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ネオニコチノイド農薬

2019年12月16日 | 野菜・花・植物

ネオニコチノイド農薬 魚の餌減らす
宍道湖 ワカサギ・ウナギ激減
「しんぶん赤旗」2019年12月16日


産総研、山室特定フェローら調査
 島根県松江市に面した宍道湖(しんじこ)。日本海とつながり、海水と淡水がまじりあう汽水湖で、シジミをはじめとした魚介類は「宍道湖七珍」と呼ばれ、松江を代表する味覚となっていますが、近年、七珍に数えられるウナギやワカサギが激減し問題となっていました。産業技術総合研究所(産総研)の山室真澄特定フェロー=東京大学大学院教授と東京大学、島根県保健環境科学研究所、名古屋市環境科学調査センター、千葉工業大学の研究で、水田などで使われるネオニコチノイド系農薬の影響で魚の餌となる生物が激減したためである可能性があることが明らかになりました。(原千拓)

 産総研は1990年代、宍道湖を対象に植物プランクトンの生産量の増減と水生生物の関係について調べたことがあります。この中で、同湖ではその当時、湖水の窒素やリンなど植物プランクトンに必要な栄養源が増えているのにもかかわらずワカサギやウナギの漁獲量が減っていることがわかりました。しかしその原因については解明されていませんでした。
 その後2012年にはヤマトシジミの漁獲量が激減。産総研などの研究グループは12年から宍道湖にすむ多様な水生生物と環境の関係を総合的に検討する研究を始めました。
環境に流出、分解しづらく
 ヤマトシジミが激減した原因は、湖の塩分濃度の低下によって餌となる植物プランクトンが減少したためでした。翌年に塩分濃度が上がりヤマトシジミの漁獲量は回復しましたがウナギやワカサギの漁獲量は回復せず、90年代から漁獲量の低レベルが続いていることがわかりました。山室さんは塩分や水温などの水質以外のさまざまな要因の可能性を調べ始めました。
93年から激減
 底生動物の餌と密接にかかわる湖底堆積物の有機物濃度に大きな変化は見られませんでした。しかし一方で節足動物の減少が著しく見られ、特にオオユスリカは82年には1平方メートルあたり100個体以上生息していましたが16年にはまったく採集されませんでした。
 かつて宍道湖では羽化したオオユスリカが毎年のように大量発生し、堆積した死骸によって道路でスリップ事故が起こることもあったほどだったといいます。調査の結果、93年以降、突然生息しなくなったことが分かりました。
 また、宍道湖の動物プランクトンの大部分を占めるキスイヒゲナガミジンコについて生息数の推移を分析した結果、93年5月から激減していたことも判明しました。
 オオユスリカの減少は諏訪湖や琵琶湖、霞ケ浦でも見られています。山室さんたちは、地理的に離れ、塩分などの水質環境も異なる湖で同じような現象が起こっていることに注目。関連するできごとを調べたところ92年に、日本で「イミダクロプリド」がネオニコチノイド系農薬として初めて登録されていました。山室さんたちは、田植えが一斉に行われる93年5月ごろに使用され始めたと推測しました。
汽水域の特性
 ネオニコチノイド系農薬は水溶性で植物体への浸透移行性を持ち、効果の持続性にも長(た)けています。このため、環境に流出してから分解、消滅するまでに時間がかかります。この特性からネオニコチノイド系農薬の使用が、宍道湖の魚類の餌となる動物を減少させ、間接的にウナギやワカサギの漁獲量の激減を引き起こしたと考えられます。
 山室さんは「メーカーはネオニコチノイド農薬のメリットとして水に溶け植物に浸透し分解しづらいので何度もまかなくてよいとうたっていますが、水域の動物にとってはデメリットになってしまう」と指摘します。
 山室さんは今回の研究成果に結びついた要因に宍道湖ならではの汽水域の特性をあげます。
 「汽水域は塩分が変動する場所で浸透圧を調整できる動物しかすめません。宍道湖において二枚貝はシジミだけ。動物プランクトンは99%がキスイヒゲナガミジンコです。宍道湖ではネオニコチノイド農薬の耐性が弱い動物プランクトンとオオユスリカが一気にいなくなることでワカサギやウナギの餌がなくなってしまったと考えられます」
 山室さんは水田でのネオニコチノイド農薬の使用のモニタリングについて、次のように注意を促します。「晴れの日の通常のモニタリングでは検出される濃度は低いですが雨が降った時に水田にたまったネオニコチノイドが一気に流出し濃度が上がります」
欧州では規制
 ネオニコチノイド系農薬はミツバチの大量死の原因と疑われヨーロッパでは規制を強化する傾向にあります。ネオニコチノイド系農薬が河川や湖沼の生態系に与える影響について検証されたのは世界で初めてです。
 今後の研究について山室さんはこう話します。「今回の結果からネオニコチノイドに対してとても敏感な動物がいることが分かりました。宍道湖で起こっているようなことが海外の汽水域で起こっているとしたら、その影響が沿岸域の生物生態系にも及ぼしていると考えられます。オオユスリカなど淡水の動物が汽水に入ってきた時の耐性や汽水に生息する生物の耐性を調べる必要があります」
 研究結果の論文は11月1日、英文の科学誌『サイエンス』に掲載されました。
EU禁止後も残留・汚染
ミツバチに影響 フランス国立科学センターなど調査
 ネオニコチノイド系農薬はミツバチの大量死の原因と疑われ、ヨーロッパ連合(EU)では2013年から、ミツバチを引きつけやすいナタネなどの作物に限り3種類のネオニコチノイド系農薬の使用を暫定的に禁止しています。しかし、その後も3種類のネオニコチノイド系農薬がナタネの蜜にまで残り、ミツバチなどの生物に影響を与える汚染レベルであることが、フランス国立科学研究センターやフランス国立農学研究所などの研究グループの調査で明らかになりました。
 研究グループはネオニコチノイド系農薬が制限された後の14年から18年までの5年間、フランスの291カ所の農場で栽培されているナタネの蜜536サンプルからネオニコチノイド残留物を分析しました。
 その結果、3種類のネオニコチノイド系農薬が蜜から検出され、イミダクロプリドは分析した蜜の43%(調査した畑の約半分の範囲)で、毎年検出されました。
 イミダクロプリドが検出された蜜の大部分はイミダクロプリドの濃度が1ミリリットル中0・1から1ナノグラム(1ナノグラムは10億分の1グラム)でしたが、最大濃度が70ナノグラムに達する蜜もありました。
 蜜に含まれていたネオニコチノイド系農薬によるミツバチへの死亡リスクのピークは14年と16年にみられ、調査した農場の12%で死亡率が約50%に達するレベルとなっていました。
 研究の結果は環境学誌『サイエンス・オブ・ザ・トータル・エンバイロメント』(11月28日付)に発表しました。


