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スポーツ観戦&体験記、
映画&ドラマ鑑賞記、
日々の出来事などを、綴ってまいります

板垣、傳役の愛ー『風林火山』鑑賞記 27、その2

2007-07-16 23:31:10 | S.Chiba
       第27回 「最強の敵」〈2〉

 千葉ちゃん・板垣のシーンは、まだまだたっぷり。見どころは、ラストの晴信(市川亀治郎)とのガチンコ対決!

 まずは伝兵衛(有薗芳樹)登場の第四のシーン。諏訪の情勢を案じた板垣は、伝兵衛に、小笠原家中を探り武田に寝返る家臣を探し出す様に言う。お任せくだされと去る伝兵衛をニヤリと見送り「つかえるようになったもんじゃ」嬉しそうに笑った板垣。伝兵衛との間に出来た、絆の強さは、この後、28、29回とまたがって、描かれる。乞うご期待!

一方、勘助(内野聖陽)は、自ら諜略を仕組む板垣に、村上(永島敏行)との戦に弱腰になっておられるようだと言う。「馬鹿な!」ぽんと膝を叩き、振り向く板垣。千葉ちゃんならではのこのしぐさ、このテンポ!思わずニヤリとしてしまう!すぐに表情を一変させ、苦渋の表情で、信濃の最強の村上に、疲弊した我が軍勢が、容易に勝てると思うかと勘助に訊く。「もはやそちも、御屋方様を止める術も無かろう。あればいかにする」、無念な表情の板垣。勘助は腕を組んで思案中「御屋方様を、討ち死にさせるわけには、いかんのじゃ。」板垣は、心から搾り出すように言う<pan style="font-weight:bold">   「次なる戦は・・・」  と、遠くを見つめ 「次なる、戦・・・」 と繰り返す板垣の心中には、ある決心が・・・。しかし、板垣の思いを知る由も無い勘助は、由布姫(柴本幸)から、負けを知らぬ晴信の敗戦に怯える姿を聞き、由布姫の「かといって、負けるわけにも行くまい」という言葉に「次なる戦は・・・」と言った板垣を思い出し、はっと表情がこわばっる勘助。

 ラストは、千葉ちゃん・板垣最大の見せ場。傳役として、”若”晴信と真っ向勝負。思いを君主たる晴信に伝えるのシーン。
 板垣と共に諏訪から戻った勘助が御屋方様に、村上攻めの延期を願い出る「こたびの敵は、確たる勝算も無くご出陣をお決めになられた、御屋方様のご心中にござりまする」 晴信の怒りを遮るように「ひかえよ勘助!御屋方様は、われらの力を見込まれておられるのじゃ。」と板垣が申し上げる。

されど御屋方様、戦に負けたものが恨みを残したままでは、国は治まりませぬ。この勘助も申しておりました。己の国とは人であると。御屋方様に他ならぬと。
「わしが負けてもそういえるのか?勝っておればこそ言える事だ!」吼える様に言った晴信が、一変し「そちはわしが変わったと嘆いて折るやも知れぬが、それはそちの見当違いじゃ。」笑って得意げに「このわしは、これからを考えて生きておる。機を見て変われぬ人間は、必ずや滅び去る。」自信満々に言うのを受け「いかにも!でござる」晴信をじっと見て手を着く板垣が続ける「ただ、人の道をたがえてはなりませぬ。」 「人の道は、決して一本にあらず。戦に勝つ道もまたしかりだ。」

