ようこそ私の庭へ 

季節を忘れずに咲く花、大きくなる木、きまぐれ猫、その他もろもろ日々の綴りです。

木を切る男

2024年08月26日 | 読 書

木を切る男

  

     庭木ですが、家に沿ってL字形にサザンカ、紅葉のきれいな楓の木はシンボルツリーとして植えたのですが、

     木は大きくなります。見た目良い大きさで止まっていてくれたら良いのですが、木も大きくなりたい。

     ドンドン大きくなって、手の届かない大きさになって、手入れが大変です。

     私は切り刻んだ枝葉を袋攻め程度のことしかできませんが、この暑さの中・・庭師さんにお任せしたら

     と言っているのですが、次第に~これは彼の趣味の一つかもしれないと思い始めています・・

    

     「木を植えた男」

     

     そんな姿を見ているうちに、ふと思い出した10年以上も前に読んだ一冊の本。

     「木を植えた男」琴線に触れる一冊です。

     時は第一次世界大戦が終わった時代。疲れ、荒れ果てた大地を故郷に向かって歩く若い兵士の回想録で始まる。

     南フランス・プロバンスの荒れ地。遠くの荒れ果てた丘陵地帯に小さな人影を見る。

     荒れ果てた大地にドングリの実を丹念に植え込み、人知れず何十年もの間、黙々と木を植え続け、

     やがて森を蘇らせた一人暮らしの寡黙な初老の男の物語。子供を病で亡くし、続いて妻も。

     命が蘇ることをひたすら願いながら、木を植え続け、やがて緑の大地を蘇えさせる。

     フランスの作家ジャン・ジオノの短編小説。1953年発表。

 

 

   

   

  

 

 

 

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帰ってきたかい人21面相

2011年06月05日 | 読 書

5月に読んだ読書会の本

実際にあった、「グリコ・森永事件」は未解決のままになっているそうですが、その時の犯人が復活して、経団連の会長を誘拐し、3兆円を身代金に取り、派遣切りにあった人や、年収2百万円以下の貧しい人達に“定額給付金?”を配るという義賊のお話です。

住宅情報誌の記者→バブル崩壊後解雇→タクシー運転手→事故→酒癖悪く妻に暴力・離婚→年越しの炊き出しの列に並ぶ・・。と身を落としていった久保寺圭一は、残飯あさりや生活保護を受ける勇気もなく、ましてや自殺もできないままでいる日々の中、ボランティアの就職相談員(実は首謀者)から、高額(5千万)な仕事の依頼をされる。同じような境遇の仲間5人は、コンピューターの達人、メーキャップのプロ、手先が器用、会長に恨みを持つ等、それぞれが秀でているが人生に事情のある者ばかり。

どう解釈しても現トヨタの社長(政財界との癒着)のことを言っていると思えたり、国民感情無視の前々首相のA(マンガしか読まない人と書いてあった)を皮肉っていたりとか、今起こっている日本の社会を風刺した内容でした。

5人は各自が秀でた腕を発揮し、経団連会長の誘拐は振り込め詐欺の手口を利用しうまくいき、警察の包囲網を潜り抜け、怪人21面相はまたも義賊としての仕事をやりぬく。極貧5人には約束通り5千万づつが配られ、首謀者・熊田虎雄は世界一幸せな国と言われるブータンへ逃亡する。この最後の部分がなんとなく気抜けしますが、面白かったので一気に読み終えました。



題名 : 帰って来たかいじん21面相
作者 : 小笠原和彦

 

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読書会(4月)

2011年05月09日 | 読 書

作者 : 川崎草志 

ゲームソフト制作会社に勤務する「島 汐路」という女性が、制作仲間がビルから「飛び降り心中する事件」を目撃するところから物語がスタートします。汐路の両親も汐路が子供の時に、目の前で崖から落ちて心中をする(実は殺人事件)という経験をしている。

ゲームを制作するプロジェクトの行程やスタッフの苦労話し等が書かれていて興味深く読みました。PCやネット上の言葉も多々出てきて、のめり込んで読みましたが、ミステリーなこわい殺人事件のストーリーでもありました。

題名の「長い腕」の意味は最後までよく分からないままで、心中したと思いこまされた両親の、母親の姿を崖の上から見た汐路の印象だったのかも。

 

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3月の読書

2011年04月01日 | 読 書

去年一人、読書会のメンバーが退会をしましたので10人いたのが9人なりましたが、いつもいつもダイエットの話をしているKさんが、今かい回覧してくれた本は全く彼女そのままの本で「痩せる食べ方」です。

  「やせる食べ方」著者:江部 康二(医師・高雄病院理事長)

幸いなことに私はダイエットに苦労をしたことはない~かな?そういえば高校生の時にあったかな?ズ~と昔の話になりますが、部活のオフになると、というより夏の部活で体力以上の運動をするので、胃が食事を受付なくなって体重が落ちる。冬のオフになると体が落ちた体重を取り戻そうとモリモリの食欲になって、リバウンド!びっくりするほどの体重になったことがあります。青春してましたー!

