年に一度の歯科健診。
歯や歯ぐきの状態を診てもらい、
「はい、終わりましたよ〜」と言われ、
顔を覆っていた小さな布が外された。
「つらくなかったですか〜」と聞かれ、
歯科衛生士さんに顔を向けて、
エッと驚いた。
その人の目が氷のように冷たく無表情で、
さっきまでの、
「はい、お口あけてくださ〜い」
「大丈夫ですか〜」
「口をゆすいでくださいね〜」という
優しい声かけとの、
あまりの乖離に絶句・・・
この氷の目で、
あの優しい声かけを??
どうしても腑におちず、
帰宅してから鏡の前で、
冷たい目をしながら、
何度も優しい言葉を言ってみた。
しかし、
優しい言葉を言おうとすると、
自然に口角が上がって笑顔になり、
やわらかい目になってしまう・・・
理由はわからないけれど、
彼女は優しい言葉をかけながら、
マスクのなかに笑顔はなかったということ・・・
氷の目で優しい言葉が言えるとしたら、
仕事的には、さすがプロとも言えるけれど・・・
目って、自分を隠せないものだなと、
つくづく・・・
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