冬は乾燥とともに、静電気の発生が増える季節。じつは、この静電気の影響を受けて「体が冷えやすい状態になる」ことをご存じですか? しかも、最近流行のフリース生地やヒート系インナーには、化学繊維が多く含まれており、容易に静電気を発生させます。このため、せっかくヒート系インナーを着ていても、じつは温まりにくいという現象がおこるのです。
それでは、静電気が発生させるプラスイオン(陽イオン)によって引き起こされる、身体への影響を見てみましょう。
まず1点めは「血流が悪くなる」ことです。静電気が帯電すると、血管が収縮します。血液の中にもイオンが存在していますが、とくに赤血球の中のphが低下すると、ヘモグロビンが酸素を運びにくくなってしまうため、結果的に毛細血管が収縮し、冷え性のもとになります。
2つめは「疲れがとれなくなる」ことです。血流低下に伴い、筋血流量も低下すると筋肉疲労もしやすくなります。また、静電気が帯電すると血液内のカルシウムイオンが10%減少するという報告があります。血液のカルシウムが少なくなると、それを補うために、歯や骨などのカルシウムを溶かして出してしまい、カルシウム不足になるのでイライラしたり、意欲がなくなり、肉体的には筋肉の持久力が不足し疲れやすくなります。カルシウム不足によって鉄の吸収も悪くなるので、貧血の恐れも出てきます。
3つめは「ストレス増加」です。静電気の刺激が自律神経に伝わると緊張状態となり、血糖値が上がります。その結果、血液中のビタミンC消費量が増えます。ストレスによるショックを和らげてくれる副腎皮質も、ホルモンを作るためにビタミンCが必要なので、足りなくなってくるとストレスの影響を受けやすくなります。
詰まるところは、静電気を帯電させ発生させないことが重要。湿度が65%を超えると、静電気は発生しにくくなりますので、加湿をまめにしたり、化学繊維が擦りあうことがないよう化学繊維同士は避ける(重ね着に注意)などして、静電気対策、そして冷え性対策を試してみましょう。
美レンジャーより