  これから町内会の年末総会です。その後、忘年会。そんなに遅くまでいるつもりはありませんが、一応記事をアップしておきます。

 明日は雨の予報が出ています。変な天気です。


<働き方改革の死角>社員は消滅する

2019年12月15日 | 社会・経済

 東京新聞2019年12月14日 朝刊
 
 「わたしは、ダニエル・ブレイク」などで二度のカンヌ最高賞を受賞した英国の巨匠ケン・ローチ監督が新作で世界で進む「社員消滅」の現実に警鐘を鳴らしている。八十三歳の監督が、引退を撤回して告発するのは働き手を社員として雇うのではなく、個人事業主に置き換える潮流。雇用システムの世界的な変化の「落とし穴」だ。
 「もう社員は雇わない。個人事業主として契約する」-。十三日に公開した映画「家族を想うとき」はこんなシーンで始まる。
 中年男性がマイホームと家族の幸せを夢見て運送会社の採用面接に行く。「収入増の誘い」に応じた男性だが、個人事業主ならではの落とし穴に気付かず、家族も崩壊の危機に陥る-。
 二〇〇〇年ごろからパートや派遣など非正規社員の増加が問題になってきた。だが、いま企業は雇うことすらやめ社員を個人事業主に置き換え、リスクもコストも全て働き手に押しつけようとしている。日本でもウーバーイーツの配達員や一部の企業で加速する流れだ。カンヌ映画祭での会見でローチ監督は言った。
 「仕事をするのは家族を守るためのはず。仕事によって家族が崩壊するのは根本的に間違っている」
 (編集委員・久原穏)
◆個人事業主化、日本では政府主導 コストもリスクも押し付け
 ローチ監督の映画の主人公が直面した「個人事業主の落とし穴」はこうだ。
 面接担当者の誘い文句は「働き次第で稼ぎは増え、もうけは全部自分のものだ」。社員なら固定給だが、個人事業主になれば働いただけ収入増にはなる。
 だが、トラックは自前でガソリン代も駐車代も自己負担。運ぶ荷物の個数で報酬は決まるが、ノルマをこなせねば高い罰金。事故に遭っても治療費は自己負担。GPS付き専用端末で監視され、分刻みで追い立てられる。ノルマ達成のため男性は一日十四時間働くはめに。目の届かない長男が非行に走り家族は崩壊寸前に追い込まれる。映画は何人もの労働者の実体験を下敷きにした。
 ◇ 
 映画が描いた働き手の落とし穴は写し絵のように日本でも現実になっている。
 「兄が亡くなったのは長時間労働させた会社の責任だ」。十一月下旬、佐川急便から配送業務を請け負っていて亡くなった大阪市内の個人事業主男性の妹が、死因は過労死として訴えた裁判の初回口頭弁論が大阪地裁で開かれた。
 佐川は「雇用契約はなく、当社に責任はない」と主張した。配送業では社員でなく個人事業主に請け負わせる例が増えている。
 計測器メーカーのタニタは社員に一度退職してもらい、個人事業主として会社と契約を結び直す制度を一七年一月から導入。契約の切り替えは、強制ではなく本人の希望を聞き、社員の約一割にあたる三十六人が応じた。二一年新卒社員の採用からは、制度に賛同するかを問うという。同社は「能力とやる気を高めるため」と説明する。
 だが、日本労働弁護団の嶋崎量(しまさきちから)弁護士は「労働基準法による規制は当事者間で合意しても免れるものではない。違法行為となる可能性は濃厚」と指摘。「一社が法を守らずに利益を追求したら、しわ寄せは同業他社のみならず社会全体を蝕(むしば)む」と懸念する。
 今や世界的に進む個人事業主化の流れだが、日本は政府が旗を振って主導している。安倍政権が進める働き方改革は、柔軟で自由な働き方として個人事業主やフリーランスなどを推奨している。こうした「雇用によらない働き方」を増やす一方、さらにその先を示唆する報告書もまとめた。厚生労働省の懇談会がまとめた「働き方の未来 2035」は「社員ゼロ」の企業社会をこう描く。

 「二〇三五年の企業は、プロジェクトごとに人が入れ替わり、柔軟に企業の内外を移動する。企業組織が人を抱え込む『正社員』のようなスタイルは変化を迫られる」
 そこでは社員(労働者)は消滅、雇用関係を前提とする労働法制は不要となる。経営者らは経済取引の民事ルールを基礎にすればよくなるとまで展望した。
 労働問題に詳しい法政大の上西充子教授はこう警鐘を鳴らす。「歴史を振り返れば、労働法ができたのは、劣悪な労働条件で働かせれば社会の持続可能性が脅かされることが理解されたからだ。今、必要なのは労働法の縛りから経営者を解放することではなく、新たな法的な仕組みを整えることだ」 (編集委員・久原穏)


<ケン・ローチ監督> 1936年、英国生まれの映画監督。労働者階級や貧困、移民などの問題に焦点を当てた作品を数多く発表。2006年、「麦の穂をゆらす風」でカンヌ国際映画祭の最高賞、パルム・ドール賞を受賞。16年には「わたしは、ダニエル・ブレイク」で再び同賞受賞。その後、引退宣言したが、急速に広まる「雇用によらない働き方」に危機感を抱き引退を撤回。


どこまで働くものを食い物にするのか!
「経団連」の「要請」最優先。


「ブラック企業大賞」

2019年12月14日 | 社会・経済

「異常な事態が起こっている」。彼らが「ブラック企業大賞」を続ける理由
労災の認定や労働基準監督署の是正勧告を受けるなどした企業を対象に選んでおり、ノミネートのほとんどは有名企業。その点を指摘されたが…。
  ハフポスト日本版編集部2019年12月14日

