高校野球も慶応の優勝で終わりました。今年は比較的よく観戦していました。それで思ったことは、前回のことに加えて、審判のことですね。やはり誤審とも思える事例が話題になりました。。やはり人間のすることだから、間違いはある。思い切って、ビデオ判定などを導入してはどうでしょう。一生懸命されている審判の方々も、誤審だ、といって叩かれることも不幸なことですしねえ。多くのスポーツで導入されているので、検討されてみてはいかかでしょうか。無理かなあ。
そんな中、若林工房さんの事業終了のことを知りました。富山県魚津市でCD製作販売をされて、特に、イリーナ・メジューエワや中野振一郎さんの演奏のCDが有名ですね。やはりCD全体の売上げが低下している現状ですから、なかなか厳しいものがあるんでしょうね。私は、メジューエワさんの演奏のCDを数枚持っている程度ですが、残念なことであります。在庫セールをしているので、メジューエワさんの演奏のCDをいくつか注文した次第であります。
それで、今回はそのメジューエワさんの演奏のCDから、バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻であります。2014~15年に魚津市の新川文化ホールでの録音です。メジューエワさんって、けっこうレパートリーが広いピアニストですよね。その中でもバッハは積極的に録音されてます。これも若林工房さんあってのことでしょうかねえ。平均律に関しても、1・2巻ともに録音されているのですが、第2巻は持っていません。ですので、今回注文しました(笑)。
ということで、今回メジューエワさんの平均律第1巻を改めて聴きました。やはり平均律はいいですねえ。これを聴いていると、時間を忘れるというか、永遠又は悠久のときの中に身を浸すような感覚になります。非常にふところが深いというか、どんなことを音楽に求めようとしても、すべて受けとめてくれる、そんな感覚になるんですねえ。私にとっては、無人島に持っていくCDの最有力候補のひとつであります。
メジューエワのピアノですが、非常に腰が座っている。一音一音、非常に大きな音でもあるし、また安定した響きになっていますね。そして、音色も非常に澄んできれいです。まさにロシアピアニズムなんでしょうかね。それでいて、細部まで明晰な表現で聴くことができるんです。最初は、でかい音のピアノでなかなかガンガン来るなあ、と思ってましたが、聴き進むにつれて、その強音は強音で、心に安定感を持って自然に入って来るのでありました。
例えば、嬰ハ短調のフーガ。これは曲中、長い部類に入る曲なんですが、終始強音で弾ききるのです。そして曲が進むにつれて、強音がさらに力を帯び、インテンポでどんどん進んでいく。いつ果てるとも知れないようなフーガがとてもいいです。非常に明快なピアノの響き。また、ニ長調の前奏曲とフーガ、混じりっけのない音色で、これ以上鮮明な響きもないだろうと思えるほどのピアノで、歌われています。非常にわかりやすいです。バッハの書いた音楽が手に取るようにといえば、大げさでしょうが、そんなことを感じる演奏であります。変ホ短調の前奏曲とフーガ、前奏曲ではゆったりとしたテンポで一つ一つの音を確かめるように弾き、次の6分の長いフーガも、ニ長調のと同じように、力強く存在感を十二分に感じさせ、最後はガツンと終わる。その中にバッハの音楽はこうであらねば、という強い自己主張も聞き取ることができるのでした。嬰ヘ長調の前奏曲。ピアノが花びらのように舞うようです。イ短調のフーガ。これも強靱なピアノが確信をもって堂々と弾きこなしており、心地よさも感じます。そして、最後のロ短調の前奏曲とフーガ。この全曲中、この二曲が大好き。メジューエワは最後まで強靱。その音色を生かしてたいそうダイナミックな表現であります。それでいてフーガでは、繊細さも含みながら、この大きさに圧倒されそうですねえ。全曲を聴くと、メジューエワの強靱で明晰で、そしてダイナミックな平均律の世界にしっかりとはまっているのでありました。