首を振ってきっぱりと「いいや、一本であるべきです。一本であらずして、われら家臣は共に歩む事はできませぬ。板垣の言葉に息を呑む晴信。二人を、見つめる勘助。
 バックに流れ始める音楽。板垣の思いが、さらに胸に、切実に伝わってくる。
 「御屋方様は、変わられたのではなく、自らの力を信じられなくなられているだけのこと。」 「わしの力とは、何じゃ?」必死に何かをこらえるように、訊く晴信。
それに答え板垣が説く 「御屋方様の力とは、人を動かす力でござる。その心を持って、人を動かす力でござる。」 静かに思いを込め、熱い眼差しを逸らすことなく晴信に訴える板垣の目にも、黙って見つめ聞く勘助の目にも光るものが・・・「この勘助を、軍師にしたのも、その力。そのような力を持てる主は、他(た)にはおりませぬ。」きっぱり言い切り、思いを込めかみ締めるように 「われらは、得がたい主君に御仕えしていでござる。その恩方に命をささげているのでござりまする。なにとぞなにとぞ、自信をお持ちくださりませ。」 溢れんばかりに一杯の涙をため頭を下げ「若、若・・・」と言って目を閉じる、傳役・板垣しかいえぬ言葉、伝えられない思いのたけが篭もった、最後の言葉に、何度訊いても、胸が締め付けられる。NHKドラマストーリーでは泣きになるシーン、グッとこらえた千葉ちゃん板垣の演技に、こちらがウルウルぼろぼろ状態。

 かたくなに、決して表情を崩さず固まったように板垣を見る晴信。勘助は、板垣の決死の訴える姿を、潤んだ目で見つめる。最高の褒め言葉も、今の晴信には、その言葉、その思いを、そのままハイと受け取れぬ思いがある。それは、裏を返せば、傳役、軍師からの独り立ちを決意した自分を覆し、意見を聞き伝えるだけの、主へと戻る無念さが渦を巻いている心中から来るもの?!
自分の懐の深さが見えなくなっている、晴信に、もう一度、板垣自ら、目を開かせようと訴える姿に、勘助自信も、自分が忘れていたもの、見えなくなりかけていたものに気づいた瞬間だった

 そして、板垣の決死の思いは、次回、晴信に、その行いで、確実に、届き伝わる事になるのか?!
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板垣、傳役の愛ー『風林火山』鑑賞記 27、その1

2007-07-14 23:27:07 | S.Chiba
          第27回 「最強の敵」〈1〉

 いよいよ最後の戦いが迫る今回の千葉ちゃん・板垣。
前回は、目で物を言うが如く、黙って晴信の言葉を聞き、グッとこらえた思いを、表情に滲ませていた、千葉ちゃん板垣。しかし、晴信(市川亀治郎)の暴走はさらに、危険な方向に向かって加速していく様相の今回、千葉ちゃん・板垣は、ある決意の元、意を決し、勘助(内野聖陽)、晴信に、その思いを伝えることに。

 オープニング、甘利(竜雷太)と二人、甲斐を、晴信を、案じる前回のシーンが流れる。重鎮二人ヶ並ぶだけでも見応え充分。二人の思いは、道筋さえ違っていても、行き着く先に違いは無い。甲斐の国への、武田家への熱い思いだ。

 第二のシーンは、諏訪・上原城にやってきた晴信と、久しぶりに二人で話す板垣。嬉しそうな笑み溢れる表情が、諏訪の領地を、諏訪勢から奪うと言う晴信の提案に一変する。「そのようなことをすれば諏訪の人心は御屋方様から離れまする」と、諏訪城代として異議を申し立てるが「そうさせぬのがそちの役目であろう、諏訪に気を使うばかりが役目ではない。」と威圧するように見る。板垣の言葉を遮り、武田にさらに堅固な城を築きたいがどう思うかと聞いた晴信の心に、板垣の言葉が突き刺さる。 「さほどに恐ろしゅうござるか?戦に負ける事が。」「なにッ!」目をむく晴信に、くるり向き直りその目を見つめ 「殿!城をお造りになれば、他国へ、殿の怯えを見せることになりましょう。」板垣に、返す言葉が出ない。遂に、対決?!二人の間の雲行きが微妙におかしくなってゆく
 
 第三のシーン。甲斐の躑躅ヶ崎の館で、御屋方様から村上義清(永島敏行)攻めについて聞かれ「負けぬとは思いませぬ。が、さらに多くの兵を、失うことにはなるまする。」疲弊した領民達の為、しばし戦をひかえて欲しい思いを込めた甘利の言葉に「小善は大悪に似て、大善は非常に似たり。目先の小さきことに捕らわれていては、亡国の基ともなろう、非常に見えることは、この国を救うことにつながるのだ」重臣らの表情は揃って厳しく固いが、若き家臣らは、一気に攻めようと、血気盛ん。次なる敵は?と訊かれた勘助が「御屋方様の次なる敵はおやかたさまのごしんちゅうにござります。そのご心中の敵を見定めにならぬ限り、家臣の意が一つになることはなかろうと存じます」と答えると、晴信は怒り狂ったように、村上攻めに取り掛かる!と宣言した。ある思いを胸に目を伏せ頭を下げる板垣