 長時間労働やパワーハラスメントを従業員に強いている企業を選出し「表彰」することで、皮肉に取り上げる「ブラック企業大賞」。弁護士やジャーナリストらでつくる実行委員会が12月13日に会見し、2019年のノミネート9社を発表した。
 実行委ではこの賞で選定する「ブラック企業」の定義について以下のように定め、ノミネートの基準としている。
・労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を意図的・恣意的に従業員に強いている企業
・パワハラなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人そのうち、裁判や行政処分などで問題があると明らかになった企業
 
取り上げるのは有名企業ばかり?
 今年も9つの企業・自治体が選ばれた。その中心となっているのは有名企業だ。
 一方で、記者会見では「名の知れていない企業でも、ブラック企業のような行為はある。企業側から見ると、これでブラック企業と言われるのは心外というのもあると思うが、どう考えているか」と、一部の有名企業を取り上げることを疑問視する質問も上がった。
 弁護士らが参加し、基準を設けているとはいえ、一民間団体が名指しで企業を批判する取り組みではある。大手メディアでは記事として取り上げないところも多い。
 これに対して、実行委員の労働運動活動家で都留文科大学非常勤講師の河添誠さんは、力を込めてこう答えた。
「メディアも、あまたあるブラック企業的な事案をすべて記事にはしないですよね。やはり社会的な影響力のある大きなところを記事にするし、大きなところであればあるほど大きく扱う。なぜかというと、(大きな企業には)社会的な影響力と社会的な責任において、そのように(ブラック企業にならないよう)ふるまってもらわなければ困るわけです」
 
「何度も何度も指摘されながら…」
 今回のノミネート9社の中には、過去にブラック企業大賞で大賞になったことのある企業が3社も入っていることが特徴の一つだ。
2015年のセブン-イレブン・ジャパン、2016年の電通、2018年の三菱電機はいずれもすでに「大賞」に輝いたことがある。
 こうした企業を複数回取り上げることについて、河添さんは「たった8回しかやっていない中で複数回ノミネートされるというのは、それだけ異常な事態が起こっているということなんですよ」と、企業の労働環境に対する意識の低さを指摘。
 そして、「ブラック企業大賞」を続ける意義をこのように訴え、締めくくった。
「何度も何度も、過労死、過労自死、いじめ、パワハラの中で人が死んでいるような事案を労基署に指導され、労災で認定され、あるいは残業代・賃金が払われていないということで労基署から指摘されながら、それを直しもしない。そういうことを大企業がやっていると告発するのは当然のことだと考えています」

ブラック企業大賞2019、「吉本興業」「長崎市」などがノミネート企業に


 クリスマスの25日、元電通の社員、高橋まつりさんの命日だ。口だけの「反省」で、何ら変わってはいない。一番「ブラック」なのは「過労死」を生み出すような政府の「働き方改革」なのであろう。


グレタさん、COP25演説全文

2019年12月13日 | 自然・農業・環境問題

グレタさん「最大の脅威は行動を取らないこと」COP25演説全文
毎日新聞2019年12月11日

スペイン・マドリードで開催中の国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)で11日、スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん(16)が、地球温暖化による危機をテーマにしたイベントのパネリストとして参加した。グレタさんの演説した内容は次の通り。【信田真由美、大場あい】


