「女性自身」2021年3月2日号 掲載
「菅首相は先日の施政演説の最後、自らの初当選時を振り返り、『(政治の師)梶山静六氏から“少子高齢化時代は国民に負担をお願いする政策も必要になる”と言われた』と強調しました。これは支持率が低迷中の菅首相が政権基盤を維持するため、財務省のご機嫌とりに“大増税”の決意を示したものなんです」(政界関係者)
緊急事態宣言下、収入減に悩む国民が多いなか、耳を疑う話が……。
「この1年間、政府は3回の補正予算を組み、コロナ経済対策として投入した総事業費は、300兆円。今年度の新規国債の発行額は過去最高の112.6兆円にまで膨らんでいます。そこで財務省はコロナ収束後に消費税率を15%に引き上げる“コロナ復興税”を検討しているんです」(前出・政界関係者)
経済評論家の森永卓郎さんは、「増税は財務省の病いです」とため息をつき、こう断じる。
「東日本大震災後、復興増税が実施されました。そのお金は“被災地のために使われる”と国民の理解を得て、所得税増税が25年計画で行われています。実はそれだけなら、消費税を1%上げるだけでも計算は合うんですね。なのに今度は『消費税15%』まで上げる必要があると。悪ふざけにもほどがある。もし実現してしまったら、デフレスパイラルが加速し、給料は上がらず、生活レベルが下がる。町はゴーストタウンになってしまいます」
経済ジャーナリストの荻原博子さんも、「新型コロナは世界全土が被災地。世界中見回しても今、増税している国はない」と憤慨する。
■消費税15%は20%への第一歩!
「たとえばドイツは昨年7月から年末まで付加価値税の標準税率を19%から16%に引き下げました。イギリスやオーストリアなども、特定の商品・サービスで引き下げを行っています。言語道断です!」
財務省はこのどさくさに紛れて、消費税以外での増税までもくろんでいる、と荻原さんは続ける。
「’23年10月、財務省はインボイス制度を導入します。これまでは事業収益1千万円以下の小さな事業者は消費税を免除されていましたが、結果、消費税を支払わなければならず、こうした庶民の事業者にとっては実質、増税です。ほかにも出国税や森林環境税などの新しい税金を作り、社会保険料もずっと上がり続けています」
専門家の嘆きとはうらはらに、前出の政界関係者は淡々と言う。
「もともと財務省は将来の社会保障財源確保のため、現在の倍の『消費税20%』が念頭にあります。“コロナ復興”の名目で15%に引き上げるのは、その第一歩なのです」
荻原さんは「消費税がどんどん上がる一方で、なぜか法人税だけは減税されている」とも指摘する。
「『国際競争力をつけるため』が建て前ですが、自民党は票田の経団連の顔色を見ているのでしょう」
一般市民を無視して消費税20%へ突き進むような国に“復興”という言葉はあるのだろうか――。
「女性自身」2021年3月2日号 掲載
「国民の命と暮らしを守る」気持などサラサラない!
まだ風、雪ともあるがだんだんと弱まっている。昨夜は腰まである吹き溜まりができて吹雪の中での雪かきも大変でした。地震に見舞われた地方はどうだったのでしょう?