休日ということもあり、新聞をゆっくり時間をかけて読んだり、洗濯や掃除なども終わったらもう11時過ぎ。
今日は朝から晴天ということもあり、何だかライディング心がムズムズとうずいてきました。少し寒いけど、行っちゃへということで、急きょ出発準備。帰りのことを考え、ライトや点滅尾灯を装着し、12時ジャストに我が家を出発。休日なので、それぞれの都合があり、家族はみんなチリジリバラバラ。お昼ごはんもそれぞれ自由。ライディングは定番コースのとかち帯広空港まで。途中、「楼風庵」で昼食にしようということで行きました。
とかち帯広空港コースは、もちろん丘を走り抜けるのが定番。高校のある坂を登り切って、丘コースに入って間もなく、畑の中に白い斑点が目に入りました。どんどん近づいていくとその白い斑点が、白鳥であることが分かりました。収穫後のデントーコーンの実でも食べているのでしょうか、辺り一面に、そう、200羽くらいいました。もしかしたら、十勝川温泉前の川で越冬する白鳥の一団かもしれません。
いっつも見る十勝平野と日高の山並み。そんな風景も時間が変わるとまた新鮮です。読書の好きな人や読書によって自分を変容(自己啓発)させられた人には、何度も同じ本を読み返す人もいると聞きます。おじさんは読書は苦手ですが、同じ風景をこのように時間を変えて眺めることは何度見てもいいもんです。
何度も自転車を止め、日高やもっと遠くの大雪とにらめっこし、13:10とかち帯広空港に来ました。着いた証拠に撮ったJALの飛行機、これは15時何分かの羽田行きだと思います。この飛行機は折り返して17:50羽田発の便になって19:25頃戻ってきます。
空港を後にして、お昼ごはんが待っている「楼風庵」へ直行。少し寒くなってきたので、いっぱい食べればいいかと思って、温かい手打ちそばセットを注文しました。待っている間は、窓の前に拡がる日高山脈をうっとり眺めていました。ここの眺めは本当にいいです。眺めてはいるのですが一つ一つの山の名前が十勝ポロ尻岳ぐらいしか知らないというさびしさです。その上いつも日高を睨んで商売をしている楼風庵のママさんも似たりよったりということで、テーブルの鳥瞰図を見ながら、あれか、これかで終ってしまいました。
手打ちそばについては、以前書いたとおりですが、この日のテンプラが良かったね。自宅の菜園で採れたという、アピオスのテンプラ。おじさんは、アピオスの存在さえ知りません。こりゃなんじゃいということでママさんに聞いたところ、地下にできるのだそうで、ラッカセイのように実がついているとか。見た目は楕円形大型ココナッツ、食感はおお豆のようなイモのような。健康にも良いということでした。また、自宅で採れたというヤーコンのテンプラ。我が家の菜園でもヤーコンが採れましたが、天ぷらは初めてです。海のものは、釣ってきたというチカのテンプラ。などなど、手をかけ汗をかいた食材なもんだから、一層おいしってもんです。
風景を見たり、食べたり、ママさんとのおしゃべりをしたり。おしゃべりの続きがあります。おじさんは十勝の景観と食はメジャーだと思っているものですから、今日のコースも美瑛の丘には負けていないと、ママさんに話したら、ママさんが言いました。美瑛の丘は人の手がかかりすぎているのではと。また、こうも言っていました。十勝の農家さんも自宅周りの手入れが行き届いてきたと。おじさんも思います。この程度が程よいと。ちなみに、話し相手をしてくれたママさんは、千葉の出身といっていました。北海道新聞の通信員もしているということでした。きらり光る十勝の女性に本州出身者が多いと思うのはおじさんだけだろうか。
15:00近く、楼風庵を後にしました。午後3時はこの季節、もう夕暮れ時の始まりです。帰りも同じコースですが見る風景は来た時とは少し趣も違います。
お日様が低くなり、ペダルを踏むおじさんの影も一段とのっぽになってきました。気温もどんどん下がってきます。写真は止まって写しているように見えますが、手ばなしでペダルを踏んでいます。ここから6%の坂道が待っています。
お日様はどんどん低くなるとともに、十勝平野は風がピタリと止んだようです。平野全体が静寂に包まれるって感じです。
今日のライディングでの狙いは、この丘からの夕焼けですから、この時に合わせてペダルを踏んでいます。ライトも尾灯も仕事をはじめています。雲ひとつない夕焼けってどんなになるのだろうと楽しみにしていました。その時が来ました。雲がないのに夕焼けになっています。空気中にはチリもあるので、この夕焼けは分からないわけではありません。しかし、最近のおじさんは空と雲にちょっぴりこだわっているものですから、なんか名前をつけたいと考え、おじさん心で「光雲」と名付けました。そして。光雲は、夕がたによく見られる光景で、放散する太陽の光が空気中の塵によって反射してできると、屁理屈をつけました。
家に着いたら16:00になっていました。本当に日が短くなったです。
久しぶりのライディング、少し寒かったですが、ケイデンス(回転数)を上げて走っていたので、体が冷えることもなく汗をかくこともなく終えました。腹周りには大きな変化はありません。
今日のライディング決行を後押ししたおじさん心があります。おじさんが50代後半に本当にガッチャついてペダルを踏みこんで練習やレースに参加したころ、膝や腰、肩などあっちこっち障害を起こし、お世話になった整形外科医の先生の訃報を知ったことがあります。その先生は、おじさんと同じ年齢で、鉄人です。元トライアスロンの選手で、今はもっぱら自転車やランニングをしていました。8月末の十勝センチュリーも一緒に参加して親しくあいさつを交わしたばかりでした。野菜作りもすごくて、診察を受けに行ったある時、自慢の菜園を案内してもらい、野菜を一杯もらいました。友人が書いた本もいただいたりして、診察に行ったのかおしゃべりに行ったのかわからないほど親近感のある先生でした。
おじさんにとっても惜しい方を亡くし、追悼のライディングとしました。