真実を忘れてしまうから感情的な話はしない 
 こんにちは。1年半前、私は、必要ない限り話すことはしませんでした。でも、私は話す理由を見つけました。それ以来、私はたくさんのスピーチをし、公の場で話す時に注目を得るため、個人的なことや感情的な話から始めることを学びました。「私たちの家が燃えている」「私はあなたにパニックになってほしい」「よくもそんなことを!」などと言うのです。でも今日、私はそのようなことを言いません。皆がその言葉ばかりに注目し、真実を忘れてしまうからです。そもそも、私がこのようなことを言う理由は、私たちにはもう科学を忘れている時間がないからなのです。 
 1年ほど前から、私は「炭素予算」(気温上昇を一定のレベルに抑える場合に排出できる温室効果ガスの累積排出量の上限値)が急に減っていると何度も何度も訴えました。でも、いまだに無視されています。私は何度も言い続けます。昨年発行された、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書の108ページには、2018年1月1日からの二酸化炭素(CO2)排出量を420ギガトンに抑えると、67%の可能性で(産業革命前からの)世界の気温上昇を1.5度に抑えられると書かれています。もちろん、今その(420ギガトンという)数字はより小さくなっています。土地利用も含めて毎年私たちは42ギガトンのCO2を排出していますから。現在の排出量では、残りの炭素予算を8年間で使い切ってしまいます。この数字は誰かの意見でも、政治的見解でもありません。これは、現在の科学で得られる最良の数値なのです。 
 多くの研究者がこの数字は甘いと指摘していますが、これがIPCCによって示された数字です。この数字は、地球規模だということに留意してください。ですから、パリ協定を地球規模で機能させるために極めて重要な「公平性」については何も語られていないのです。つまり、豊かな国は公平性のために、排出ゼロを素早く達成し、貧しい国がそれを達成するのを手伝う必要があるのです。そうすれば、世界の豊かでないところに暮らしている人々は生活水準を上げることができます。この数字は、非線形の「フィードバックループ」(変化が変化を呼び相乗効果を生む現象)や「ティッピングポイント」(気候変動が急激に進む転換点)や大気汚染によるさらなる温暖化についてはほとんど含まれていません。しかしながら、多くのモデルは、現在は存在しない技術を用いて、数千億トンもの大気中のCO2を吸収することができるようになることを想定しています。おそらくそのような技術は決して出てこないでしょう。

 (1.5度以内の気温上昇に抑える可能性が)67%というのがIPCCによって示された最も高い割合です。今、私たちが排出できるCO2量は340ギガトンも残っていません。なぜ、1.5度以下に抑えることがそんなにも重要なのでしょうか。なぜなら、たった1度でも上がれば気象危機で人々が死んでいくのです。それは科学が叫んできたことだからです。氷河や北極永久凍土が溶けるなど、不可逆的な(被害の)連鎖を止めるチャンスを得られるよう、気候を安定化させることです。ほんのわずかな気温の上昇も問題なのです。 
 これが私のメッセージです。これが私があなたに注目してほしいことです。あなたはパニックを全く感じずにこの数字にどう反応するのですか。わずかな怒りすら感じずに基本的に何もなされていないという事実をどう思いますか。警鐘を鳴らさずに、あなたはこれをどのように伝えますか。私は本当に知りたいのです。パリ協定採択以降も世界の銀行は1.9兆ドルを化石燃料に投資してきました。世界の二酸化炭素(CO2)排出量のうち71%に対しての責任を負っているのは100の企業です。G20加盟国の排出量は全体の約80%を占めています。世界の人口の裕福な10%が世界の半分のCO2を排出しています。一方、貧しい50%の人々はたったの10分の1です。私たちは本当に行動する必要があります。でも、ある人たちは他の人たちよりももっとやらないといけない。 
2050年に実質排出ゼロなんて無意味 
