"ロシアの大鷲"こと
ロマン・オルロフと
"ピンクパンサー"、
Mr.しもによる
2度目のシングルマッチは
Mr.しもが
運と機転によって
オルロフに
雪辱を果たした。
この試合が
今回の来日での
最後の試合となった
オルロフは
ほっこりプロレスに
自身を招待した
かつての戦友、
金山譲とガッチリと握手。
充実したような
何か不満気なような
どこか複雑な表情で
試合を振り返った。
「一ヶ月ほど前、
ヤツとの戦いを終えて
私は得るもののない
試合だったと振り返った。
あれが本当にカナヤマの
教えを受けた選手なのかと
疑ったほどだ」
オルロフにとって
戦友の弟子は
端にも棒にも掛からない
落第点だった。
「・・・だが、今は
別の感情を抱いている。
ヤツはまるで
エイリアンのような
プロレスラーだった。
実力を認めたという
わけではない。
しかしながら
私はヤツに翻弄され
ヤツは私に勝った。
それは紛れもない事実だ」
Mr.しもが
実力不足であることは
疑いようのない事実。
それでも以前の戦いとは
逆の結末が待っていた。
「私の攻め手は定石通り、
上手くいっていた。
ヤツの動きだけが
計算外だった。
ロープワーク中に
寝そべって
あくびをする選手など
今まで聞いたことがない」
Mr.しもの行動は
オルロフにとって
理解不能のものだった。
それがオルロフの
緻密なロジックを
少しずつ狂わせる・・・。
「場外からリングへ
戻ろうとするたびに
ヤツは私を転がして
リングの外へ落とすんだ。
腹を立てるなと言う方が
無理な話だろう?
あれでだいぶ
体力を奪われてしまった」
怒りの感情とともに
オルロフが感じたのは
「バカ負け=呆れ」。
転がされ、
リングを落とされ、
何度もリングに上がる
オルロフの表情は
笑っているようにも見えた。
「試合の終盤でヤツは
私に許しを請う
ポーズをしてみせた。
前回の対戦でも
同様の動きを見せていたので
『またか』と腹が立った。
だが、今にして思えば
あれはトラップだった。
私はヤツの
勝利の方程式に
乗せられてしまったんだ」
Mr.しもは
降参の意思を見せ
自然な形で後退し
コーナーを背負う。
「ブレーンバスターで
ヤツを投げようと
3度試みたが
上げることができなかった。
それも当然だ。
なぜならヤツは
自身の両脚で
コーナーポストに
しがみついていたのだからな」
「私はその事実に気付かず
3度目のトライの際に
腰に大きなダメージを
受けてしまった。
笑えるだろう?
これまで対戦相手を
何度もK.O.してきた
ブレーンバスターで
自分を壊して
しまったんだからな」
オルロフは
Mr.しもの策に敗れた。
その戦略を讃える
オルロフだが
あの逆転劇が
Mr.しもの計算だったのか、
あるいは単なる
偶然だったのかは
当人にしかわからない・・・。
「こんな無様な敗北は
認めたくない、
その一心で
ボストンクラブに耐えた。
カナヤマよ、
もしお前があのとき
レフェリーストップの
裁定を下していなければ
私は今頃もっと
重症だったかもしれないな。
お前は私の恩人であり、
一生涯の恨みの対象だ、
ハハハ・・・」
レフェリーストップを
宣告した金山は
この試合をどんな想いで
裁いていたのだろうか?
「さらばだ、カナヤマ。
ロシアに戻ったら
私も弟子を
育ててみたいと思う。
私の無念は愛弟子に
晴らしてもらおうか。
その日が来ることを
楽しみにしている」
オルロフと金山、
2人のライバルストーリーは
彼らの弟子たちに
引き継がれることに
なるのだが・・・、
それはもう少し
先の話である・・・。
THE END
★Mr.しもの中の人の裏話★
約2ヶ月間も続いた
オルロフとのストーリー、
ようやく終幕となりました!
8月と9月は
これしかやっていない
気がしますぜ・・・。
物語の方も
テキトーに書き進めた割に
キレイに落ち着いたかなと
思ってます。
オルロフの弟子の話は
まったく考えてませんけど
いずれ忘れた頃に
挑戦してみたいですね~♪
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