南カリフォルニアの先駆的なDJアート・ラボーが先月亡くなった(享年97才)。日本では
ほとんど知られていないが、僕は彼の興したレコード・レーベル【オリジナル・サウンド】
から多大なる恩恵を受けたので哀悼の意を表し、ここでつらつらと想いを述べたい。
Art Labeau
1959年、彼はこのレーベルから『Oldies But Goodies』シリーズを開始した。
数年前にヒットチャートに載ったシングル・ヒット曲をコンピレーションしたものだ。
音楽が溢れている今日では何てことないが、これがカリフォルニアを発端に大当たり。
Oldies But Goodies Vol.1は全米9位のロングセラー大ヒットに。(183週チャートイン)
カリフォルニアでは、当時フランク・シナトラやビック・バンドを中心に聴いていた
音楽好き若者をDJアート・ラボーのラジオから流れるロックンロールとR&Bで熱狂
させたという。音楽で人種や世代の枠を越えさせた先駆者のひとりでした。
どんな曲が収録されていたのか Here we go! 第3巻から僕のお気に入りを紹介
Oldies But Goodies Vol.Ⅲ (Original Sound OSR-LPS 8853)
デル・ヴァイキングス”Come And Go With Me”
フランキ・フォード”Sea Cruise”
リトル・アンソニー&ザ・インペリアルズ”Two People in The World”
プレストン・エッブス”Bongo Rock”
リトル・リチャード”Long Tall Sally"
ジェリー・バトラー”For Your Precious Love”
このシリーズ1950年代から1960年代のいわゆる『オールディーズ』と言われる曲が
12曲、発売当時から言えば”ちょっと古いヒット曲”で埋められているレコードでした。
~moondreamsの思い出話~
昔よく聴いていたFENでしか聴けないロックンロールやR&B、ドゥーワップに凄く魅了
されてた僕はオールディーズのレコードを探し求めていた。ついに輸入盤屋さんで
日本では未発売のこれに出合った。足繫く通いこのシリーズから9枚手に入れた。
1978年頃には『Oldies But Goodies』シリーズは13枚に達していたけど、僕はもう
他にも好きなアーティストが増えておりLPレコードの完全制覇は出来なかった。(^^;)
~シリーズの面白い話~
このシリーズは、最終的にCD時代の1985年頃まで続き15巻までいった。LPレコード時代
1978年頃には13枚に達していたと書いたが第13巻の表示は Vol.13ではなくVol.14だった。
日本では”四”は縁起が悪いとして、銭湯の下駄箱入れの”4番”が欠番になっていたように
【オリジナル・サウンド】の迷信深い関係者が不吉と考えたのか”Vol.13”は欠番でした。
1980年代(既にCD時代)迷信が解けたのかVol.13、Vol.15と制作され全15巻となった。
~アドバイス(おせっかい)~
僕はCD化された全15巻を、後になって一気に大人買いしたと前にココへ書いたけど
今後このシリーズを買われる奇特な貴方へアドバイス。LP版とCD版のこのシリーズ
実は収録曲が一部替わっているので、そこをわきまえて購入されるのが寛容です。
~臨時ニュース/ジェリー・リー・ルイスの訃報~
ここで、”ザ・キラー”ことジェリー・リー・ルイスの訃報が飛び込んできた。
このOldies But Goodiesシリーズでも4巻と12巻に曲を収録しているので
これらの曲を聴いてあわせて追悼しよう。(Jerry Lee Lewis1935. 9.29-2022.10.28)
アート・ラボーさんのDJぶりは体験できなかったけど『Oldies But Goodies』から
オールディーズ(古いけどもいい曲)の楽しみを教えてくれとても幸せでした。
ラボーさん今頃は天国のDJブースから『Oldies But Goodies』を天上エアプレイ
しているのかな。 R.I.P Art Labeau (1925.8.7-2022.10.7)