5日の夜は翌日、都内で打ち合わせがあるためT動画社勤務時代の同僚M君のアパートに泊めさせてもらう。
Mクンは当時から脚本家志望だったが、現在でも現役有能ライターとして仕事をこなしている。
特に海外ドラマのDVDのパッケージの解説等、ダイレクター業全般をこなしている。
そのとき聞いたマニア向けこぼれ話。
これは彼の担当ではないが、「刑事コロンボ」(ユニバーサルピクチャー)の主役P.フォークの声は小池朝雄が当てていたが、最終回のトラッキングテープ(音声テープ)が紛失してしまったそうである。
当時放送権を持っていたのはNHKだったが当時は効果音、各声優の吹き込みの声など別々のトラッキングテープは使用後-全てミキシングが終わって完成したから-は保管せずに廃棄していたそうである。
本放送で使用した音声テープが残っていたら問題ないのだが、いろいろな局を回っているうち無くなってしまう事は結構あるらしい。
本放映当時は小池朝雄が声を当てていたが、見つからないので再放送からは石田太郎が声を当てている。マニアはDVDが出たとき、小池の声で最終回「策謀の結末」が入っていると思ったし、実際のパッケージにはそう書いてあったのだが、声は結局石田のものだったらしい。結構ファンはブーブー言っていたらしい。そりゃそうだ。
それにこの事実出版元は気づいていなかったというお粗末はなしつき。
友人のM君は「刑事コジャック」を担当。
ここでもひと悶着あって、実はユニバーサルで作られた一回分の放送時間は、日本での放送に合わせるため多少カットしている。
DVD化されると聞いて、解説を書くMくんは原版を確認したいと言ったらしいが、探しもしないで、担当者は「もうありませんから、ある素材で適当に書いてくれ」と言ったそうである。
その後作品内容点検、各話解説を入れだしたときに「やっぱありました」ということになって、まじめなMクンは憤慨していた。
ユニバーサルさん、もっとしっかり仕事してください。