)
2014-07-06 22:27:52
クレモナ 様、コメント感謝です。返信がまた遅れまして、申し訳ありません。私も、モントゥーのCD、中古やさんで見つけたら、買おうとう強い決意で臨んでおります(笑)。先日もベートーヴェンの運命と田園を買いました。780円でした。ベートーヴェンは、MEMORIESのライブの全集がありますが、セッション録音では、2・4・5・6番しかありません。また見つけようと思っております。またご教示よろしくお願いします。
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