まぐまぐニュース!2022.09.08
by 『きっこのメルマガ』
8月25日に告示され、今月11日に投開票が行われる沖縄県知事選。現職の玉城デニー知事に保守派の新顔二人が挑む選挙戦が繰り広げられていますが、その保守派候補二人ともが旧統一教会との浅からぬ関係を指摘される事態となっています。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、「教団まる抱え選挙」の展開を目論んでいた佐喜真淳候補と旧統一教会との、この時点までに判明している癒着関係を詳しく紹介。さらに自民党の国会議員と同様「今後は関係を断つ」という一言で問題行動の帳消しを図る、佐喜真氏の無責任極まりない姿勢を強く批判しています。
沖縄県知事選は「現職 VS 統一教会」
今度の日曜日、9月11日という、ある意味、米国を象徴する日に投開票が行なわれる沖縄県知事選ですが、今回の県知事選は、別の意味でも、現在の米国追従の自民党政権の実体を象徴しています。それは、共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦の現職、玉城デニー氏(62)以外の2人の候補者、自民、公明推薦の前宜野湾市長の佐喜真淳(さきま あつし)氏(58)と、前衆院議員の下地幹郎(しもじ みきお)氏(61)が、どちらも旧統一教会とベッタリ癒着している人物だからです。
たとえば、自民と公明が推薦する佐喜真淳氏の場合は、宜野湾市長だった2017年3月26日、宜野湾市で旧統一教会の関連組織「平和大使協議会」の「日韓トンネル推進沖縄県民会議」の結成大会を開催し、複数の自民党県議らと一緒に出席しています。2019年7月15日には、豊見城市で開催された旧統一教会の「平和と家庭の祭典」に来賓として出席し、お祝いのスピーチをしています。
2019年9月後半には、宜野湾市議会の保守系の市議らと台湾へ渡航し、「平和大使協議会」を視察し、9月29日に桃園市で開催された旧統一教会の「合同結婚式」にも出席しています。合同結婚式では、新郎新婦が長さ1メートルほどの「蕩減棒(とうげんぼう)」と呼ばれる木製の棒でお互いの尻を叩き合う儀式が行なわれました。この日は既婚の信者カップルを集めた「既成祝福式」も行なわれたのですが、佐喜真氏は来賓としてステージに上がり「素晴らしいです。私も非常に感動しております」と賞賛のスピーチしました。
2019年11月には、旧統一教会の関連団体の人物が沖縄市で行なった、同性婚を批判する講演会に出席しました。また、2020年1月5日には、旧統一教会の沖縄代表者が講師をつとめる「家庭講演会」に、複数の自民党議員と誘い合わせて出席しています。そして、その6日後の1月11日には、豊見城市で旧統一教会の徳野英治会長を迎えた講演会が開催され、この講演会に出席してお祝いのスピーチをしています。
2020年2月3日から5日に掛けては、安倍晋三元首相のビデオメッセージで知られるようになった旧統一教会の関連組織「天宙平和連合(UPF)」の大型イベントにも参加しています。佐喜真氏は、韓国の高陽市で開催されたUPFの「ワールドサミット2020」に、わざわざ日本から参加したのです。
そして、2021年1月8日には、旧統一教会の関連組織「沖縄県平和大使協議会」が開催した新春の青年フォーラムに、安倍元首相の飼犬として普天間飛行場の辺野古移設を容認した元県知事の仲井真弘多氏とともに出席し、それぞれ壇上で講演を行ないました。2021年4月11日には、うるま市で開催された旧統一教会の関連団体「世界平和連合」の講演会に出席し、中国の脅威などについて意見を述べています。
また、宜野湾市のコミュニティ放送「ぎのわんシティFM」には、旧統一教会の「那覇家庭教会」が提供する番組が9本もあるのですが、佐喜真氏はそのうちの1本「はごろもシティへめんそ~れ!」に、2022年3月22日、ゲスト出演し、基地問題について玉城デニー知事を厳しく批判しました。ちなみに、この番組のパーソナリティーをつとめる女性は旧統一教会の信者であることを認めており、佐喜眞氏とは「長い付き合い」だと述べています。
