16日~19日”てあとるらぼう”で上演された、演劇ユニット『磨心頑』旗揚げ公演「モンスタールーム」~大人たちの放課後~人は誰か一人でも自分をわかってくれる人がいればいい・・・の紹介と感想のPart3、ラスト。 (以下、敬称略にて、失礼します)
校舎の下では、希望の両親(松井功・橋本有希)が火だるまになっていた。林(春田純一)が「バカヤロー!自分たちの都合で子どもを育て、最後は放り出した。何故、少しでも、息子が辛い時、話を聞いてやらなかったんだ!」と、怒鳴りつける。うずくまる希望(のぞむ=和田圭市)に「勉強しろ!頑張れば、お前は出来る」「遅く生まれた親の子だから・・・と、言われないように、頑張って!」と、両親の声が聞こえてくる。「子どもへのあてつけに死ぬ親、いる?」希望の嗚咽とも叫び声とも突かない声が教室に響く。そして、幼い日の、優しい両親の思い出が、蘇る。「希望、お誕生日おめでとう。危ない、転ぶぞ。」「とっても強い子ね。えらいわね。」笑顔の両親がそこにいた。
時限爆弾を解除し、顔を上げると、「救急車を呼んであげて。僕だけシャットダウン。」と、頭に銃をつきつける、希望。ほっとするのも束の間、「死んではいけない!」と、正岡(岡本美登)が止める。網川夫婦(関根大学・橘佳世)小堀(大葉健二)見城(山田慶子)ら保護者、若田(鈴木一成)校長(町田政則)も、口々に「裁判を続けてくれ!まだ終わっていないぞ!」と、叫ぶ。「死なないで!」と手を伸ばし、ゆっくり希望の所へ夏木(真瀬樹里)が一歩一歩近づき「一緒に生きよう。」と、抱きしめる。涙でくしゃくしゃになった希望が、銃を降ろす。その時、気を失っていた正岡の妻(田中美唯)が目を覚まし、落ちていたナイフを希望のわき腹に付き立てた。
一同が呆然と見つめる中、希望が崩れ落ち、全員が正気に戻る。「救急車を!」「死なないで!」「しっかりしろ!」「あなたこれで終わったわ・・・・」「もう終わったんだ!彼は救急車を呼んでくれと言ったんだ!!」声が入り乱れ、暗転。
娘の不登校の原因となった漫画を捨てる沼田(Miwa)一緒に閉じた週刊誌から、ひらりと一枚の紙。雑誌社に届いた夏木のことを訴えたものと同じもの。広げてニコリ。畳んで雑誌の中へ。
網川の娘(関根さゆり)が捨ててあった漫画本の束を見つけ、父親と持って帰る。
「人気の漫画が捨ててあるよ!ママが読みたがってた週刊誌もあるよ!」
―幕―
夏木が希望に愛情を感じ、人質達が希望の苦しみを理解し、勇気付ける暖かい一時が一瞬にして悲劇に変わる。読めた展開だが、自分も友人も、やはりこの展開は避けたかった展開。悲しすぎる。救いがない。けれど、これも現実・・・・。希望が、ほんの一瞬でも、愛され励まされたことを、救いとするしかないとしても、やはりかわいそうでならなかった。
そして、沼田の空恐ろしさ。罪を感じない、自覚のない悪意が、恐ろしい。果たして今後の展開は・・・・?次回に、期待は続く。
18日より、19日千秋楽のチームワークのよさは際立っていた。最初から最後まで、怒・悲・嘆・狂気、難しい役を演じ切った和田圭一の熱演は、胸に迫って来た。 はじめて見た迫力の演技に拍手!役柄の為、うつむきたらした前髪で表情があまり見えなかったが、欲を言えばカーテンコールで見せた笑顔を、もっと見たかった。