 一方、苦々しい表情のまま頭を下げた甘利にも、ある考えが・・・。勘助を引き止め、何故、御屋方様に、今回献策せなんだのかと、問いただす。「たとい負けても、一つの負け戦が、後に、百の勝ち戦を生むこともござりまする。」「たわけ~!おぬしには負け戦のなんたるかも分からぬ。おぬしなどには、戦など、押すか引くかの駆け引きに過ぎぬやも知れぬが・・・」「・・・・おのれの利害のみに生きるおぬしなればこそ、御屋方様をお止めしようとはせなんだのじゃ!」「さような考えは持ちませぬ。」勘助の前に膝をついた甘利は「よーく聞いておけ、戦の勝ち負けとは、おのれが誰を裏切り、誰を裏切らぬかではない。生きるか死ぬかでもない。何を守り、何を失うかじゃ。守るものあらば、いかにしても勝たねばならぬ。それが戦じゃ。村上の首は、我が甲斐の国、数万の命じゃ。」思いを込め諭すように言い去る。肩に置かれた甘利の手の感触、甘利の言葉を噛み締める勘助

 暗い部屋で、じっと目を閉じ板垣が一人思いにふける。抜いた刀を灯にかざす。刃に写った眼に、武士(もののふ)の決意が・・・。台詞は無し、刀を、眼前でゆっくり鞘から抜いてゆく千葉ちゃん、緊張感張り詰めた1シーン。片手で刀を支える、千葉ちゃん・板垣の「迫力」「気」が伝わって来る。短いが、ファンには嬉しい貴重なシーン。「リゾート・トゥ・キル」にこんなシーンが・・・?!

 見応え充分、見どころたっぷりの今回、後半戦は、次回につづく・・・・・


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果てしない夢追い人、千葉ちゃんー土曜スタジオパーク

2007-07-13 01:54:16 | S.Chiba
七夕に千葉ちゃんとNHKで会ってから、あっという間に一週間が経ってしまった。

 目の前でドッキリ発言を聞いた瞬間、永年のファンとして千葉ちゃんの爆弾発言には、鍛えられているつもりだったが、ダメだった!?!電流が走り、身体の力が抜けそうになった。その後の、ミニ千葉ファンオフ会、ビデオ再確認、週刊女性の対談記事入手で、気持ちの整理も付き、新たなる挑戦についても少し分かった。

 ここで、ちょっと当日の様子を振り返り、対談記事を確認し、千葉ちゃんの魅力を、ご紹介。レポートは、後日改めて、HP千葉レポートで!! 

 「七夕に千葉ちゃんに会える!」嬉しさに、花が好きな千葉ちゃんに花束を持って、NHKへ。集まった方々を見渡せば、追いも若木も男女入り混じり、いろんな人たちが集まってくれていて、思わず笑顔、40人近くがスタジオ内へ。

番組放送開始。千葉ちゃん登場!!中も外も拍手!!

 「私聞いてびっくりしたんですけど、千葉さん、大河ドラマは初出演だったそうですね?」「出してもらえなかったものですから(笑)」の答えに、笑いが起きる。
「芸能生活、何年でいらっしゃいますか?」
「え~、来年で50年ですね。」

「そんな時に大河ドラマをやってご覧になるって言うのは、どんなものだったんでしょうか?」
「う~ん、まあ、一つは、大河っていうのは、やっぱり、日本で一番大きな(最高?の)ドラマじゃないですか?すごくやっぱり、ちょっと、戸惑いはあったんですが、しかし、クランクインして、もう本当にすばらしい人達に囲まれてね、もう役者冥利でした。大変幸せでした。一年間。うん!」
 