 最近、ごくわずかな先進国が温室効果ガス排出量を減らし、何年もかけて実質排出ゼロにすることを約束しました。これは一見素晴らしいことのように見えるかもしれません。でも、目指すものはいいとしても、それはリーダーシップとは言えません。ミスリードです。なぜならこういった排出削減の約束の中に、国際航空や船舶、輸出入される製品・消費からの排出は含まれていません。でも、他の国で排出を相殺する可能性は含んでいます。これらの約束は、豊かな国がすぐに削減することを想定していません。本当は(温暖化の影響を抑えるために)ごくわずかな排出の猶予しかないのに。2050年に実質排出ゼロなんて無意味です。もし大量に排出する国が数年でも(大量)排出を続ければ、残された猶予なんてなくなってしまいます。全体像を見なければ、私たちはこの危機を解決することができません。包括的な解決策を見つけること、それがこのCOPでやらなければいけないすべてです。でも、その代わりに、各国が抜け穴について議論し、野心を引き上げることを回避する機会に変わってしまっているように見えます。 
 各国は取らなければいけない本当の行動に反する、賢いやり方を見つけてしまっています。例えば、排出削減量の二重計上や海外に排出量を移転すること。そして、野心を引き上げるという約束の話に戻ったり、解決策や(温暖化で起こってしまった)損失と被害に対する支払いを拒否したり。こういったことを止めなければいけません。私たちに必要なのは本当の徹底した排出削減です。でも、もちろん減らすだけでは十分ではありません。温室効果ガスの排出を止めなければなりません。気温上昇を1.5度未満に抑えるには、CO2を地中に閉じ込めておく必要があります。先送りして、耳に心地よい対策について話すことだけが進んでいます。私たちは良いことより害をもたらすようなことをしています。なぜなら、変化が必要なのに、まだ変化がどこにも見えないから。世界の指導者から何かを聞いているかもしれませんが、今必要な政治と言えるようなものは存在していません。そして、私は最大の脅威は行動を取らないことだと今でも思っています。本当の脅威は、政治家や最高経営責任者(CEO)たちが行動を取っているように見せかけていることです。実際は抜け目ない経理やクリエーティブなPR活動以外に何もしてないのに。 
 私は世界中を旅する幸運に恵まれてきました。私の経験では、(温暖化の危機への)認識が欠如しているのはどこでも同じです。少なくとも選挙によって選ばれるリーダーたちの間ではそうです。切迫感がまったくありません。私たちのリーダーは非常事態の時のような振る舞いをしていません。非常事態にあれば、人は行動を変えます。もし、子供が道路の真ん中で立ち尽くしていて、自動車が猛スピードで走ってきたら、あなたは目を背けることができないでしょう。だって、落ち着いていられないから。あなたは即座に飛び出して、その子を助けるでしょう。切迫感なしに、私たちはどうしたらいいのでしょう。人々は本当の危機に直面していることを理解しています。もし今進行している事態にまったく気づかなければ、権力者たちにプレッシャーをかけることはしないでしょう。人々からのプレッシャーがなければ、私たちのリーダーは何もせずに逃げてしまいます。それが現状で、繰り返されています。 
希望は人々から生み出される 
 3週間後に、私たちは新しい10年(2020年代)に突入します。私たちが「未来」と定義する10年です。今、私たちには希望の兆しさえ見えません。私は皆さんに言います。希望はあると。私はそれを見てきました。でも、それは政府や企業から来るものではありません。人々から生み出されるものです。今までは(危機に)気づいていなかったけれど、今気づき始めた人たちの中から生まれるのです。そして、一度気付けば、私たちは行動を変えられます。人々は変われます。人々は行動を変える準備ができていて、それこそが希望です。私たちには民主主義というものがあるのですから。そして民主主義は常に存在します。選挙の日だけでなく、あらゆる瞬間に。自由な世界を動かすのは世論です。実際、歴史を振り返ると、あらゆる偉大な変化は人々の間から起こりました。私たちには待っている時間はありません。私たちは今、変化を起こすことができます。私たち、それが「人々」です。ありがとうございました。

