ひさしぶりに、
藤原新也さんの本を読んだ。
「日々の一滴」
藤原新也さんは
「印度放浪」でデビューし、
かつて一世を風靡した写真家。
「東京漂流」
「メメントモリ」
「七彩夢幻」
「千年少女」など、
時代や社会を鋭く切り取る
数々の写真やエッセイを発表してきた。
独特の言語感覚の持ち主で、
今は当たりまえのように使われるようになった、
「月光浴」ということばも
この人が世に送り出したもの。
この日々の一滴にも、
「笑顔の彼方に深き花の闇」
「群れという引きこもり」
「愛国心という名のテロ」
「ユーモアという不敵な武器」などのことばが、
見出しのように写真に添えられている・・・
流行のスイーツなどに長い行列ができている写真には、
「味に並んでいるのではなくトレンドに並んでいる」
という納得の名言も・・・
78歳ということだけれど、
世の「理不尽」をとらえる鋭い感性と、
いずれ死にゆく人間の
孤独と哀しみを見つめる眼差しは
今も変わっていない・・・
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