この本を読むと、今まで私が信じていた太る食べ物と、太らない食べ物の考え方が真逆です。クッキーはバターを使っているから、すなわち脂肪分を使っているから、体内に蓄積されて太る。お饅頭は糖分を多く使っているけれど、脂肪分はないので太らない。そう聞いて信じていました。

この著者によると、「カロリーと脂肪を低めにするよりも、糖質を少なくするほうが痩せやすい。今の時代の人が太りやすいのは糖質の多い食事に原因がある。」と書いています。太っていることはさまざまな病気につながります。心がけたいと思いました。

 

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利休にたずねよ

2011年03月03日 | 読 書

 利休にたずねよ(2月読書会回覧本) 作者 : 山本兼一
 

 「 死を賜る (利休) 」 1591年2月28日 朝、京の聚楽第 利休屋敷 一畳半の章から始まり、「夢のあとさき (利休の妻 宗恩)」までの24章を、気憶をたどるように時をさかのぼって書き進む小説。

秀吉が天下人となり煌びやかな衣装に身をつつみ、黄金の茶室、黄金の茶釜をしつらえ、その権力を誇示する。それに反して利休は4畳半ー3畳ー2畳から一畳半へと質素な作りの茶室で侘び茶の世界へと進む。

歴史的にみても権力の中枢まで上りつめた利休が、なぜ秀吉の逆鱗に触れ、切腹を言い渡されたのか確かな理由は明らかになっていないようですが、言いがかりの切っ掛けとして大徳寺山門の利休像としている。

貧しい一農民でしかなかった秀吉に対し、利休は堺の裕福な商家に生まれ、若いころには放蕩三昧の暮らしをしていた。

利休に対する秀吉のジレンマと妬み。表面は秀吉にかしづきながらも、利休の本心は『わしが額ずくのは,美しいものだけだ』(利休は命乞いをしなかった。切腹の真の理由は、「利休にたずねないと分からない。」という結果にたどり着く。) 

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乙女の密告

2011年02月04日 | 読 書

読書会のメンバーから、去年の芥川賞に選ばれた赤染晶子さんの「乙女の密告」が郵便受けに入れられたのは・・・確か去年の暮。 読まなければ、読まなければ~と思いつつ気忙しいを理由に2月になってしまい、あわてて読んで次のメンバーに渡しました。

最近出版される本、先日の道尾秀介さんの本もそうですが、実に字数が少ないのです。すぐ読めてしまいます。

 エッ?私って、大胆にも芥川賞の批判してる、ハズカシ!

本を読まない子供が、人が増えたと言われるようになって久しい分けですが、字数が多いと本は売れない?のでしょうか。

車も、新幹線も、メールも早く目的地に着く点でとても便利なのですが、もし読書もいつの間にか同じレベル(早く読み終える)で考えられてしまっているとしたら・・・ちょっと間違っているように思うのですが・・・。そう言っている私も、今回の「乙女の密告」に関しては、早く読むことができて、次の人に早く渡すことができて助かりました。

「乙女の密告」第2次世界大戦当時、ユダヤ人のアンネフランクが書いた「アンネの日記」と、主人公のみか子が学ぶ外国語大学での出来事がオーバーラップした内容。

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道尾秀介さん

2011年01月28日 | 読 書

10日ほど前の話になりますが、第144回芥川賞・直木賞が選ばれました。私は今回、直木賞を受賞した道尾秀介さんのフアンです。

作家というのいは、名前は売れていても、その顔は表に出てくることが少ないのですが、受賞ともなると、マスコミが放っておかないので、ここ1週間ほどは、たっぷり道尾さんを見ることができました。特に日曜日のCBCテレビの情熱大陸では、特集を組んでいましたので、作家として以外の道尾さんも知ることもできて嬉しいかぎりです。写真もバッチリ撮りました!

きちんとかたずけられた自室のアトリエで、パソコンに向かって小説を書くレアな映像は、めったにお目にかかれるものではありません。グーっと見入ってしましました。


自分のことを“ビッグ・マウス”と言っていました。それは作家としての自信を、大らかに語っているものと思います。今回、私が選んだ読書会用の本、道尾秀介作「光媒の花」は、山本周五郎賞を受賞しているという理由で選んだ分けですが、すぐにファンになってしまいました。読み始めて、自然にスーと本の中に入っていってしまいます。難しいことは分からないのですが、読みやすい本を書く人という印象でした。

小説を書く上で、自分自身を書かないようにしていると言っていました。「世に、誰でも一つは小説を書くことができる。」という言葉を聞いたことがありますが、自分を書かないからこそ、次々と新しい構想で本が書けるということなのでしょうか。

 前列の真ん中、「光媒の花」

エレキギターが好きな1975年生まれ。5回連続ノミネートされていて、友人達と飲み会をしながら、受賞の報告待つ光景がほほえましかったです。今度こそという思いがあったのでしょう。それも小さな声でぼそぼそと、携帯で受けていました。若いですー!

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