~深刻化する“若年女性”の貧困~あしたが見えない
NHK会長発言が世界に波紋を投げかけているとき、このような番組が放送されたことに敬意を表す。
この1年で大企業の内部留保は5兆円も増加させた。その一方で賃金は減少し続けている。これが現実であり、若者の姿なのです。3つも4つも仕事を掛け持たなければならない状態だけでも改善していかなければなりません。
先日の安倍首相の施政方針演説が虚しく響きます。
あらゆる人にチャンスを創る 女性が輝く日本 女性の積極的登用
寮、食事付き。託児所完備。
今、生活支援を売りにする風俗店で働く女性が、増えています。
風俗店で働く女性
「私が働かなきゃ、餓死しちゃうよっていう状況なので。」
学校を卒業後、非正規の不安定な仕事にしか就けない女性が、増加し続けています。
今、働く世代の単身女性の3分の1が、年収114万円未満。
中でも深刻化しているといわれるのが、10代、20代の貧困です。
3つの仕事を掛け持ちする、19歳の女性です。
飲食店で働く女性
「本当に時給が安くて、すごい働いた気がしても、月10万とか。」
通信制高校で学ぶ、19歳の女性。
生活費や学費を稼ぐために、早朝から仕事を続けています。
コンビニで働く女性
「今の生活からは脱出して。
理想はないですね。」
安定した職を得て、今の生活から抜け出したい。
鷲見さんは、保育士になるため、春から夜間の専門学校に通うことにしました。
専門学校の入学金は、5万円で済むコースを選びました。
しかし、月々の授業料は、毎月8万円かかります。
そのうち5万円は、奨学金で支払う予定ですが、卒業後に返済しなければなりません。
今、10代、20代の働く女性は、全国で503万人。
しかしこの20年、正規の職に就ける若い女性は、急速に減っています。
高校卒業の女性の場合、正規の仕事に就ける人は、48%にとどまっています。
青森県出身の女性
「ファミレスに朝10時出勤の4時半までやって、5時からピザ屋さんで9時までやって、9時半にスナック行って、閉店まで2時3時まで働いて、本当に時給安くて、すごく働いた気がしても、やっと10万いったりとか。」
25歳のこの女性は、2つの仕事を掛け持ちして、月の収入は13万円程度。
周囲の男性も非正規で働く人が多く、結婚して出産することは考えられないといいます。
25歳の女性
「それ1番ないです。
自分1人でこの状態で、いっぱいいっぱいなのに、子どもいたらアウトだなって思って。
最悪自殺まで考えちゃうんじゃないか。」
さらに年々深刻な状況に陥っているのが、10代、20代のシングルマザーです。
今、20代のシングルマザーのうち、およそ80%が、年収114万円未満の貧困状態に置かれています。
保育所で、時給800円で働いている。フルタイムで働いて、収入は月10万円ほど。
母子家庭に支給される、およそ4万円の手当などを加えて、なんとか家計を維持しています。
家庭の経済事情を気遣い、中学を出るとすぐに働き始めました。
今、高校卒業の認定資格を取る勉強を始めている。
なんとか、安定した仕事に就きたいと考えています。
あさみさん
精神的にも金銭的にも1人なので、自分にもしものことがあったらと、ふと思いますね。
自分が倒れたら、2人とも餓死するんじゃないかとか考えますね。」
生の子どもを育てる、30代のシングルマザーが、面接に訪れていました。
この女性は20代のころ、生活のために、一度風俗店で働いた経験がありますが、その後は別の仕事に就いていました。
去年、体調を崩して働けなくなり、生活保護を申請しましたが、生活状況を細かく調べるのに時間がかかると言われ、断念しました。
女性は、再び風俗の仕事に頼るしかなかったといいます。
●子どもを生み育てる若年女性が、風俗産業しか頼る場所がない現実
●シングルマザーの抱える住まいや保育の問題 行政が解決すべき問題では?
鈴木さん:現状で言いますと、まず生活の保障がなされるものというと、生活保護しかないのが現状です。申請を受け付けてもらえないというようなケースもあります。
また現在、生活全般にわたって、支援が縦割りになっているわけなんですけれども、この性産業というのが、実際、職と共に、住宅であるとか、夜間や病児の保育も含めた保育にまで、しっかりとしたセーフティーネットになってしまっていて、じゃあ実際それが公的なところで、こんなに包括的なサービスが受けられるかといわれると、そうではないというのがかなり、現実なんじゃないかなというふうに思っていて、これ、社会保障の敗北といいますか、性産業のほうが、しっかりと彼女たちを支えられているという現実だと思いますね。