遺伝子組み換え作物の環境や健康への影響に世界が気づき始めた。しかし、事態はより深刻化しようとしています。より危険な遺伝子組み換え作物が登場しようとしているからです。その背景はモンサントの2大GM技術(農薬[ラウンドアップ]耐性とBt=殺虫性)の破綻である。
毒性の指摘が相次ぐ農薬ラウンドアップに耐性のある雑草が広がりだし、その結果、ラウンドアップの使用量、残留農薬は年々増えている。Btも効かなくなり、使われる殺虫剤の種類や量が増えている。
さらにラウンドアップ以外の農薬にも耐える新たな遺伝子組み換えの登場。ダウの枯れ葉剤耐性、モンサントのジカンバ耐性などだ。ベトナム戦争で使われた毒素を大量に撒くことに対して米国内では大きな反対が起きていて、承認されていない。ブラジルでも遺伝子組み換え作物の承認プロセスそのものを見直そうという動きやさらには遺伝子組み換え作物を禁止しようという動きまで出てくる。
米国でもブラジルでもその承認をめぐり長い期間、大騒ぎになっているのに、日本のマスコミは動いていない。米国ですら承認されていない、こうした危険なものが日本ではすでに続々と承認されていることを多くの日本列島の住民は知らない。すでに枯れ葉剤耐性もジカンバ耐性もRR2もすべて日本政府は承認済みである。このままの状況で南米などで耕作が始まってしまえば、知らぬ間に、知る術ものないままに日本人はこうした毒にまみれた大豆を食べることになる(RR2は来年早々日本に来ることはまず確実、枯れ葉剤やジカンバは耕作地域での反対で止まる可能性はまだあるが)。スーパーにはやがてその大豆を飼料として使って作られた肉が並ぶことだろう。
枯れ葉剤耐性大豆を使っているかいないか消費者がスーパーで知るすべはない。
マスコミだけではない。市民メディアでこの問題を取り上げているところは多くない(『食べもの通信』とAPLAの『ハリーナ』に短い記事を書いた)。今からでも遅くはない。この問題を少しでも知らせなければならない。Tomo's blog
遺伝子組み換え技術は農薬を減らすと宣伝されて登場した。しかし、その現実は年々農薬使用が増加し、農薬を増やしても枯らすことのできない雑草が今や米国の農場の半数を超える範囲で登場している。すでにラウンドアップ耐性遺伝子組み換えは死んだ、という声が聞こえる。今や、北米や南米では激増した農薬によるさまざまな健康被害、環境被害が報告されている。
その失敗に学び、方向を変えるか、それともさらに自然に対する軍拡競争=さらに危険な農薬をつぎ込む方向を強めるのか、今、問われている。昨年以来、米国で急激に広まってきた遺伝子組み換えに反対する運動は現在の農業の危険な方向を変える必要に多くの米国市民がめざめたことの結果としてある。
しかし、モンサントなどの遺伝子組み換え企業とそれを支える政府機関はそうした声を無視して、現在の遺伝子組み換え技術の上に別の遺伝子組み換えを交配させることで対応しようとしている。しかし、時間の問題で、やがてジカンバ耐性遺伝子組み換え大豆の遺伝子は周りの雑草に転移して、雑草もまたその危険な農薬(毒)への耐性性質を獲得していってしまう。これを許していけば、やがてすぐ極めて近い将来に別の危険な農薬が準備され、それへの耐性を持った遺伝子組み換えが用意されていくのだろう。
その過程で、耐性を獲得した一部のスーパー雑草を除き、農薬=毒に耐えられない蜂、鳥、昆虫、土壌の細菌などは死んでいき、人間も健康を奪われていくことにならざるをえない。
原発事故はエネルギー政策の根本的な変更を人びとに求める。そして、こうした遺伝子組み換えの破綻は人びとに根本的な農業のあり方の変更を求める。それなくして、将来世代に健全な地球環境は残せない。その見直しの不可欠な時に人びとを欺くこのモンサントのジカンバ耐性遺伝子組み換え大豆を決して承認するべきではない。
Tomo's blog より