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板垣のいない甲斐ー『風林火山』鑑賞記20

2007-05-25 23:36:59 | S.Chiba
              第20回 「軍師誕生」 
 
 遂に、千葉ちゃん板垣無しで、晴信(市川亀治郎)が勘助(内野聖陽)を頼りに動き出す。どうにも寂しい。一月から4ヶ月以上毎週見続けていた千葉ちゃん・板垣の姿、声がない。しかし、晴信は前進あるのみ!!戦いはまだまだ終わらない。板垣が命を落とすことになる、晴信の前に立ちはだかる、今迄で最大の敵・村上義清(永島敏行)が登場する。

 戦さの際には、常に勘助の意見を聞こうとする晴信。勘助は策を用いて城を落とす戦法。二人のやり方に異議があるかのように、勘助を正式に軍師として用いるよう晴信に進言する、家老・諸角虎定(加藤武)。それを受け、晴信も今回の城攻め成功のあかつきは、勘助を軍師にすると宣言する。何か言いたそうな甘利(竜雷太)の表情が気になる。

 果たして、相木市兵衛(近藤芳正)らは勘助と通じ、飯富虎昌(金田明夫)が乗り込み城を落とす。この戦いも、エキストラを含め迫力がある。カメラがとらえるエキストラの表情一挙手一同にも、注目してみてしまう。城を落とし、はれて軍師となり、陣羽織と紋入り眼帯を晴信から送られた勘助は震えるほどの感激様。潤んだ目の勘助を見つめる晴信の目にも涙が。出会い、再会、別れ、再再会。敵から味方に、そして、今、信頼を寄せる軍師として、重臣たちと並んで座る勘助との運命の出会い・縁を、晴信は思っていたか・・・互いに潤んだ瞳が、胸を熱くする

 一方女達の戦いも今だ続く。三条夫人の由布姫への心遣いは、晴信への愛であり、自分の気持ちとの戦い。対する由布姫は、運命を受け入れる覚悟が今だ中途半端な事を、理解しつつも受け入れられないジレンマと、戦っている。勘助を思いのはけ口にしてみても、心は晴れない。それもその筈周りは、戦国の女たちであり、由布姫はまだまだ娘。しかし、武田家に来た以上、大人の女たちの感情を持って生きなければならない悲しさに、同胞の勘助に辛く当たってみても、知らず知らずの内に心惹かれ自ら迫っていく大きな瞳の中に篭もった思いが、胸に突き刺さる
 
 三条夫人は、自ら送った笛の音に、由布姫の気持ちの変化を感じ取り、胸を締め付けられ、一方、由布姫も地獄を生きる覚悟をし、心は親の仇・晴信を恨みつつ、惹かれていく二つの思いを受け入れられず苦しむ

 大森脚本の醍醐味は、全ての人間が善人であり、人を思いやり悩みながら生きている人間の多面性を、描いているところ全てのキャストが、恨みと思いやり、優しさと怒り、愛おしさと憎しみ、複雑な思いを抱えて生きている。

 来週は、強敵・村上氏の立ち向かう晴信と、胸の奥の複雑な思いを抱え苦しみもがく由布姫を中心に展開する模様?!果たして、板垣の心境は?出番は?今から気になるところ。

 明日のNHKまるエヌニュースで、最終収録を終えた千葉ちゃん板垣の様子が写るそう。嬉しいけれど、本当に寂しい!(:--:)


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