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一方、こちらの人の「注目すべき」演説は?

“進次郎節”で恥の上塗り COP25演説で2度目の「化石賞」
日刊ゲンダイDIGITAL 2019/12/12

進次郎氏が国際舞台で恥の上塗りだ。

 小泉環境相は11日、スペインの首都マドリードで開会中の国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)で演説。その中身のなさに、ほかの参加国や海外メディアなどから落胆や非難の声が上がり、環境NGOグループは皮肉を込めて日本に2度目の「化石賞」を贈った。

 小泉氏は、日本が国際的に批判を浴びている石炭火力発電について「COP25までに石炭政策については新たな展開を生むには至らなかった」と言い訳。具体的な取り組みには全く触れず、石炭火力発電所の建設計画に関する環境影響評価(アセスメント)の厳格化にも言及はなし。「私自身を含め、今以上の行動が必要と考える者が日本で増え続けている」と意味不明の“進次郎節”で目くらましだから、「日本以外に期待するしかない」(スペイン代表)との声が上がるのも当然だ。


 先ほど帰ってきました。札幌はほとんど雪はありませんでした。
バスで行ってきましたが、ラクチン。CO2削減のためにもなるべくマイカーをやめて公共交通機関を利用ですね。


言葉の海へ 第98回:この国で、いったい誰が幸せなのか?(鈴木耕)

