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スポーツ観戦&体験記、
映画&ドラマ鑑賞記、
日々の出来事などを、綴ってまいります

やっぱり仲間が好き…4年ぶりの再会と別れ「髑髏城の七人」

2018-06-01 00:54:00 | 演劇
昨年から上演を続けてきた、舞台「髑髏城の七人」千秋楽を今日バルト9ライブビューイングで、見てきた。

  劇団新感線の「髑髏城の七人」は、自分にとって特別な作品。5年前に、ゲキ×シネで見た感激が忘れられず、ずっと生で見たいと思い続けてきた作品が上映されると知り、何とかチケット手に入れたものの、顔も見られない遠くの席。それでも、大好きなシーンでは泣けてきた。

 その後も、ライブビューイング3回劇場で、『鳥、風、上弦の月、極』と一回ずつ鑑賞。舞台は生き物で、ゲキ×シネとは全く違う。

 時に、初代”捨之助”、古田新太さんが見たくて映画館と劇場3度見た、『極』。
見る度にスケールが増して、最後は天海さん演じる、美しく強く粋で愛しい”極楽”に、引き込まれていた。

 ただこの作品が好きなのは、劇団新感線の舞台で、歌や殺陣や笑いがあるからだけではない。
7人の仲間の物語だから。7人で戦うラストの殺陣、そして、並んだ姿は、いつも目頭が胸が熱くなる。

 そして、それ以上に、何度見ても、誰が演じても泣けるシーンは、”兵庫”が仲間の亡骸、一人一人に語り掛ける姿。

 5年前にスクリーンで惚れた、”捨之丞”がいない寂しさを感じ、ラストのお馴染み決め台詞で、救われた『極』の初見だった。

 今日、3度目、千秋楽。一人歩き出すラストではなく、仲間と新しい道を、歩き出す、7人で歩き出す”極楽”のラストに、胸が熱くなった。このラストもいい!!

 次は、どんな仲間と会えるのか、7年後?の再会を、今から、楽しみにしている。

 
その時まで、残念だがDVDの中で、若き古田新太さんの”捨之丞”にも会うことにしよう。

髑髏城の七人の仲間たちに拍手!!たくさんのスタッフに花束を!!

また逢う日まで…。
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キザでシャイで、真っ白な人ー細川俊之氏を偲んで

2011-01-29 00:00:00 | 演劇
 先日亡くなられた細川俊之氏の古いビデオをDVDにダビング中。二枚目半の「ショーガール」古屋一行、川谷拓三、そして、アクション抜きのとってもチャーミングな志穂美悦ッちゃんと共演したドラマ「やる気満々」、妻への嫉妬にかられ悪女に溺れる男を演じた「夜の長い叫び」、渡辺えり子に思いを寄せられる正統派二枚目役の「寂しい女は太る」そしてコントで絶妙なボケをかます?!「そんなコロッケな」などなど。

 異色なのは、不思議な映画「飛ぶ夢をしばらく見ない」。突然出会い愛人関係となった女性が、若返っていく話。今この年になってみてみると、切ない恋物語以上に、時の流れの切なさを感じてしまう。原作は、山田太一。山田太一氏というとすぐ思いつくのが、千葉ちゃんが桃井かおりさんと共演したドラマ、「夢に見た日々」いずれこちらで紹介していきたい作品。

 そして、トークショー「徹子の部屋」「さんまのまんま」「スタジオパーク」では、それぞれ40代、50代、60代での細川氏の様子が見られ、各年代のお芝居の話に、引き込まれてしまった。

 幼い頃からキザで、母親が隣町まで連れて行ってくれた洋画しか見なかった、ポール・ニューマンやアラン・ドロンに憧れ、煙草を持つしぐさを真似たりしたと言う、60歳過ぎても、俳優として、どんな役でも出来るよう、どんな役の色にも染まれるように、真っ白なキャンパスのようでありたいと、ニューヨークで向上心たっぷりの空気に触れ、声楽と芝居のレッスンをして(自分より若い先生に指導され、ちょっぴりむっとしつつも、笑)、役者として錆付いてしまわないようにと励む姿は、へタレ気味の自分に、目いっぱい活を入れてくれた。
 
 怖いくらいクールな厳しい表情の一方で、甘く時に、でれーっとした(失礼!)二枚目、三枚目の表情と、汗まみれになって必死に踊って歌う、さまざまな色に染まった姿を見せてくれた細川俊之氏。寂しさをぐっとこらえながら、その姿を、今一度、目に耳に焼き付けて、そのスピリットを自分の胸に注入する。

