突然の防衛力増強と増税。なぜ参院選のあとに、後出しジャンケンのように突然出すのですかね。原発問題もそうでした。今後二年以上は選挙はない中で、政策の大転換を打ち出す。うーん。どうなんでしょうか。参院選のときには、まだそんな気なかったんですかねえ。それならそれでビジョンも何もない政権ですよね。その政治の良い悪いは別として、国民の意見を反映した政治をしてほしい。これも安定多数の議席を持っているゆえの所業でしょうか。困ったことと思います。
そんなこんなで、師走ももう半分が過ぎました。今週末はクリスマス。前回はコレッリのクリスマス協奏曲の含まれる合奏協奏曲。となれば、今回はJS.バッハの『クリスマス・オラトリオ』BWV.248であります。1934年ライプチヒ聖トーマス教会のカントルだったバッハによって作曲されました。独語の歌詞による全6部(計64曲)から成るカンタータ集であり、演奏する際は教会暦に沿ってクリスマス(12月25日)から顕現節(1月6日)の内、日曜と祝日の計6日間に全6部を1日1部ずつ行われるそうです。まあ、クリスマスに関連する、6つのカンタータと思えば、それほど敷居が高くはないですね。とはいえ、クリスマスに教会で聴くと、それはそれでいいものでしょうねえ。神戸でも松蔭女子学院大のチャペルで以前はクリスマスに演奏されていたようですが、最近はやってないんすねえ。
もうかなり以前に、この曲を取り上げたことがあります。カール・リヒターの名盤でした。しかし、今となっては古楽器による演奏が評価されているようです。だから、ということでもないのですが、ニコラウス・アーノンクールの演奏。ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスとウィーン少年合唱団員(S),ポール・エスウッド(CT),クルト・エクヴィルツ(T),ジークムント・ニムスゲルン(B)。1972-1973年の録音。アーノンクールには、2006年の再録音と1981年の映像によるものがあります。この1972年盤は、アーノンクールもまだ30才代ですかね。初期のものであり、古楽器の認知度もそれほどでもない時期のもの。このころカンタータも録音していた時期でもあり、それらとの共通点も見られます。
この演奏、独唱に女声がまったくなく、ソプラノはウィーン少年合唱団員だし、アルトはカウンターテノール。ちょうどこの頃のカンタータやマタイの録音でも同じようだったので、それほど驚かないです。2006年の録音では、女声を起用しているので、なにがなんでも女声なしでもなさそう。初めての古楽器による録音ということで、気合が入っていたんでしょうかね。ボーイソプラノについては、清新な歌唱で心が洗われるようです。全曲中幾度か登場するのですが、同じ人なんでしょうか。なんとなく複数人おられるとも思いますが…。これに対して、CTは最初はそうでもないのですが、何度も聴いてくると、やはり女声の方がいいなあと思ってしまうのでした。
クリスマスオラトリオは、六部からなりますが、すべての曲数は64曲。ほとんどは2分くらいの曲ですが、アリアについては、5分以上の長い曲。中には19曲のような9分を越える曲もあります。そのアリアは、各部に2曲づつあり全部で12曲。どれもいい曲ばかりです。私は特にこれらが好きです。この演奏の独唱陣は、他のバッハのカンタータや受難曲などにもアーノンクールが起用しているのですが、非常に堅実で落ち着いた歌唱に、宗教曲としてのよさを感じます。アーノンクールの演奏も同様で、古楽器の音色のよさが、このような宗教曲には、あっているのだろうとしみじみと思わせてくれます。これを聴いた後に、モダン楽器の演奏を聴くと、なんだか胸が苦しくなりそうです。それにしても、ソプラノのウィーン少年合唱団員は見事な歌唱ですねえ。少年とは思えない、まだ同時に少年だから成し得えた演奏がとてもいい。変な思い込みや先入観もなく、純度の高い、敬虔な世界が再現されています。