板垣と晴信のシーンダイジェストが流れ、モニターを見る千葉ちゃんの目は、感慨深げで潤みっぱなし。

「そうですねえ、もう本当にすばらしい脚本と、すばらしい俳優さんに囲まれてね、毎日毎日が、もう、ほんっっとに、なんていうかな、終わると疲れるほど、この、集中しましたんで、いや~、一つ一つ見てると感無量ですね。うん。うん。」

「本当に感無量といったお顔をなさってますねえ。どんなお気持ちで板垣を演じてらしたんですか、千葉さんは?」
「ま、基本的にはねえ~日本の親父ですよ。ホントの日本の親父像。ええそれを、やっぱり、このホントの自分の息子を育てるように、あるときは、だから優しく、こう、あるときは(?)厳しく、そういうほんとに・・愛でしょうね。愛を持って育てるというという言葉が一番いい言葉かも知れません。どんな形で、どういう愛で、あるいは一国一城の親分にしていくか、まっそこら辺だったと思うんですけど。まっ、何よりも自分があの~演じる中で、自分がいつも感動したのは、今回の、え~、大河の脚本でしたね。(司会者を笑顔で見る。)うん、もう、脚本をもう見たときに、いけるな!と思いましたね、もう~大森さんの脚本が素晴らしかった!(首を振って力説)やっぱり、今も僕が見てますとね、ほんとにもう涙が出るほど嬉しいんですけどね、やっぱりあの一つ一つを、ああこういう書き方でこういう心情だろうなあと言うのをどんどんこの本の中から、引き出してくれるんですよね。読んでるうちにどんどん広がっていくんですよね。やっぱり良い本というのは広がりがりますし、え~奥深くまで追求できるんですよね。それが、やっぱり今回、僕だけではなくて、みんななんかとっても良い、僕なんかも皆さんから大変良いもの頂いてますけれど、まあ、基本的には本でしょうね。」
「ま、確かに振り返ると、ここまでっていくつも、ああ、あのシーンよかったなーと思うのもありますし・・・」
「そう、そう、そう、そう、そう、そう!だからもうすっごく感じさせられちゃうんで、こうしようか、ああしようか、深くしようかって、いろんなこと考えちゃうんですよ。だから広がるし、だから現場でいろんなアイデアが出てくるし・・・、まあ、時間はかかりましたけど(笑って女性司会者を見る)」(皆笑う)
そう千葉ちゃんの作品は、テイク数が多く、よって時間がかかる。作品を見れば皆納得できる!?(笑)
 シーンを見ながら、話す千葉ちゃん。全て出し切ったと言う千葉ちゃんは、やるだけのことはやった思いがその表情に現れている。亀治郎さんの手紙「おやじ ありがとう」の言葉に、遂に涙腺決壊!「本当に出来た息子です。すばらしい役者さんです。」と、ハンカチを目頭に当てる千葉ちゃん。もともと、感激屋、その上、涙もろくなった!?

そして、注目発言?!
「そんな千葉さんが、今後やってみたい役、やってみたい仕事、夢と言う事になるとどんなことになるんですか?」
「う~ンまあ、あの~、私がデビューしたのは40年と・・・、実はその前からエキストラで2年ぐらいやってるんですよね、東宝でね。でまあ来年で50周年になるんですけども・・・。あの~、これ私事で大変恐縮なんですけれど、え~、非常に、この板垣を演じ、ホントに燃え尽くしたって言う感じなんですね。それであの~、私もこの50年でいろんな事考えてきまして、え~、ホントに私事で恐縮なんですけれども、え~、この板垣信方の死と共に、え~、私千葉真一に終止符を打ちまして、え~板垣の死と共に千葉真一を葬り去りたいと思ってるんですよ。え~、今年一杯で、一応千葉真一を葬って、来年ちょっと新らしい出発をしたいと思ってます。」
「あの~、今、土曜スタジオぱ^くで引退宣言をなさっているんですか?」
「いやいや、引退じゃないんですけれどもちょっと、私、どうしてもやりたい、人生の中でどうしてもやりたい事があるもんですから、それをちょっとやりたい事もありまして、とにかく、来年ちょっと新しい再出発をしたいと思っておりますので、一応千葉真一をこの板垣の氏と共に、え~葬り去らしていただきたいと思っております、ホントに長い間ありがとうございました。」
「どうして、どうしてなんですか?」
「長い間映画俳優やってきましてね、やっぱり映画俳優以外にも、やらなきゃならないことって、人生あるじゃないですか?ま、そう言うことが、ちょっとあって、楽しみにしていてください。来年ちょっと、面白い事を、あの・・・」
「じゃ、そのことをさきにお聞きましょうか?何をなさろうとしていらっしゃるんですか?」
「ええ、いや、いや、まそれは、あの・・来年、又改めて発表させていただきます」
「あら~、でも、もう千葉真一さんとしての御仕事は、え~板垣信方が・・・」
「燃え尽きました!燃え尽くしました!はははっ。」
「そうなんですか?」
「そうですね、千葉真一と言う男を50年やってまいりましてね、ホントにもう~体力的にも、もう~いいだろうと、そんなことありまして、来年から又新しく・・・ちょっと面白いものを・・・」
「いや~なんか衝撃的なかんじなんですけれど・・・」
「再出発をされると言う事何ですよね」
「そうです。もちろんです!もちろんです!ホントにあの~ありがとうございました。

