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スポーツ観戦&体験記、
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日々の出来事などを、綴ってまいります

「アバター」Vs「ハート・ロッカー」夢と現実の魅力

2010-03-21 18:02:00 | movie
 柿久氏が支配人を勤める天草の『本渡第一映劇』今週26日まで「アバター」を上映中!。3D作品を、話題の大作を、公開中に上映するという地方の小劇場では、大きな挑戦中!?!

 「アバター」を、3Dで見るか見ないか、と言うよりも、是非そのSFの世界をまずは劇場の大きなスクリーンで、覗いてみて欲しい!!アカデミー賞でも話題になった、「アバター」と「ハート・ロッカー」の対決の結果は、「ハート・ロッカー」の圧勝となったが、どちらも見た自分は、「アバター」のエンターテイメント性や夢のある世界の描き方に大きく心を動かされた。

どちらも戦争を描き、「ハート・ロッカー」は、ドキュメンタリーのようにシリアスで、爆破シーンを見るたび胸が痛み、やるせない思いが胸に残った。どうにもならない理不尽な現実に立ち向かってゆく人間の姿に胸が熱くなり、エンターテイメントとして仕上げてはあるが、描かれている爆弾処理班の言葉にならない思いが胸にズシンときた。この映画で、自分も含め、今も続く悲惨な現実を、多くの人達に知って欲しいとも思った。

 だが、3Dという画期的なアトラクションを抜きにしても、ストーリーや美しい未知の星の世界など多くの魅力を持った作品「アバター」は、それ以上に若い人に楽しみながらも見て欲しいと思う。SF作品の魅力、夢の異星の様子や宇宙人と地球人の関わりなど、想像力に溢れた作品。これまでに多くのSF映画が作られているにもかかわらず、これだけ美しい夢の世界を想像した監督に思わず拍手してしまった。(見終わった後、自分と同じように、いくつかの日本の映画を思い出す人もいるかもしれない。これは見てからのお楽しみ!?!)

 「アバター」は生き物同士の愛をからめストーリーを発展させていく。夢のような美しく、パワフルな世界が目の前に現れる。それは、まさに大スクリーンで見る映画の最大の魅力だ。(なんでもスクリーンの大きさ、にあわせたフィルムが用意されているらしい。)

  映画を愛する、柿久氏の思いを込めた本渡第一映劇での上映は3月26日(金)までキャメロン監督が14,5歳の時に企画発案したと言う夢の世界を、美しいSFの世界を、是非、春休み中の若い小・中・高の学生さんにも見て欲しい!自分も、いたく感動した娘とともに、二度目見に行こうと思っている。是非是非,大スクリーンで、お見逃しなく!!

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正直に、信じる道を一歩ずつ - 『大阪ハムレット』『ブーリン家の姉妹』

2010-01-17 15:42:00 | movie
 全国で数えるのも難しくなった映画館の一つ、
熊本県・本渡第一映劇
昨年、アカデミー外国語映画賞を受賞した「おくりびと」の脚本を担当した、小山薫堂氏が、少年時代映画を見に来た場所で、映画祭にはなかなか参加されないことで有名な高倉健さんも、映画祭に参加し訪れた事のある劇場。もちろん、千葉ちゃんも千葉祭の際、やって来てトークショーから親睦会まで参加。それもこれも、人並み以上の、バ○が付く(失礼!)ほど映画を愛している、柿久支配人が劇場を再開し、細々とでも(重ね重ね失礼!)上映を続けているからこそ。

 毎秋、劇場を愛し、サポートしてくださる仲間と共に、映画祭が開かれ、昨年も厳しい状況の中で、天草シネマパラダイスと名づけられた映画祭が開かれた。見れば見るほど、入場券が安くなる!(サービスもたっぷり!!)映画好きにはたまらない映画祭。観客は、柿久がセレクトした映画についていくだけでも、なかなかのもので 『4週間見切ったら、見終わったら映画通!』 と言っても、過言ではない!?!本当に濃い内容!!映画好き、旅行好きの方!にはぜひとも映画祭への参加をお勧めしたい!邦画から洋画まで、新旧、大作佳作、一度に味わえる映画のお祭りなのだ。

 前置きが長くなってしまったが・・・・
上映された作品の中から二作品を、年末年始、WOWOWで鑑賞。(劇場で見たかった!!)感想を!!