 もう二度とこんな、七三とオールバックがビシッと決まる俳優には出会えないかもしれない。生涯ピュアであり続けた俳優、細川俊之氏のあったかい笑顔に、乾杯!!
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熱く暖かい一時 ― 演劇ユニット『磨心頑』旗揚げ公演 Part3

2008-10-26 19:17:34 | 演劇
 16日~19日”てあとるらぼう”で上演された、演劇ユニット『磨心頑』旗揚げ公演「モンスタールーム」~大人たちの放課後~人は誰か一人でも自分をわかってくれる人がいればいい・・・の紹介と感想のPart3、ラスト。 (以下、敬称略にて、失礼します)

 校舎の下では、希望の両親(松井功・橋本有希)が火だるまになっていた。林(春田純一)が「バカヤロー!自分たちの都合で子どもを育て、最後は放り出した。何故、少しでも、息子が辛い時、話を聞いてやらなかったんだ!」と、怒鳴りつける。うずくまる希望(のぞむ=和田圭市)に「勉強しろ!頑張れば、お前は出来る」「遅く生まれた親の子だから・・・と、言われないように、頑張って!」と、両親の声が聞こえてくる。「子どもへのあてつけに死ぬ親、いる?」希望の嗚咽とも叫び声とも突かない声が教室に響く。そして、幼い日の、優しい両親の思い出が、蘇る。「希望、お誕生日おめでとう。危ない、転ぶぞ。」「とっても強い子ね。えらいわね。」笑顔の両親がそこにいた。

 時限爆弾を解除し、顔を上げると、「救急車を呼んであげて。僕だけシャットダウン。」と、頭に銃をつきつける、希望。ほっとするのも束の間、「死んではいけない!」と、正岡(岡本美登)が止める。網川夫婦(関根大学・橘佳世)小堀(大葉健二)見城(山田慶子)ら保護者、若田(鈴木一成)校長(町田政則)も、口々に「裁判を続けてくれ!まだ終わっていないぞ!」と、叫ぶ。「死なないで!」と手を伸ばし、ゆっくり希望の所へ夏木(真瀬樹里)が一歩一歩近づき「一緒に生きよう。」と、抱きしめる。涙でくしゃくしゃになった希望が、銃を降ろす。その時、気を失っていた正岡の妻(田中美唯)が目を覚まし、落ちていたナイフを希望のわき腹に付き立てた。

 一同が呆然と見つめる中、希望が崩れ落ち、全員が正気に戻る。「救急車を!」「死なないで!」「しっかりしろ!」「あなたこれで終わったわ・・・・」「もう終わったんだ!彼は救急車を呼んでくれと言ったんだ!!」声が入り乱れ、暗転。 

 娘の不登校の原因となった漫画を捨てる沼田(Miwa)一緒に閉じた週刊誌から、ひらりと一枚の紙。雑誌社に届いた夏木のことを訴えたものと同じもの。広げてニコリ。畳んで雑誌の中へ。

 網川の娘(関根さゆり)が捨ててあった漫画本の束を見つけ、父親と持って帰る。
 「人気の漫画が捨ててあるよ!ママが読みたがってた週刊誌もあるよ!」

                 ―幕―

 夏木が希望に愛情を感じ、人質達が希望の苦しみを理解し、勇気付ける暖かい一時が一瞬にして悲劇に変わる。読めた展開だが、自分も友人も、やはりこの展開は避けたかった展開。悲しすぎる。救いがない。けれど、これも現実・・・・。希望が、ほんの一瞬でも、愛され励まされたことを、救いとするしかないとしても、やはりかわいそうでならなかった。
 そして、沼田の空恐ろしさ。罪を感じない、自覚のない悪意が、恐ろしい。果たして今後の展開は・・・・?次回に、期待は続く。

 18日より、19日千秋楽のチームワークのよさは際立っていた。最初から最後まで、怒・悲・嘆・狂気、難しい役を演じ切った和田圭一の熱演は、胸に迫って来た。 はじめて見た迫力の演技に拍手!役柄の為、うつむきたらした前髪で表情があまり見えなかったが、欲を言えばカーテンコールで見せた笑顔を、もっと見たかった。
 
 ヤンキーのハートを涙で熱演した山田慶子の18日の演技に、思わず涙。19日は打って変わってコミカルな役回りで、演じ分け拍手!Miwaの、母親らしくないぶりっ子オバサンキャラも、貴重。とろそうな話しっぷりが、ラストの怖さを引き立て、関根大学の魚屋の親父ッぷり、その妻役橘佳世の生きの良い演技が、暗く思い話題に、明るいスパイスを効かせていた。コミカルな味では大葉健二も、豊かな表情で笑いを誘い、他脇を固めるベテラン俳優の、安心して見ていられる演技が、千秋楽には、若い役者のパワーと一つになり、重く暗い芝居に、小気味良いテンポをかもし出していた。