ヤンキーのハートを涙で熱演した山田慶子の18日の演技に、思わず涙。19日は打って変わってコミカルな役回りで、演じ分け拍手!Miwaの、母親らしくないぶりっ子オバサンキャラも、貴重。とろそうな話しっぷりが、ラストの怖さを引き立て、関根大学の魚屋の親父ッぷり、その妻役橘佳世の生きの良い演技が、暗く思い話題に、明るいスパイスを効かせていた。コミカルな味では大葉健二も、豊かな表情で笑いを誘い、他脇を固めるベテラン俳優の、安心して見ていられる演技が、千秋楽には、若い役者のパワーと一つになり、重く暗い芝居に、小気味良いテンポをかもし出していた。
そして、もう一人の主役を演じた真瀬樹里(千葉ちゃんと野際陽子さんの娘さん!)の熱演にも拍手。か細い声で始まり、不安にもなったが、19日の演技は、18日以上に、豊かな表情で、希望への愛を最後に感じる事が出来た。悲しみ恐怖に支配されやすい役柄の中、一瞬でもコミカルな表情や、ほっとする笑顔が見られたのは、テレビ等で笑顔の魅力を見ていた自分には嬉しかった。真瀬樹里の、力強さ、逞しさも出て来た千秋楽、和田圭市の、ただ嘆き悲しむだけでなく、繊細なナイーブな表情が伝わってくるのを感じた千秋楽に、もう少しこの作品を見たかったと思ったのは、自分だけではないだろう。次回、もう一度、このメンバーで見たい!でも、希望は、死んでしまっていたら、もう見られない?!
カーテンコールの後の大葉健二、関根大学の挨拶に拍手。井上誠吾と3人で、一歩一歩夢に向かって進んでいって欲しいと、心からエールを送りたい。
そして、最後に、劇場に流れていた歌。戦国自衛隊の挿入歌「 ララバイ・オブ・ユー」その歌詞が胸に沁みてきた。くしくも、昨年の天草での「千葉祭」の夜、千葉ちゃんがカラオケで熱唱していた歌。思い出と共に、お芝居を見られた感動がグッとこみ上げ、気がつくと胸が目頭が熱くなって、参った。
校舎の下では、希望の両親(松井功・橋本有希)が火だるまになっていた。林(春田純一)が「バカヤロー!自分たちの都合で子どもを育て、最後は放り出した。何故、少しでも、息子が辛い時、話を聞いてやらなかったんだ!」と、怒鳴りつける。うずくまる希望(のぞむ=和田圭市)に「勉強しろ!頑張れば、お前は出来る」「遅く生まれた親の子だから・・・と、言われないように、頑張って!」と、両親の声が聞こえてくる。「子どもへのあてつけに死ぬ親、いる?」希望の嗚咽とも叫び声とも突かない声が教室に響く。そして、幼い日の、優しい両親の思い出が、蘇る。「希望、お誕生日おめでとう。危ない、転ぶぞ。」「とっても強い子ね。えらいわね。」笑顔の両親がそこにいた。
時限爆弾を解除し、顔を上げると、「救急車を呼んであげて。僕だけシャットダウン。」と、頭に銃をつきつける、希望。ほっとするのも束の間、「死んではいけない!」と、正岡(岡本美登)が止める。網川夫婦(関根大学・橘佳世)小堀(大葉健二)見城(山田慶子)ら保護者、若田(鈴木一成)校長(町田政則)も、口々に「裁判を続けてくれ!まだ終わっていないぞ!」と、叫ぶ。「死なないで!」と手を伸ばし、ゆっくり希望の所へ夏木(真瀬樹里)が一歩一歩近づき「一緒に生きよう。」と、抱きしめる。涙でくしゃくしゃになった希望が、銃を降ろす。その時、気を失っていた正岡の妻(田中美唯)が目を覚まし、落ちていたナイフを希望のわき腹に付き立てた。