「あの~、たぶん、テレビの前の皆さんもびっくりなさってるんですと思いますが(しどろもどろ)まずちょっとここで、え~、テレビをご覧の皆さん、そして、客席の皆さんに、お書き頂きました、お寄せ頂きましたメッセージを紹介したいと思います。」

千葉ちゃんの赤くなった顔が印象的。そして言い切ってすっきりしたのか、良く笑う。満面の笑顔で、話す千葉ちゃんの胸中は?

この後、この発言の反響の大きさにびっくり!果たしてこれは引退発表?!と巷は大騒ぎに。
「やる事はやってきましたし、まだまだこれからも、やる事は一杯ありますので」といった千葉ちゃん!引退の言葉は全く言わず、否定もしているのですが・・・・

名前といえば、ハリウッドでは、SONY.JJ.CHIBA.というもう一つの名前を持っている千葉ちゃん!再出発に、この名前が出てくるのか?千葉真一を葬り去る言葉に、ファンはやっぱりショック!でも千葉真一は永遠に不滅です。(笑)

 その後、週刊女性の対談記事で、「武士道」の映画化権を手に入れ、脚本第一稿を書き上げたという記事を読んだ。コチラが先なら、ショックは少なかった?

 それでも、とにかく、千葉ちゃんは私の中で、永遠に不滅!アクションが出来なくなろうが、千葉真一と言う役者の魅力に魅せられた自分は、変わりようが無い。(爆)



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板垣、憂いの勝ち戦ー『風林火山』鑑賞記、26

2007-07-06 01:20:36 | S.Chiba
            第26回 「苦い勝利」

 嬉しい、千葉ちゃん・板垣、トップバッターでの登場!これが、最初で最後。勇ましい足取りを見せ、久しぶりに重臣の列に並んで晴信(市川亀治郎)に物申すが、晴信は、もはや聞く耳を持たない。傳役も軍師も、文句があるならいってみろと、一見、自信に満ちた表情は、心の奥の誰にも見せられぬ、自分でも気づいていない、心情の裏腹。自分が追放した父親の鉄を踏んでいる事にも、そっくりになっていく表情にも、まだ気づく気配が無い。最後、唯一、由布姫だけに見せた晴信、表情・言葉を、傳役板垣は、何時気づくのか・・・。

 久々にたっぷり登場の板垣。まずは、最初のシーンは、先週に続き、足元から登場の千葉ちゃん・板垣。勇ましい音楽をバックに、諏訪・上原城の廊下を、御屋方様からの書状を手に、勘助(内野聖陽)に知らせに向かう板垣の足取りは、心なしか落ち着きが無い。?!
 志賀城の笠原清繁(ダンカン)が兵を挙げ、「諏訪の軍勢を率いて出陣せよとのおふれじゃ」知らせる板垣の穏やかならざる心中。関東管領の本軍が押し寄せたら、武田は窮地に陥る事を知りながら、親方様がどんな戦をされるのか?どっしり構えた風で座っている勘助と対照的に、立ったまま腰に手を当て、じっと床の間の諏訪大明神掛け軸見つめる千葉ちゃん板垣の表情は晴れない。

