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真剣勝負の魅力ー剣士・高鍋進六段

2009-10-22 00:00:00 | sport
 あらゆるスポーツに世界選手権があり、日本の武道と言われるものにも、今や世界中の選手が競う場がある。

 剣道の魅力については、随分前にも、一度書いた事がある。
礼に始まり、手に汗握る睨み合い、鍔迫り合い、そして、気合のこもった一撃。一本と思っても、審判の旗は上がらない、緊迫感。まさに真剣勝負うの世界がそこにある。時間制限の無い延長戦の勝負の世界、延々と続く延長戦も、魅力一瞬の判断が、勝ち負けを左右する。そして、荒い息の中、厳かに礼をして戦いが終わる。

 日本の武道として誇れる所作の美しさ清々しさの中に、日本古来の精神・武士道が今も息づいているのを感じるのは自分だけではないだろう。

 偶然見たNHK「スポーツ大陸」は剣士・高鍋進六段(33歳)の世界剣道選手権雪辱戦を追ったものだった。http://www.nhk.or.jp/spotai/onair/200/index.html

 1970年の第1回大会以来続いてきた団体戦連覇が途切れた2006年の大会、準決勝でアメリカに2勝3敗でまさかの敗退、「日本の恥」とまで酷評されたメンバー、高鍋は黒星を喫した一人だった。

 高鍋の得意技は、打ち始めから打ち終わりまでわずか0.1秒という「最速の面」。(見ても全く分からない!スローモーションで、やっと、綺麗な打ち込む瞬間が分かる!!)誰もが知る、逸材として、高校時代から注目されてきた。それが、アメリカに研究し尽くされ敗戦を味わい、自信を失い、思うように試合が出来なくなり、悩み剣を捨てることまで考える。

 ずっと剣道をする息子を見守って来た両親の楽しんで欲しいと言う思い、先輩剣士、恩師の叱咤・激励に、再び世界選手権に挑む覚悟を決めた高鍋の剣道人生26年をかけた雪辱戦が始まる。「一度負けたやつは使いづらい」と言われるなか、再び日本代表に。
 
 自信満々の前回優勝の韓国を打ち破り、再びアメリカとの決勝戦で、前回負けた同じ選手と対戦した高鍋は、前回のように相手のフェイントに、竹刀をあげることなくどっしりと構えじりじりっと攻めて行く姿に、胸が熱くなった。

 さまざま国の選手達が、袴姿で面を付けた姿に、日本人として嬉しくなった。今日も黙々と竹刀を振る高鍋進3段の姿に、静かで熱い真剣勝負の世界に、又、ちょっとだけ足を踏み入れたくなってきた。 
コメント
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