 まずは「大阪ハムレット」

 ドサクサの中で見たにもかかわらず、ラストはタオルを探すことになってしまった。
どこがハムレットなのか?!真面目に考えず、個性溢れる登場人物(最初になくなる父さん役=間寛平も印象的!)に、まずは引き込まれてしまう。
 最大の魅力は、松坂啓子の現代版肝っ玉母さん。明るくチャーミングで、おおらかな家族を包み込む暖かさは、まさに彼女ならでは。息子と買い物帰りの後姿、プリンプリン揺れるお尻が忘れられない!岸部一徳のフニャフニャした感じ?!も、とってもいい。
 気持ちが疲れている人に、お勧めしたい。決して、ヒーローとはいえない男3人兄弟なのに、みんなカッコよく見えてくる。一度はへこたれても、(皆一度はへこたれる!いや、次男坊だけは、あくまでもガチンコ勝負師!?!)復活してくる逞しさ、ド根性!何より自分の気持ちに正直。嘘をつかない生き方が、カッコイイのだ。
 見終わった後、あなたはあなたのままで、そのままで、いいんだよ!きっと誰かがあなたを見守っているから。と、そっと肩に手を置かれたような気持ちになった。素直な心は、とても清々しく、心地いい。

 そしてこちらは映画祭とは別に上映された、全く対照的な歴史大作洋画 「ブーリン家の姉妹」 

 真っ直ぐで無欲正直者の妹と、野心家で策略家で自信過剰の姉の物語。
 腹黒さ渦巻く宮廷での謀にまみれた日々、複雑に絡む人間関係も、見終わってしまえば、誠意が人間が動かす事を改めて確認する事に。真っ直ぐ、自分に正直に生きる事こそが自分の尊厳を守り、自らを愛しいつくしむ事に繋がると、悲劇の後に噛み締めた。嘘ほど、人を傷つけ、自らを汚す物は無い。嘘こそが自らの魂を滅ぼしてゆく。
 相手を思ってつく嘘でも、自らの心に痛みを伴う小さなささくれを残すとすれば、人を貶める嘘は、多くの不幸を呼ぶばかりだ。
 嘘への誘惑に勝てる人間こそが真の勇者、真の勇者は静かに微笑んでいるものなのだと、ラストの穏やかな風景の中、しみじみと思ってしまった。雄大な風景のロングショットを印象的に織り込みながら、描く独特の映像の中、静寂が不気味さを増幅していた。
 誇り高い美女を演じる、ナタリー・ポートマンと内から光り輝きだす美女を演じた、スカーレット・ヨハンソンの対照的な美しさも印象に残った。
 ”嘘”について考えていた自分に、まさにヒットする作品となった。 
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ピチピチ千葉ちゃんに、天草で会いたい!ー『天草シネマパラダイス2009』

2009-11-19 21:38:00 | movie
 13日から始まった、映画祭で初めて千葉ちゃんも愛するハリウッド映画等、洋画も入れたカキさんお勧めラインナップの『天草シネマパラダイス2009』第二週からの作品をご紹介いたします。

 注目は、千葉ちゃんと深作監督コンビの第3作『ファンキーハットの快男児』千葉ちゃんの体操選手時代を髣髴させる、大車輪を大スクリーンで見たい!!