 第二のシーンは、武田の本陣となった稲荷山城で、久しぶりに、勇ましい鎧姿で重臣らと共に並び、全ての上州勢を甘利(竜雷太)と共に討ち取るよう申し付けられ、承知する。村上の援軍出陣の可能性を示唆する勘助の言葉を、きっぱり否定する晴信。「武田に歯向こうは犬死であると、全ての信濃衆に知らしめるのじゃ」と言った晴信を、じっと見つめる板垣。 
出陣前夜、甘利と二人、御屋方様を思うシーン。  「御屋方様は、何時になく勝気にはやっておられる。熱に浮かされておるようじゃ。」と話す板垣は、その熱の発端が自ら由布姫に語った自らの言葉からも来ていることを知る由も無い
「まるで佐久へ攻め入った折の信虎様と同じであるのう」と言う甘利を見つめる板垣。「あの若殿様が、今は御父上に重なって見えるは」と無念そうな甘利「われらがさようにしてしまったのじゃ。」と自ら戒める様に言う。 「さればこたび・・・」と甘利が板垣を見ると、正面を見据え「他(た)に有るまい」言い切り見つめ返す板垣憂いの気持ちは、どちらも同じ

 みごとに援軍を打ち破り城を孤立させ陣へ戻った板垣と甘利。一気に城を攻めよとの、晴信の言葉に物申すも、晴信は聞き入れる様子は無い。「軍師勘助何か申せ」と甘利にいわれ重い口を開き、降伏を促すよう進言する勘助。その言葉を拒絶した晴信は、力攻めを諌められ興奮逆上、激しい怒りに重臣らも息を呑む。ただ一人、小山田(田辺誠一)だけは笑みを浮かべ同意するが、すぐ、思い直したように落ち着き払った表情で「よかろう、そちが降伏を促せ。」と言うと、救われた思いで顔を上げた勘助に「討ち取った援軍の首三千を志賀城の周りにかけ並べよ、そちがやるのじゃ。それで、下れば命は助ける」と、冷ややかに言い捨て席を立つ晴信。信じられぬといった表情で見上げた板垣。甘利は隣でじっと目を閉じる。むごい仕打ちを、勘助はなすすべも無く受け入れ実行するが、結果は想像するまでも無く悲惨な戦いが待っていた。

 ラストは、並んで酒を呑む千葉ちゃん板垣と甘利の後姿。その向こう、雲間に大きな月。「次は村上と戦う事になろう」板垣の言葉に「勢いのみで戦えば、若い御屋方様のこと・・・」後は語らず無念の表情で、板垣を見る甘利。無言で甘利を見かえす板垣の表情にも同様に憂いの影が。武田を思う二人の思いは同じ。
 ここで、一瞬にして、場面は、由布姫(柴本幸)を抱きしめる(しがみつく?!)晴信苦悩の表情に。寝屋で、着替えもせず由布姫を抱く晴信の恐怖におののく姿に、由布姫も戸惑うばかり。

 今回も、戦国の世の重厚感たっぷり、見どころ一杯!メインキャスト以外にも、ダンカンの鬼気迫る表情、そして、GAKUTOも、短いながら長尾影虎として、存在感たっぷり。鬼気迫る表情に変わってしまった晴信と対照的な、美しく憂いを含んだ表情が、これからの展開への興味をそそる。

 謀略合戦花盛り。御屋方様に言われ間者となった柏木(近藤芳正)、そして、平蔵(佐藤降太)までもが間者に。葉月(真瀬樹里)の出番も増えそうな気配。

真田幸隆(佐々木蔵之介)の「負けを知らない御大将は、負けたものの気持ちを推し量る事が鈍くなっていくものじゃ」言葉通り、晴信は、負けたもののことを思う余裕は無い。想像もつかない、負け戦への重圧に押しつぶされそうな、御屋方の心臓。振り返る事も、立ち止まる事も、ままならず、ただひたすら闇の中を突き進む。果たして、傳役板垣は、晴信をどう導くのか?甘利は武田をどうやって守ろうとするのか?次回はさらに胸が締め付けられそうな、気配。
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板垣、傳役の覚悟ー『風林火山』鑑賞記25

