里の家ファーム

無農薬・無化学肥料・不耕起の甘いミニトマトがメインです。
園地を開放しております。
自然の中に身を置いてみませんか?

旧統一教会問題から考える国葬反対論 自民の新指針、安倍氏不問でよいのか

2022年09月22日 | 社会・経済

「東京新聞」2022年9月22日 

 安倍晋三元首相の国葬を考える際、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の件も見過ごせない。自民党は教団を「問題あり」とみなし、行動指針を改める方針を示した。となると、接点があった安倍氏は自民基準でも要注意人物にならないか。「最長政権を築いた」として現政権はたたえるが、教団側の手も借り、選挙強者になったと疑われるのが安倍氏だ。国葬に値するのか、やはり再考が必要ではないか。(特別報道部・西田直晃、木原育子)

◆「国葬実施は支離滅裂」

 「黙って手を合わせて見送ってあげたらいい」

 16日に放送されたTBSの政治対談番組。自民党の二階俊博元幹事長は無表情でそう言い放った。

 3日後の19日。安倍派の総会で塩谷立会長代理は「粛々と行っていただくことを切に望む」と述べた。

 国葬を既定路線とする党重鎮の2人。しかし彼らこそ、考えを改めるべきだ。

 注目すべきは、自民党総裁でもある岸田文雄首相が肝いりで導入した党の行動指針。いわゆる「ガバナンスコード」だ。

 岸田氏は昨秋の総裁選を前に、この指針を含む党改革案を発表していた。自民党は今年5月、政治資金の疑いがある議員らを念頭に置き、「社会規範の遵守」「透明性と説明責任」を柱にしたガバナンスコードを策定。そして8月下旬、岸田氏は教団を「社会的に問題のある団体」と捉え、「関係を断つ」と追記する方針を示した。

 一方で安倍氏といえば、祖父の岸信介元首相、父の安倍晋太郎元外相と3代にわたり、教団側とのつながりが指摘されてきた。教団に詳しいジャーナリストの藤倉善郎氏は「岸氏から続く歴史的経緯は公然の事実。加えて、第2次安倍政権前夜から、勢力拡大を狙う教団側に呼応する形で、安倍氏は関係を強化してきた」と推し量る。

 深い間柄が疑われる安倍氏に関し、今後まとめるガバナンスコードに照らすと、どう評すべきか。

 藤倉氏は「党と教団側の関わりを築いた『本丸』。調査すべき最重要人物。問題がありながら、国葬は実施するというのは支離滅裂なことだ」と訴える。

◆倫理観が壊れた自民党だからこその「新たな規範」

 ただガバナンスコードは、なじみが薄い言葉でもある。どう捉えるべきか、悩ましいところでもある。

 経済評論家の森永卓郎氏は「もともとは、自分たちのことしか考えない米国型企業が組織内の不正や不祥事を防ぐために構築した制度」と説明する。

 つまり企業向けの内部指針とされたのがガバナンスコードで、「ルールの遵守」「株主への説明」に重きを置き、取り組むべき項目を盛り込むのだという。

 岸田氏の下で自民がこの指針をまとめた裏には、森友・加計学園や「桜を見る会」を巡る問題への反省を示す狙いがあったとされる。法的拘束力は持たないが、岸田氏にとっては党改革を知らしめる象徴になるはずだった。「倫理観が壊れた自民党だからこそ、新たな規範をあえて定める必要があった」(森永氏)

 しかし、そんなガバナンスコードも形骸化しかねない事態が訪れている。

 岸田氏には、教団側と安倍氏の関係を調べる気配はない。当然ながら、ガバナンスコードに照らす様子もない。都合良く運用を変えれば、肝いりの指針でも骨抜きになりかねない。

 ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「岸田さんは説明、説明と強調するが、口だけにすぎない。ルール軽視が著しい。コロナ禍で強行突破した東京五輪と同じで、世論も一切お構いなしだ」と嘆く。

◆「黄金の3年」か「泥舟の3年」か

 安倍氏の国葬を巡る是非を考える際、重要なのはその開催名目もだ。岸田氏は、安倍政権が「憲政史上、最長政権」だから「国葬に値する」と貫く。

 だが、安倍氏は国政選挙の際、教団側の組織票を自民党の候補に差配していたとされる。明治大の西川伸一教授(政治学)は「教団側の票田を背景に、一人の参院議員の当落にまで影響を行使できるほど力を握っていた」とみる。

 つまり安倍氏は、自らの信を問う選挙で教団側から票を回してもらうなどし、政権維持の下支えにした可能性がある。そうして築いた長期政権なら、評価に値するのか。西川氏は「税金をかけて国でたたえるなんてありえない。国葬は日本の恥を世界にさらすようなものだ」と一蹴する。