詳しくは、本渡第一映劇ホームページへ!http://daiichieigeki.iinaa.net/
 
 
 第二週、11月20日(金)~23日(月)

 『モーターサイクル・ダイアリーズ』

監督:ウォルター・サレス 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリゴ・デ・ラ・セルナ、他
 「朝日ベストテン映画祭」外国映画ベスト5にも選ばれた、革命家キューバのゲリラ指導者となったチェ・ゲバラの生涯に大きく影響を及ぼした若き日の南米旅行を描いた作品。さまざまな出来事を通し、南米社会の現実を思い知らされるロードムービー。


『時をかける少女』

監督:細田守 声:仲里依紗、石田卓也、板倉光隆、他
 何度も映像化されている筒井康隆原作の小説を、アニメ「サマーウォーズ」の細田守監督がアニメ化。遭遇した踏切事故で、時間を跳躍する能力(タイムリープ)を持った女子高生・真琴は、日々の些細な事にも、能力を使うのだが、最後の最後に願いを込め能力を使う真琴の思いとは・・・必死に走る真琴の願いは叶うのか・・・。


『ファンキーハットの快男児』

監督:深作欣二 出演:千葉真一、中原ひとみ、岡本四郎、他
 千葉ちゃん大ファン・カキさんが選んだ今回の千葉真一主演作品は、「ファンキーってどういうことでしょう?」と監督に訊いた?!デビュー間もない千葉ちゃんの躍動する姿が見られる深作監督作品。探偵所所長の息子・天下一が、ガールハント(懐かしい言葉)で知り合った女性記者と共に幼児誘拐事件に巻き込まれ、抜群の行動力で解決して行く。流れるジャズをバックに、体操選手だった頃を髣髴させる大車輪を披露する若くてスリムでストローハットがよく似合う(「探偵の掟」の天下君、松田君よりキュート?!)千葉ちゃんが楽しめる軽快活劇編。

『可愛い花』

監督:井田探 出演:ザ・ピーナッツ、岡田眞澄、松下達夫、他
 もう一つ、お馴染みザ・ピーナッツ歌謡映画は、ザ・ピーナッツのデビュー曲と同じ題名作品。両親の離婚で、産まれてすぐに離ればなれになっていた双子の姉妹が再会し、デュエットとして華々しく世に出ていくまでを描く。元歌は、シドニー・ベシェが妻の誕生日に贈った曲にフランス語歌詞が付けられた「Petite Fleur」(「小さな花」)上映機会が希少!お見逃し無く!!


 第3週、11月27日(金)~30日(月)

『リトル・ミス・サンシャイン』PG-12指定
監督:ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス 出演:アビゲイル・ブレスリン、グレッグ・キニア、他
 サンダンス映画祭で絶賛され、第19回東京国際映画祭で最優秀監督賞、最優秀主演女優賞、観客賞など最多3部門を受賞、アカデミー賞、助演男優賞・脚本賞受賞した秀作したロード・ムービー。美少女コンテスト「リトル・ミス・サンシャイン」の最終審査に通過したぽっちゃり気味の少女・オリーヴ、個性豊かすぎてバラバラだった家族が オリーヴの優勝目指し一致団結していく、心温まるホームコメディ映画。「本当に有益で成長できるのは、苦しい時期、幸せはなにも成長させない」心地良く泣ける作品。

『夕凪の街 桜の国』

監督:佐々部清、出演:田中麗奈、麻生久美子、吉沢悠、堺正章、他
 文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、手塚治虫文化賞新生賞受賞のこうの史代の同名コミックの映画化だが、地味で売り辛い(国内)、原爆の扱いにクレーム(アメリカ)と公開に苦戦するが、「全員が誇りを持って製作し誇りが持てる作品」と監督がいう、忘れてはならない大切なものを心に焼き付けることができる映画。広島への「原爆投下」が二人の女性のふたつの物語をつなぎ家族愛、兄弟愛、男女の恋愛など様々な形の愛が映し出される温かな人間ドラマ。

『飛び出した女大名』

監督:安田公義 出演:勝新太郎、中田泰子、ザ・ピーナッツ、他
 ザ・ピーナッツ出演映画、第二弾!鯖江半太郎が、おてんばな春姫に振り回される陽気な時代劇ミュージカルコメディ。流しの弾き唄いを演じるザ・ピーナッツが半太郎と春姫の歌と踊りに、花を添える。


 第4弾、12月4日(金)~7日(月)