 そして、もう一人の主役を演じた真瀬樹里(千葉ちゃんと野際陽子さんの娘さん!)の熱演にも拍手。か細い声で始まり、不安にもなったが、19日の演技は、18日以上に、豊かな表情で、希望への愛を最後に感じる事が出来た。悲しみ恐怖に支配されやすい役柄の中、一瞬でもコミカルな表情や、ほっとする笑顔が見られたのは、テレビ等で笑顔の魅力を見ていた自分には嬉しかった。真瀬樹里の、力強さ、逞しさも出て来た千秋楽、和田圭市の、ただ嘆き悲しむだけでなく、繊細なナイーブな表情が伝わってくるのを感じた千秋楽に、もう少しこの作品を見たかったと思ったのは、自分だけではないだろう。次回、もう一度、このメンバーで見たい!でも、希望は、死んでしまっていたら、もう見られない?!

 カーテンコールの後の大葉健二、関根大学の挨拶に拍手。井上誠吾と3人で、一歩一歩夢に向かって進んでいって欲しいと、心からエールを送りたい。
 
 そして、最後に、劇場に流れていた歌。戦国自衛隊の挿入歌「 ララバイ・オブ・ユー」その歌詞が胸に沁みてきた。くしくも、昨年の天草での「千葉祭」の夜、千葉ちゃんがカラオケで熱唱していた歌。思い出と共に、お芝居を見られた感動がグッとこみ上げ、気がつくと胸が目頭が熱くなって、参った。

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涙と笑いと緊迫感 ー 演劇ユニット『磨心頑』旗揚げ公演 Part2

2008-10-25 19:16:38 | 演劇
 引き続き、16日~19日”てあとるらぼう”で上演された、
     演劇ユニット  『磨心頑』旗揚げ公演           
    「モンスタールーム」 ~大人たちの放課後~
   人は誰か一人でも自分をわかってくれる人がいればいい・・・
 
  の紹介と感想を。 (以下、敬称略にて、失礼します) 

 裁判官・正岡(岡本美登)、弁護人・小堀(大葉健二)、検事・若田(鈴木一成)で、死刑執行人希望(のぞむ=和田圭市)が見守る中、進行していた裁判だったが、正岡が隠し待っていた携帯で警察に、差し入れを持って突入する事を指示していた事が、ネットを通じて希望に発覚。事態は一変、激怒した希望が銃を構え、教室内は緊迫感に包まれる。

 夏木(真瀬樹里)も、自分も隠していたがどこにも連絡していないと、携帯を差し出す。「みんな偽造だらけ!」と信じていた夏木の裏切りに嘆き、正岡の会社の曾孫受け会社の、優しいおじいちゃんのような社長が、アスベスト被害で死亡したこと、その責任を認めない現実を正岡に突きつけ、アスベストの被害を公表するよう迫る、希望。正岡が頭を下げると、帰って来ない大切な人を失った悲しみに、希望の頬を涙がつたう。「僕たちも人間なんだよ。」振り絞るように言うと思わず夏木が「かわいそう」と言う「しょうがないよ、僕たち人間のくずだから・・・一緒に死のうか・・・」
狂暴な規模の姿は、消えていた。

 働いても働いても報われない悲しさを嘆く希望の姿が、切ない声と共に胸に迫るシーン。オタク青年の姿より、這い上がれない若者の悲しみが、舞台中央でスポットライトを浴び、うずくまって涙する姿から伝わってきて胸が熱くなる。ネットで知りあい慰めあっていた希望の、突然の強行に怯えていた夏木の心に、希望への思いやりの気持ちが芽生えていく。希望を見つめる真瀬樹里の表情の変化を、じっと見つめていた。

 校舎の下から「降りて来~い!」「一緒に死の~う!」と希望の父親(松井功)母(橋本有希)親の声がする。「親の欺瞞だ!」と、ガソリンをかけようとする希望を見て、これ以上刺激しないようにと、刑事(喜多川2tom)が両親を抑える。

 「親に向かって!」と、思わず夏木が希望の頬を叩くと、自分も嘘ついて、親に良い顔して、いい子ぶっていると、メールで話していたことを指摘され、「似非(エセ)親孝行かもね」と反論できず引き下がる夏木。