 昨夏に東京五輪を強行した結果、支持率を急落させ、首相の座を追われた菅義偉前首相を重ね、「あの時と似ている。岸田氏にとって今後は『黄金の3年』ではなく『泥舟の3年』になる」と突き放す。

 共同通信社が17、18両日に実施した全国電話世論調査では、安倍氏の国葬に「反対」「どちらかといえば反対」は計60.8%。「賛成」「どちらかといえば賛成」の計38.5%を大幅に上回る。その一方で気になるのが、国葬を巡る教団側の受け止め方、岸田氏に対する彼らの評価だ。

 北海道大大学院の桜井義秀教授(宗教社会学)は「宗教団体とは概して、世間からの迫害や苦難に満ちれば満ちるほど結束力が高まる。自分たちに有利な物語を新たに作り出していく」と解説する。

 そんな中で、いくら自民党が教団側と「縁切り宣言」したとしても、岸田氏が国葬を即断即決し、それを貫くことで、「『安倍元首相の偉大さを評価できる偉大な首相』として、岸田首相の評価がさらに高まる。縁切りどころではなくなるだろう」とみる。

◆実は因縁浅からぬ「日本武道館」

 ちなみに国葬が開かれる日本武道館は、教団側と縁が深い。勝共運動の一環として1970年9月20日に開かれたWACL(世界反共連盟)世界大会の会場だったからだ。

 同日付の「こちら特報部」は準備の状況を報じた。世界60カ国から約230人の代表、日本全国から1万人を集めると記したほか、大会を控えた教団側については「体当たり的街頭募金、ペタペタはりめぐらした宣伝ポスター」を背景に「とにかく『モーレツ集団』なのだ」と伝えた。

 その数日前には前夜祭が開かれており、ある自民党議員は「万国博で日本人の忍耐強さに外国人が驚いたというが、わたしゃこの総会みて、もっと驚いたネ」と漏らした。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の紀藤正樹弁護士は「武道館は66年にビートルズがコンサートをし、世界的に有名になった場所。教団側は自分たちの権威付けのため、国際的に有名な場所でイベントをやりたがる。武道館を使わせた先人のミスとも言える」と指摘する。

 安倍氏と教団側の関係は不確かな点も多い。同氏の評価には、さらなる検証が必要だ。しかし岸田氏は国葬にまい進する。

 日本の戦後政治を見続けてきた政治評論家の森田実氏は、独断専行に傾く姿に危機を感じる。「ナチスドイツは選挙を経て過半数を取り、最初は社会主義的なニュアンスを保ったが、次第に行政権を盾にファシズムに突き進んだ。岸田さんも最初は穏健派とみられたが、目の上のたんこぶだった安倍元首相がいなくなった途端、本性を現した」

 そして続けた。「日本は今後、『岸田ファシズム』へ翻るか、菅前首相のように挫折していくのか。国葬は日本の岐路になった出来事として刻まれるだろう」

◆デスクメモ

 弔う人物は、教団側と深い間柄が疑われる安倍氏。弔う場所は、教団側と縁深い武道館。弔う際には、半旗を掲げる場所があるかもしれないが、以前に紙面で触れた通り、教団側は日の丸掲揚を推してきた。一体、何のための国葬か。危うい意味付けがなされないか、心配でならない。(榊)

*   *   *

若者は「国葬」賛成って本当?

福島県民世論調査 18~19歳「反対」100%

「しんぶん赤旗」2022年9月22日

 「若者は『国葬』に賛成している」。最近、一部でそんな声を耳にしますが、本当にそうでしょうか。

 福島民報社と福島テレビが共同で実施した福島県民世論調査(17日実施)では、安倍晋三元首相の「国葬」について「反対」が66・3%となり、「賛成」の21・4%を大きく上回りました。そんな中、世代別でみると驚きの結果が…。最も高かった18~19歳では、なんと「反対」が100%となりました。20代でも55・6%にのぼり、「反対」が「賛成」を上回りました。

 さらに、自民党国会議員と統一協会(世界平和統一家庭連合)との接点に関する自民党調査についても、18~19歳では「評価しない」が100%に。岸田政権に対する厳しい評価は、むしろ若い世代のほうが顕著に出ています。

 内閣支持率にも影響し、「支持する」が34・1%で前回調査(6月)から21ポイント急落。「支持しない」は45・7%で、岸田内閣発足後、初めて「支持しない」が「支持する」を上回りました。

 「国葬」反対は高齢者ばかり、若者は賛成している…。そんな批判をかき消すほどに、幅広い世代から「『国葬』反対」「岸田政権ノー」の世論が示されています。(侃)


 ニュースなどを見ているとたしかに「高齢者」の方が目立つ。若者はこうした場所での意思表示が難しいのだろう。この調査を見てホッとした。

いも掘り
男爵・メークインはすでに終わり、きょうからコナフブキ(お好み焼き用に使う。グルテンフリー、無農薬栽培、味もgoo!)