「しんぶん赤旗」2024年9月15日
購入すれば「死の商人」潤す
防衛省は2025年度概算要求で、地上の標的を自動飛行して攻撃する小型無人攻撃機(攻撃型ドローン)の取得費30億円を初計上しました。同省は約310機の取得を計画し、イスラエル製を有力な選択肢にあげていることがわかりました。イスラエル軍は自国製の攻撃型ドローンをパレスチナ・ガザ地区攻撃の主力兵器として使用しています。ジェノサイド(集団殺害)に武器を供給する「死の商人」を潤すことは、国際法違反の殺りくに事実上、加担することになります。日本政府の姿勢が問われます。
防衛省が導入を検討している機種は、爆弾を内蔵し、標的に突撃して破壊する「自爆型」です。対戦車ヘリや戦闘ヘリを縮小・廃止し、その機能を移管する方針です。
日本共産党の山添拓参院議員が行った聞き取りで防衛省は、取得は一般競争入札を通じて行われると説明。これまでに運用実証を行った5機中4機がイスラエル製で、エルビット・システムズ、IAI、Uビジョンの3社が含まれています。とりわけ、エルビット・システムズはイスラエル軍が使用するドローンの85%を占めています。
伊藤忠商事は同社と契約を結んでいましたが2月、国際司法裁判所(ICJ)が同地区でのジェノサイド防止の暫定措置命令をイスラエルに出したことを踏まえ、契約を打ち切りました。しかし防衛省は、エルビット・システムズも一般競争入札から「排除しない」としています。
イスラエル軍はガザ地区でドローンを大量に投入。侵攻を開始した2023年の10~11月に犠牲者の90%がドローンで殺害されたとの指摘もあります。
武器取引反対ネットワーク(NAJAT)の杉原浩司代表は、そもそも攻撃型ドローン自体が「専守防衛」から逸脱するもので、導入の必要はないとした上で、「大量虐殺に武器を供給し、利益をあげている企業のものを選択肢に挙げること自体が虐殺容認のメッセージになる」と指摘。「最低限、イスラエル製は排除すべきだ」と批判しました。
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武器見本市に批判の声
イスラエル企業も出展
「しんぶん赤旗」2024年9月15日
日本政府が武器輸出推進にかじを切り、国際武器市場への本格的な参入を狙うなか、「死の商人」が集う武器見本市が相次いで開催されます。パレスチナ・ガザ地区でのジェノサイド(集団殺害)に加担するイスラエルの企業も出展が決まっており、市民団体は批判の声を上げています。
来月、東京都内で開かれる「国際航空宇宙展」(10月16~19日)には、米国のボーイング、ロッキード・マーチン、ゼネラル・ダイナミクス、RTX(旧レイセオン)、英国のBAEシステムズなど世界有数の軍事企業が出展。事実上の武器見本市になっています。
これらの企業は、6月に国連人権理事会の特別報告者を含む専門家30人が出した声明で、イスラエル軍への武器・弾薬移転が、「国際人権法および国際人道法の深刻な違反に加担する危険がある」と名指しされました。
国際航空宇宙展には、イスラエルの最大手エルビット・システムズも出展。同展示会はこれまで日本の複数の省庁が後援してきましたが、今回も日本政府が後援することになれば重大です。フランスでは、6月にパリで開催された武器見本市「ユーロサトリ2024」へのイスラエル企業の参加が禁止されています。
9月10日の記者会見で発足が発表された「国際航空宇宙展を虐殺兵器展にするな!キャンペーン」は、「戦争を放棄した憲法9条と世界の人々の平和的生存権を守ると誓った憲法前文を持つ日本で、まさに今、最低でも4万人を超えた大虐殺に武器を供給中の『死の商人』たちに商機を与えることは許されない」と厳しく批判しています。
さらに、来年5月には世界最大規模の武器見本市「DSEI Japan 2025」が千葉・幕張メッセで開催されます。日本での開催は3回目で、日本政府も後援し、防衛省も出展しています。これまでも常連だったエルビット・システムズも出展を予定しています。
「戦争できる国造り」、憲法破壊が着々と進んでいる。
自民党総裁選もその一環である。
戦争のない世界を!
ラベンダーの花を刈り取って車の中へ。