一同が呆然と見つめる中、希望が崩れ落ち、全員が正気に戻る。「救急車を!」「死なないで!」「しっかりしろ!」「あなたこれで終わったわ・・・・」「もう終わったんだ!彼は救急車を呼んでくれと言ったんだ!!」声が入り乱れ、暗転。
娘の不登校の原因となった漫画を捨てる沼田(Miwa)一緒に閉じた週刊誌から、ひらりと一枚の紙。雑誌社に届いた夏木のことを訴えたものと同じもの。広げてニコリ。畳んで雑誌の中へ。
網川の娘(関根さゆり)が捨ててあった漫画本の束を見つけ、父親と持って帰る。
「人気の漫画が捨ててあるよ!ママが読みたがってた週刊誌もあるよ!」
―幕―
夏木が希望に愛情を感じ、人質達が希望の苦しみを理解し、勇気付ける暖かい一時が一瞬にして悲劇に変わる。読めた展開だが、自分も友人も、やはりこの展開は避けたかった展開。悲しすぎる。救いがない。けれど、これも現実・・・・。希望が、ほんの一瞬でも、愛され励まされたことを、救いとするしかないとしても、やはりかわいそうでならなかった。
そして、沼田の空恐ろしさ。罪を感じない、自覚のない悪意が、恐ろしい。果たして今後の展開は・・・・?次回に、期待は続く。
18日より、19日千秋楽のチームワークのよさは際立っていた。最初から最後まで、怒・悲・嘆・狂気、難しい役を演じ切った和田圭一の熱演は、胸に迫って来た。 はじめて見た迫力の演技に拍手!役柄の為、うつむきたらした前髪で表情があまり見えなかったが、欲を言えばカーテンコールで見せた笑顔を、もっと見たかった。
ヤンキーのハートを涙で熱演した山田慶子の18日の演技に、思わず涙。19日は打って変わってコミカルな役回りで、演じ分け拍手!Miwaの、母親らしくないぶりっ子オバサンキャラも、貴重。とろそうな話しっぷりが、ラストの怖さを引き立て、関根大学の魚屋の親父ッぷり、その妻役橘佳世の生きの良い演技が、暗く思い話題に、明るいスパイスを効かせていた。コミカルな味では大葉健二も、豊かな表情で笑いを誘い、他脇を固めるベテラン俳優の、安心して見ていられる演技が、千秋楽には、若い役者のパワーと一つになり、重く暗い芝居に、小気味良いテンポをかもし出していた。
そして、もう一人の主役を演じた真瀬樹里(千葉ちゃんと野際陽子さんの娘さん!)の熱演にも拍手。か細い声で始まり、不安にもなったが、19日の演技は、18日以上に、豊かな表情で、希望への愛を最後に感じる事が出来た。悲しみ恐怖に支配されやすい役柄の中、一瞬でもコミカルな表情や、ほっとする笑顔が見られたのは、テレビ等で笑顔の魅力を見ていた自分には嬉しかった。真瀬樹里の、力強さ、逞しさも出て来た千秋楽、和田圭市の、ただ嘆き悲しむだけでなく、繊細なナイーブな表情が伝わってくるのを感じた千秋楽に、もう少しこの作品を見たかったと思ったのは、自分だけではないだろう。次回、もう一度、このメンバーで見たい!でも、希望は、死んでしまっていたら、もう見られない?!
カーテンコールの後の大葉健二、関根大学の挨拶に拍手。井上誠吾と3人で、一歩一歩夢に向かって進んでいって欲しいと、心からエールを送りたい。
そして、最後に、劇場に流れていた歌。戦国自衛隊の挿入歌「 ララバイ・オブ・ユー」その歌詞が胸に沁みてきた。くしくも、昨年の天草での「千葉祭」の夜、千葉ちゃんがカラオケで熱唱していた歌。思い出と共に、お芝居を見られた感動がグッとこみ上げ、気がつくと胸が目頭が熱くなって、参った。