 林医師(春田純一)が、刑事を説得し、希望に許可をもらい教室へ。いくらのおにぎりの差し入れを頬張る人質達の緊張が一瞬ほぐれ、保護者の話から、林も又、夏木に担任してもらっていた息子を自殺で亡くし、他の家族もその時の火事で失った事実が分かる。
 林からおにぎりを手渡された夏木。校医だった頃、今は無き妻の握ったいくらのおにぎりが大好きで、何度も食べに来た希望クンのことを笑顔で話す林に、笑顔を見せる。

 春田純一の笑顔、温かい包容力のある演技が、緊迫感に包まれていた劇場全体を和ませる一時。

 「危ない!危ない!」と、ガソリンタンクを締めロウソクを消す林に、「調子に乗るな!」と銃を向ける希望。「時限爆弾が仕掛けてある、犯人が見つからなかったら、シャットダウンする!」と言うと、林が裁判官となり、裁判が再開される。互いの言い分で、保護者と夏木の間の溝が少しずつ埋まっていくようにも見えた、その時、希望が眠っているのに気づいた正岡に言われ、魚屋の網川(関根大学)が、銃を取り上げ、小堀(大葉健二)も足のナイフを奪う。希望が、銃を掴み胸に当て「撃ってよ!」と迫ると、もみ合いの中、銃は校長(町田政則)の目の前に。拾った手が震え銃は若田(鈴木一成)の前に。銃を手にした若田が、突然、「裁判続行!」と叫び、「自分は見方だ、一緒に夏木先生をいじめた犯人を見つけよう。」と、希望に銃を渡す。ナイフを小堀から奪い、妻が夏木を責め立てた事実を問いただす希望。「元教師の妻に悪意はない、自分は妻を殴って止めて来た。」と言う言葉に、「嘘はついてないね!傷つけて御免。」と、他の保護者を問いただして行く。突然、沼田(Miwa)が胸を押さえ苦しみ出し「早く救急車を!」と林。だが希望は、沼田の夏木への感情を問いただす。娘が登校拒否になったのは、夏木が娘を疑うような言い方をした為だった事、今は元気学校に通うようになり、恨んではいない事を話すと、「この人良い人だね」と刑事を呼んで開放した。

 仮病を使い開放して欲しいと騒ぐ校長を指し「こいつこそ夏木先生を助けなかった、張本人だと!」と、仲間のように振舞う若田を、「夏木先生のストーカー、ハンドルネーム・夏木っ子だ。」と告発する希望。女子のスカートの写真を取って宝物にしていると聞いて、娘の写真では?と激怒、若田の首を絞めあげる正岡。「そのまま殺しちゃいなよ!」希望の声に、我に返り手を離す。

 今度は、正岡の妻(田中美唯)が持病の心臓発作に襲われる。林が、沼田さんは、だたの興奮状態だったと白状すると、激怒した希望は、救急車を呼ぶのを拒む。「アスベストの被害報告を発表するから妻に救急車を!」と頼む夫の言葉を打ち消すように妻が声を振り絞り「自分がワープロで文章を打ち、夏木先生をマスコミにリークした。犯人は私です。」と告白する。林が「この人は違う!」と突然叫び、希望を止める。送ってきた文章は、週刊誌記事の切抜きで作ったものと、夏木に言われ、林から実物を見せられ、自分が知らなかった新事実に、愕然とする希望。果たして、犯人は誰なのか・・謎は深まる・・・・。

 銃を胸に当て「撃って!」と叫ぶシーンは、希望の絶望感が伝わって辛くなる。それでも、少しだけ人を信じ開放し、一方で「偽装はダメだよ!」と繰り返しながら、新たに若田の本性を告発する胸の内には、今だ、人間への疑心暗鬼が渦巻く。人間の醜さが前面に出る中盤の展開、そして、見えないところにも、実は人間の恐ろしさが・・・。(ラスト、全てが明らかになる?!)小道具を一切使わぬパントマイムの表現ながら、銃が移動するシーンは、役者の迫真の表情に、ハラハラドキドキしてしまった。

 ラスト、Part3へ・・・・

   
 
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新たな挑戦の始まりー演劇ユニット『磨心頑』旗揚げ公演 Part1

2008-10-24 23:36:23 | 演劇
 東長崎の駅前にある小劇場”てあとるらぼうでの熱い一時から、あっという間に一週間が経ってしまった。

 縁とは不思議なもの?!思う思わないに関わらず、繋がったり解れたり・・・・訳あってずっと離れていた小劇場の芝居鑑賞だったが、気がついたら磨心頑旗揚げ公演を見ることに・・・

 演目は「モンスタールーム~大人たちの放課後~」       人は誰か一人でも自分をわかってくれる人がいればいい・・・

 作演出を井上誠吾氏(千葉ちゃん主宰の空手道場・誠真会館の館主で、そちらのブログからネットでお知り合いになりました。)、企画を、元JACの大葉健二関根大学氏で、この3人が、演劇ユニット『磨心頑(頑張って心を磨く!)』を主宰し旗揚と相成りました。