『つぐない』PG-12指定

監督:ジョー・ライト 出演:キーラ・ナイトレイ、ジェイムズ・マカヴォイ、他
 アカデミー作曲賞、2007年英国アカデミー作品賞受賞作、世界的ベストセラー小説の映画化『プライドと偏見』のジョー・ライト監督とキーラ・ナイトレイが再び壮大なスケールで描く、切なくも美しい愛とつぐないの物語。艶美な映像と淡々と描写する戦争、ピアノの調べに載せ、重いテーマをスリリングなサスペンス仕立てに描く。

『ぐるりのこと』

監督:橋口亮輔 出演:木村多江、リリー・フランキー、賠償美津子他
 橋口亮輔氏が原作、脚本、編集、監督4役をこなす。はじめての子を失い、鬱になっていく妻・翔子を、全身で受け止めようとする夫・カナオ、困難に直面しながらも一歩一歩夫婦で壁を乗り越えていく夫婦のすがたを、“ぐるり(自分の身の周り)のこと”を通し、人と人とのつながりから生まれる“ささやかだけど大きな幸せと希望”とともに描いていく。「めんどうくさいけど、いとおしい。いろいろあるけど、一緒にいたい」夫婦の10年間の物語。

そして、ラスト13作品目は、この映画館の映画祭にいち早く訪れてくださったことのある、高倉健さん出演作の登場です!!

『人生劇場 飛車角と吉良常』

監督:内田吐夢 主演:鶴田浩二、辰巳柳太、高倉健、松方弘樹、他
 ジャンルを超え見応えある名作。原作、尾崎士郎の代表作『人生劇場・残侠篇』を巨匠内田吐夢が3年ぶりに全情熱を傾け、任侠映画の最高峰を極めるべく演出にあたる注目の東映オールスター作品。『人生劇場』シリーズ中、最高傑作。豪華キャストを活かし、三角関係のもつれとやるせない復讐劇を情感豊かに描き、クライマックスの白黒画面、ラストの鮮烈な仕掛けと、大胆な表現にも注目。


 以上前13作品1ヶ月間、洋画中心に見るも良し、ロードームービーを選んでも、家族愛で選んでも、モノクロ作品で選んでも、活劇&任侠でも、喜劇中心でも、と、アニメを含むさまざまなジャンルの、カキさん選りすぐりの13作品を、お近くの方、出張など、天草にこの時期足を運ぶ機会のある方、そして、このような手作りの映画祭を愛する方、入場料金割引スタンプラリーもしっかり利用して、御堪能いただければと思います。

 今年も駆けつけられませんが(「ファンキーハット」の千葉ちゃんを、第一映劇で見たかった!)『天草シネマパラダイス2009』の成功を、そして『千葉祭PART2』を開ける日が、来ますように心から願っています。

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映画愛の祭典ー『天草シネマパラダイス2009』

2009-11-12 11:28:00 | movie
       『天草シネマパラダイス2009』 
      11月13日~12月7日まで各週末
          於:本渡第一映劇


 芸術の秋の定番「名画座番外地」は昨年最後と言う話しで、寂しい秋になるのではと心配しておりましたが、今年も本渡第一映劇で映画祭が開かれる事になりました。
題して『天草シネマパラダイス2009』

 一月に、地元・天草出身の映画「おくりびと」(滝田洋二郎監督)の脚本を手掛けた放送作家の小山薫堂氏が映画祭実行委員会創設の「風の賞」特別賞の贈呈とトークショーが行われた、本渡第一映劇。何度かこの劇場に通ったと言う小山氏だが、その頃から動いていた映写機は、人間にすれば200歳を超え、動いているのが奇跡と言われるまさに人間国宝のような、ありがたい映写機だそう。その映写機が、映し出すのは、新たに洋画をラインナップし、映画館復活もきっかけとなった、天草シネマ倶楽部主催のイベント名を復活した『天草シネマパラダイス2009』

 カキヒサ支配人が選りすぐった(苦心の)ラインナップをご紹介いたします。
 まずは、第一週、11月13日(金)~16(月)