2007-07-03 23:17:27 | S.Chiba
            第25回 「非情の掟」

 今回の題名を聞いただけで、胸騒ぎ。 「非情の掟」この言葉を初めて聞いてから、○十年!否が応でも、反応してしまう。(爆)

 今回の、非情の『掟』とは・・・戦国の世の『掟』。国主の掟、父子の掟、家臣の掟、傳役としての掟・・・・情に流されず義を貫く、厳しく悲しい『掟』そんな、千葉ちゃんと切っても切れない題名!?の今回、千葉ちゃん・板垣の登場は2シーン。話す言葉からは、既に手を離れ遠く見守るだけとなってきた晴信(市川亀治郎)への、傳役としての熱い思い信念、覚悟が伝わってくる

 最初の登場は、勘助(内野聖陽)から、由布姫(柴本幸)の言葉を伝えられるシーン。虎王丸を諏訪家後取りとし、四郎様虎王丸を支えるようにと希望する由布姫。「四郎様、命!」の勘助は、それでは到底納得できない。叔父・諏訪満隣(みつちか)と千葉ちゃん・板垣も、そのことについて頭をいためていた。御屋方様と由布姫様の和子様・四郎様を跡取りとする為にも、虎王丸の憂いを取り除く術は?と腕組みする板垣。それがしにお任せくだされと、自信満々の表情の勘助を信頼し、任せることにした板垣だったが・・・。

 晴信が信頼を寄せる、軍師・山本勘助の筈が、何時しか、晴信は、勘助と距離を置き由布姫とも距離を置く。気がつけば、勘助は由布姫のおそばで、その心は四郎様で一杯の様子。

 そして、高遠城の再建を、馬場信春(教来石影政、改め、高橋和也)と勘助が話し合う場面。千葉ちゃん・板垣は、足からの登場。心憎い演出にニヤリ。四郎様が城主になったあかつきには自分も、お側に仕えたいと言う思いが詰まった、城の完成図を見て、勘助の暴走をたしなめる。御屋方様の言葉に従って四郎様の世話をしていると言う勘助に「傳役でもあるまい!」と遮り、「たとえ傳役であっても、杜役はいずれその役目を終えるのじゃ。その日の為に御使えするのが傳役じゃ。私利私欲の為に、御育てするような事があっては決してならんのじゃ。それをしかと忘れるな。」と、勘助に諭すように言った板垣の表情は、晴信の傳役として自ら選ぶであろう道への覚悟が、滲んでいた。もちろん勘助にはそんな板垣の胸のうちなど分かる筈も無い。

 今回の晴信演じる市川亀治郎さんの表情は、見応え充分ご満悦の公家との歌会の表情。一転して、三条夫人(池脇千鶴)が家督相続の話を口にだすと、初めて見せる信虎が乗り移ったような鬼のような表情母親・大井夫人(風吹ジュン)との会話も、以前のような心を開いた晴信の面影は無く、よそよそしげな含み笑いにぞっとする。一方で、今川義元(谷原章介)に見せられた、大海原への憧れを勘助に話す、夢見る瞳

 晴信の若さ・蒼さがあちこちから垣間見える。純粋な若さと情熱が、駒井(高橋一生)画期的な新しい国造りの法律、甲州法度を作らせる。法に反すれば晴信自身も罰するという斬新なものだが、晴信自身、自分が忌み嫌っていた筈の父と同様に戦に捕らわれつつある事には気づかない。まさに歴史は繰り返され、やはり、人は自らの体験からしか学べないのかもしれない。

 海原を夢見る晴信を見つつ、勘助は四郎様の将来に自分の夢を重ねはじめる。軍師として晴信に使える思いは、どこへ行ったか・・・。どんな状況においても、常に夢を見る力を持っている勘助。しかし、千葉ちゃん・板垣の様に、ただ一人の人間にじっと使えた事がまだなく、自分の居場所が、いつの間にか、見えなくなっている勘助。大井夫人と虎王丸の涙の別れなど、想像する余裕は無い。次回、気がつけば、状況はますます悪化の予感だ。
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