ザッと挙げても、これだけ旧統一教会とベッタリ癒着している佐喜真淳氏ですが、先月8月5日、那覇市内のホテルで記者会見を開き、9月11日投開票の沖縄県知事選挙に出馬すると表明しました。そして、その会見の映像を見てみると、なんと、旧統一教会の関連組織「沖縄県平和大使協議会」の議長をつとめた西田健次郎氏が同席していたのです。出馬会見にまで旧統一教会の関係者が同席するなんて、これこそ自民党の十八番「教団まる抱え選挙」の始まり始まり~という感じです。
しかし、ここから佐喜真氏の計画が大きく崩れて行くのです。それは、自民党議員の旧統一教会との癒着が次々と発覚し始めたことです。あまりにも根深い自民党議員と旧統一教会との癒着に、岸田政権の支持率はジェットコースターのように下がり始め、この癒着の構図は地方議員へも波及して行きました。
この状況では、とても「教団まる抱え選挙」などできません。しかしネット上では、すでに佐喜真氏が旧統一教会の怪しげなイベントに出席している映像などが拡散され始め、もはや「知らぬ存ぜぬ」は通用しません。すると佐喜真氏は、腹をくくったのか、8月25日の沖縄県知事選挙の第一声で、開口一番、次のように述べたのです。
「連日、旧統一教会の報道がなされております。確かに私は旧統一教会の関係団体の行事に参加をしてまいりました。ただし、会員であるとか、あるいはまた資金の提供を受けたとか、そのようなことは一切ございません。ただし、多くの方々に不安を与え誤解を招くような行動をしたことについては真摯に反省をしております。この場をお借りしまして、旧統一教会関連との一切の関係を今後は行なわない、断つということをお約束させていただきます」
おいおいおいおいおーーーーい!お前もかーーーーい!…というわけで、自民党の菅義偉氏も山谷えり子氏も萩生田光一氏も下村博文氏も山際大志郎氏も稲田朋美氏も、あれほど旧統一教会とベッタリ癒着していたのに、「今後は関係を断つ」と言えば、これまでのことはすべてチャラなのかーーーい!
たとえば一例として、稲田朋美氏の地盤の福井県では、稲田朋美氏が旧統一教会のイベントでスピーチしている写真を見せられて、それを信じてインチキ壺を240万円で買わされてしまったという被害者も出ているのです。一般の私人ならともかく、為政者という公人がカルト組織と関係を持てば、いくら「依頼されたから出席しただけ」などと言い訳をしても、その行動自体が「広告塔」として犯罪に加担したことになるのです。
「今後は関係を断つ」というセリフは、これまでの旧統一教会との癒着の責任を取った人物の言うべきセリフであって、この一言で過去の問題行動すべてがチャラになる魔法の言葉ではありません。まずは被害者へ謝罪し、次に議員辞職など最低限の責任を取り、それから初めて「今後は関係を断つ」と言うのが筋でしょう。
今回の沖縄県知事選は、現職の玉城デニー氏と、ここまで旧統一教会とベッタリ癒着して来た佐喜真淳氏、そして、2001年に「世界平和連合沖縄県連合会設立準備会」の集会に出席し、沖縄にカルト教団を招き入れる計画に加担した下地幹郎氏との戦いです。いくら「今後は関係を断つ」などと言っても、佐喜真氏も下地氏もこれまでの旧統一教会との癒着について何ひとつ責任など取っていないのですから、これは「現職 vs. 統一教会」という選挙戦なのです。カルト教団などに、断じて負けるわけには行きません。
(『きっこのメルマガ』2022年9月7日号より一部抜粋・文中敬称略)
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いよいよ明日です。これまで民意を無視され続け、金で票を買ってきた自民党にまたもやオール沖縄の意思を示そうではありませんか!