    ビヨンド・the・シー 夢見るように歌えば

監督:ケヴィン・スペイシー 出演:ケヴィン・スペイシー ケイト・ボスワース 他
 2度のアカデミー賞に輝く名優ケヴィン・スペイシーが、10年以上かけて映画化を実現した、製作・監督・主演を努め歌って踊って見せる、37歳で夭逝した実在の天才エンターテイナー・ボビー・ダーリンの生涯を描いたエンターテイメント・ムービー

    大阪ハムレット

監督:光石富士朗 出演:松坂慶子 岸部一徳 森田直幸 久野雅弘 他
 同名漫画の映画化。原作者は、アザラシのゴマちゃんで大人気だった「少年アシベ」の森下裕美。肝っ玉母さん"大阪のオカン"を演じる松坂啓子に注目!「幸せって、ごっつシンプルでナイスやで!」登場人物たちが時にもらす台詞が、メッチャ心に響きます。

    洲崎パラダイス赤信号

 監督:川島雄三 出演:新珠三千代 三橋達也 轟夕起子 他
芝木好子原作の『洲崎パラダイス』の映画化。戦後の赤線地帯「洲崎」の末期を描いた川島雄三監督の代表作。東京・州崎遊郭、そこに出入りする人々の姿を飾ることなく、当時の時代風景と共に描いた、傑作ドラマ。当時の製作者の勢いが伝わってくる名作です。

 次週のご紹介は、引き続き次回に!

       まずは映画館へ、GO!!!
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映画人、木下恵介の魅力ー「楢山節考」

2009-02-22 00:00:00 | movie
 先日、久し振りの新・文芸座に、脚本家・山田太一氏のトークショーを聞きたくて出かけた。

 「ありふれた奇跡」を見ていることもあったが、最近「夢に見た日々」を見直している事もあり、初めて山田太一氏の話を生で聞く機会見つけ、勇んで出かけた。

 トークショーの前に「喜びも悲しみも幾年月」の上映。テレビで切れ切れに見ていた作品を大スクリーンでじっくり見ました。厳しい環境を一歩づつ歩いていく姿を描いた、テレビドラマのようといったら、大ブーイングを受けるかもしれませんが、いつ見ても暖かくて優しい気持ちに包まれる作品。長女の旅立ちのシーンは、現実と重なりジーン。満たされた気持ちで見終わり、会場を見ると満席で、中高年を中心に立ち見も出るほど。なんとか三列目の端の席をキープできてラッキー。劇場の外には、名物?!男子トイレ行列が出来ていました。

 待ちかねたトークショーは、木下恵介監督の元でずっとお仕事をしていた山田太一さんと横堀幸司さん(木下恵介監督の下助監督をし、「高原へいらっしゃい」の脚本も手がける)のお二人で、木下監督の思い出を語るというもの。

 木下恵介監督作品での失敗談や監督の好きなもの、嫌いなもの、素晴らしい作品の数々を語り合っていらっしゃいました。暖かく優しい作品とは違った面を持つ監督の逸話などを紹介され観客からも笑いが。記念上映の話しや、船旅で、毎晩、木下作品を上映した話など、貴重な話を聞く事が出来ました。山田太一さんの若い頃の様子など、自分が知らなかった話が沢山聞けて、とても良かったです。木下作品の評価がもっともっと高くなってもいいはずだと、熱く語っておられました。
 
 続いて見たのは「楢山節考」。 木下作品の中でも、とても有名な作品だという事を何も知らぬまま見て、最初から最後まで、圧倒されました。オールセットで撮り上げた、スタッフの情熱がびんびん伝わってきて、幕をめくれば次の場面が出てくる仕掛けに息を呑む。スタッフに負けない、名女優・田中絹代をはじめとする役者達の熱演。まるで舞台を見ているような錯覚に捕らわれながら、義太夫・長唄をバックに、クライマックスへ。姥捨て山へ母親を背負い山奥に母親を置いて山を下りるシーンは、もの悲しさと生きる厳しさ、逞しさが胸を打つ。トークショーが終わったら帰ろうかと思っていたが、見逃さないでよかったと、感動しつつ帰宅した。

 山田太一作品「ありふれた奇跡」の紹介をトークショーの後にしていたが、久し振りに見ている連続ドラマの中の一つ。作品の展開が楽しみだ。
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