今日の『サンデーモーニング』で姜尚中さん、防衛力増強についてのコメントで、そんなことするより地震対策を優先すべき、と発言。まあ間違った内容ではないのですが、少々あの場の議論からは外れすぎていました。それもおもしろかったですが、困ったことでもありました。
(WARNER CLASSICS 0825646985401 2015年 輸入盤)
そんなこんなで、師走ももう半分が過ぎました。今週末はクリスマス。前回はコレッリのクリスマス協奏曲の含まれる合奏協奏曲。となれば、今回はJS.バッハの『クリスマス・オラトリオ』BWV.248であります。1934年ライプチヒ聖トーマス教会のカントルだったバッハによって作曲されました。独語の歌詞による全6部(計64曲)から成るカンタータ集であり、演奏する際は教会暦に沿ってクリスマス(12月25日)から顕現節(1月6日)の内、日曜と祝日の計6日間に全6部を1日1部ずつ行われるそうです。まあ、クリスマスに関連する、6つのカンタータと思えば、それほど敷居が高くはないですね。とはいえ、クリスマスに教会で聴くと、それはそれでいいものでしょうねえ。神戸でも松蔭女子学院大のチャペルで以前はクリスマスに演奏されていたようですが、最近はやってないんすねえ。
もうかなり以前に、この曲を取り上げたことがあります。カール・リヒターの名盤でした。しかし、今となっては古楽器による演奏が評価されているようです。だから、ということでもないのですが、ニコラウス・アーノンクールの演奏。ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスとウィーン少年合唱団員(S),ポール・エスウッド(CT),クルト・エクヴィルツ(T),ジークムント・ニムスゲルン(B)。1972-1973年の録音。アーノンクールには、2006年の再録音と1981年の映像によるものがあります。この1972年盤は、アーノンクールもまだ30才代ですかね。初期のものであり、古楽器の認知度もそれほどでもない時期のもの。このころカンタータも録音していた時期でもあり、それらとの共通点も見られます。
この演奏、独唱に女声がまったくなく、ソプラノはウィーン少年合唱団員だし、アルトはカウンターテノール。ちょうどこの頃のカンタータやマタイの録音でも同じようだったので、それほど驚かないです。2006年の録音では、女声を起用しているので、なにがなんでも女声なしでもなさそう。初めての古楽器による録音ということで、気合が入っていたんでしょうかね。ボーイソプラノについては、清新な歌唱で心が洗われるようです。全曲中幾度か登場するのですが、同じ人なんでしょうか。なんとなく複数人おられるとも思いますが…。これに対して、CTは最初はそうでもないのですが、何度も聴いてくると、やはり女声の方がいいなあと思ってしまうのでした。
クリスマスオラトリオは、六部からなりますが、すべての曲数は64曲。ほとんどは2分くらいの曲ですが、アリアについては、5分以上の長い曲。中には19曲のような9分を越える曲もあります。そのアリアは、各部に2曲づつあり全部で12曲。どれもいい曲ばかりです。私は特にこれらが好きです。この演奏の独唱陣は、他のバッハのカンタータや受難曲などにもアーノンクールが起用しているのですが、非常に堅実で落ち着いた歌唱に、宗教曲としてのよさを感じます。アーノンクールの演奏も同様で、古楽器の音色のよさが、このような宗教曲には、あっているのだろうとしみじみと思わせてくれます。これを聴いた後に、モダン楽器の演奏を聴くと、なんだか胸が苦しくなりそうです。それにしても、ソプラノのウィーン少年合唱団員は見事な歌唱ですねえ。少年とは思えない、まだ同時に少年だから成し得えた演奏がとてもいい。変な思い込みや先入観もなく、純度の高い、敬虔な世界が再現されています。
今日の『サンデーモーニング』で姜尚中さん、防衛力増強についてのコメントで、そんなことするより地震対策を優先すべき、と発言。まあ間違った内容ではないのですが、少々あの場の議論からは外れすぎていました。それもおもしろかったですが、困ったことでもありました。
(WARNER CLASSICS 0825646985401 2015年 輸入盤)