    『 今の大人、今の教育、今の社会を、
      痛烈に批判し、且つ、痛快に笑い飛ばし、
      人々の希望と絶望、そして還るべき場所、
           それらを清濁あわ
 悲喜こもごもとした娯楽作品として叩きつけたい!! 』


   思いを込めた作品は、今の時代、誰でもが思い当たる題材。教育現場を踏み荒らす保護者たちモンスターペアレンツから、人格に問題がある教師たち、教え子の自殺をマスコミで叩かれ自信喪失の若い教師、息子の自殺で家族も失った医師、それらを、親からの受けた心の傷を抱えネットの中で社会の矛盾を嘆き憂さを晴らす青年がマスコミを巻き込んで小学校を舞台に監禁事件をおこす。現代の問題を、矛盾を、人間の情愛と恐ろしさを描く、内容の濃い作品。 (以下敬称を略)

 幕前「本日は第3小学校の授業参観日です。」と、学年担任若田教諭(鈴木一成)登場。観客3人から「気になる事」「好きな言葉」「好きな食べ物」等を聞き、それらの言葉を織り込んだ校歌を即興で歌い退場。
 
 楽しく愉快な”校歌”に、自然に観客も和んで芝居の中へ引き込まれる即興演劇集団フリーク主催者・鈴木一成の技に、拍手!

 暗闇に、スポットライトが二つ。生徒を自殺で失い。「死にたい」と呟く夏木先生(真瀬樹里)と、「誰にでも勇気がある。勇気があれば、人は強くなれる。」と、励ます林医師(春田純一)。 
 再び暗転。林医師が外の騒音に気づき窓を開けると、取材ヘリコプターの爆音。テレビをつけると大田記者(大穂恭平)とアナウンサーの緊迫した声が、元卒業生の立山希望<のぞむ>(和田圭一)が保護者、教員を人質にして、拳銃・ナイフ、そして、ガソリンとライターを手に、立てこもっていると告げる。「希望君!夏木先生!」不安に襲われる林医師。暗転。

 教室には、人質の保護者と夏木教諭、若田学年担任と国本校長(町田正則)が入ってくると、拳銃を手にした希望が、地上の記者に向かって、教室の様子を中継するように言う。夏木先生に、ネットで話し合ったとおり、《生徒の自殺の原因は夏木先生だとマスコミに悪口を流した犯人を暴き出す裁判を始めよう。自分は裁判官で、死刑執行人。自分が処刑する。裁判を始めよう!逆らうとシャットダウン!と、ガソリンタンクの上に火をつけたロウソクを立て、拳銃を突きつけ、脅す希望。記者に、全て放送するように言い、教室のカーテンを開け放す。要求を怯えながら受け入れた夏木は、今まで受けてきた理不尽な保護者の要求を話し始める。

 病的な癖上目遣いの表情『”僕”に指図するな~!』と繰り返す、希望のイッテしまったキレタ興奮状態が大きな声、絞り出すような声で、劇場内に張り詰めた空気をかもし出す。出演者の誰よりも逞しい大きな体格の和田圭市だが、教室の端で丸まって見つめる姿は、恐ろしさよりも、孤独感が漂いもの悲しさが伝わってくる。

 ただ怯えていた夏木が、決心したように裁判を始め、理不尽な要求、無理解、批判、プライベート干渉と、自分がこれまで受けて来た保護者からの圧力を一気に吐き出ように訴えると、保護者はそれぞれ抗議の言葉を口にする。夏木を養護する若田教諭。混乱する裁判を潤滑に進めようと、一流企業部長の正岡が裁判官を名乗り出る。統括する事になった希望が拳銃を構え見張るなか、イベント会社経営者小堀(大葉健二)が弁護人に、若田が検察官になる。一流企業本部長・正岡(岡本美登)の提案で差し入れ取る事になり、校舎の下で見守る古田刑事(喜多川2tom)に伝えると意味ありげに頷く刑事。

 突然、希望が声を上げる。没収した筈の携帯電話で、外部と連絡を取っているものがいるとネットを通し、希望に連絡入ったのだ。『偽装は無しだよ!』の約束を破った村岡の携帯を取り上げ、殴りけりつける希望。

 唯一の迫力あるアクションシーン、一瞬だが、和田&岡本の流石の身のこなしに心の中で拍手!!もっとアクションシーンが見たい!と、ひそかに願っていたが・・・

         後半は、Part2へ・・・・


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