しかし、慶応の応援はスゴかったですね。もうかなり前に出場されたときに、甲子園で見たことがあるのですが、そのときも「陸の王者、慶応」、そしてそのあとの歓声がまたスゴかったです。107年振りの優勝、おめでとうございます。
(若林工房 WAKA4187 2015年)
そんな中、若林工房さんの事業終了のことを知りました。富山県魚津市でCD製作販売をされて、特に、イリーナ・メジューエワや中野振一郎さんの演奏のCDが有名ですね。やはりCD全体の売上げが低下している現状ですから、なかなか厳しいものがあるんでしょうね。私は、メジューエワさんの演奏のCDを数枚持っている程度ですが、残念なことであります。在庫セールをしているので、メジューエワさんの演奏のCDをいくつか注文した次第であります。
それで、今回はそのメジューエワさんの演奏のCDから、バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻であります。2014~15年に魚津市の新川文化ホールでの録音です。メジューエワさんって、けっこうレパートリーが広いピアニストですよね。その中でもバッハは積極的に録音されてます。これも若林工房さんあってのことでしょうかねえ。平均律に関しても、1・2巻ともに録音されているのですが、第2巻は持っていません。ですので、今回注文しました(笑)。
ということで、今回メジューエワさんの平均律第1巻を改めて聴きました。やはり平均律はいいですねえ。これを聴いていると、時間を忘れるというか、永遠又は悠久のときの中に身を浸すような感覚になります。非常にふところが深いというか、どんなことを音楽に求めようとしても、すべて受けとめてくれる、そんな感覚になるんですねえ。私にとっては、無人島に持っていくCDの最有力候補のひとつであります。
メジューエワのピアノですが、非常に腰が座っている。一音一音、非常に大きな音でもあるし、また安定した響きになっていますね。そして、音色も非常に澄んできれいです。まさにロシアピアニズムなんでしょうかね。それでいて、細部まで明晰な表現で聴くことができるんです。最初は、でかい音のピアノでなかなかガンガン来るなあ、と思ってましたが、聴き進むにつれて、その強音は強音で、心に安定感を持って自然に入って来るのでありました。
例えば、嬰ハ短調のフーガ。これは曲中、長い部類に入る曲なんですが、終始強音で弾ききるのです。そして曲が進むにつれて、強音がさらに力を帯び、インテンポでどんどん進んでいく。いつ果てるとも知れないようなフーガがとてもいいです。非常に明快なピアノの響き。また、ニ長調の前奏曲とフーガ、混じりっけのない音色で、これ以上鮮明な響きもないだろうと思えるほどのピアノで、歌われています。非常にわかりやすいです。バッハの書いた音楽が手に取るようにといえば、大げさでしょうが、そんなことを感じる演奏であります。変ホ短調の前奏曲とフーガ、前奏曲ではゆったりとしたテンポで一つ一つの音を確かめるように弾き、次の6分の長いフーガも、ニ長調のと同じように、力強く存在感を十二分に感じさせ、最後はガツンと終わる。その中にバッハの音楽はこうであらねば、という強い自己主張も聞き取ることができるのでした。嬰ヘ長調の前奏曲。ピアノが花びらのように舞うようです。イ短調のフーガ。これも強靱なピアノが確信をもって堂々と弾きこなしており、心地よさも感じます。そして、最後のロ短調の前奏曲とフーガ。この全曲中、この二曲が大好き。メジューエワは最後まで強靱。その音色を生かしてたいそうダイナミックな表現であります。それでいてフーガでは、繊細さも含みながら、この大きさに圧倒されそうですねえ。全曲を聴くと、メジューエワの強靱で明晰で、そしてダイナミックな平均律の世界にしっかりとはまっているのでありました。
しかし、慶応の応援はスゴかったですね。もうかなり前に出場されたときに、甲子園で見たことがあるのですが、そのときも「陸の王者、慶応」、そしてそのあとの歓声がまたスゴかったです。107年振りの優勝、おめでとうございます。
(若林工房 WAKA4187 2015年)