2019年12月13日 | 社会・経済

  マガジン9 2019年12月4日
    https://maga9.jp/191204-3/

高齢者は悲しい
 ぼくのツイートを引用して「黙れパヨクジジイ! さっさとあの世へいけ!」というツイートがあった。何が気に障ったのか知らないが、ひどい人もいるものだと思っていたら、いつの間にか削除されていた。自分でも恥ずかしくなったのかしら?
 他人に言われるまでもなく、ぼくはジジイである。カミさんともども、もうじき後期高齢者の仲間入りをする。
 毎朝、新聞を見ていると、そんなぼくらに追い打ちをかけるような厳しい記事が多い。まるで「さっさとあの世へいけ」と、政府に言われているような気分になる。
 12月2日の朝日新聞に、こんな記事。
75歳以上の医療費 厚労省試算
2割負担なら8000億円削減
 政府が検討している医療制度改革で、75歳以上の受診時の窓口負担を「原則1割」から「原則2割」に引き上げた場合、公費や保険料でまかなう医療給付費を年約8000億円減らせると厚生労働省が試算していることがわかった。医療費を抑える効果があるが、75歳以上は収入が減るのに受診増などで窓口負担額が増える傾向が現状でもみられており、さらなる負担増は生活を圧迫しかねないとの指摘もある。(略) 
 1000円の医療費も、これまでは100円の自己負担だった高齢者は、もしこの試算通りになれば、これからは200円を払わなければならなくなる。つまり、負担は一挙に2倍になるということだ。
 百円単位ならまだしも、1万円の医療費は、支払窓口では、実質負担1000円から2000円に増えてしまうのだ。これは、年金も減らされつつある後期高齢者層にとっては死活問題になりかねない。ぼくら夫婦にとってだって、深刻な問題なのだ。
 年齢を重ねると、次第に収入は減っていく。同記事によれば、以下のようになる。
 1人あたりの平均年間収入は、国立社会保障・人口問題研究所の調べでは、
 ①70~74歳=203万円
 ②75~79歳=189万円
 ③80~84歳=169万円
 ④85歳以上 =163万円
 一方で、医療費の自己負担額は同じ年齢区分で、①約7万円、②約6万円、③約7万円、④約8万円、となっているという。とすれば、これまで7万円で済んでいた自己負担が、一挙に14万円になるということだ。
 これでは、高齢者の暮らしは年々苦しくなっていくばかりだ。一部のリッチな高齢者以外の圧倒的多数は、日々、怯えながら過ごしていくしかない。
 秋田と山口に配備予定とされるイージス・アショア(陸上配備型迎撃ミサイルシステム)の導入価格は、当初は1基あたり約800億円とされていたものが、いつの間にか2基で6000億円と膨れ上がっている。しかも搭載するミサイルの数もいまだ確定できておらず、それらを合わせると8000億円を超えると予想されている。
 後期高齢者の医療費負担の増加など、このイージス・アショアという膨大な武器購入を見送れば、簡単に補填できるのだ。他にも安倍氏の米製兵器爆買いやバラマキ援助費という「財源」もあるじゃないか。
 こう書くと“愛国同盟”のみなさんから「日本国防衛と老人医療費とどちらが大事か」という批判が飛んでくるだろうけれど、ぼくはやはり医療費をとる。
 ともあれ、老人にとっては極めて住みにくい世の中になってきつつある。
若者は生きづらい
 老人ばかりじゃない。いまの日本が若者にとっても息苦しい社会であることは間違いない。
 例えば、厚労省の「自殺白書」によれば、自殺者の総数は2017年も減少傾向を維持している(2万1321人)が、15歳~39歳までの死因の第1位は自殺だ。これは、いわゆる先進国の中では日本だけの現象だという。
 警察庁の調べでは、その中で未成年者の自殺は、全世代の2.9%に達している。しかもこの中で“いじめ”によるとみられる自殺(学校問題)が最多で、男性では実に4割にも達している。若者にとって、決して幸せな国とはいえないだろう。
 SNSの急速な普及もいじめに拍車をかけている。これは肉体的ないじめとは違い、人の心をズタズタにする精神破壊であり、しかもいじめる側に罪悪感が少ないこともあってエスカレートする傾向にある。
 SNS上でのいじめは、対面することなく相手を傷つけ、さらにそれを不特定多数に広げてしまうという特性を持つ。極端な場合は、まったく見ず知らずの人間を標的に、多数で盛り上がることを楽しむ。
 これは、やられる側に対抗手段がないだけに、カウンセリングもあまり役に立たないらしい。もはや「スマホを捨てるしか方法はない」と嘆く専門家もいるほどだという。
 追い打ちをかけるのが、教育改革という名の改悪である。萩生田光一文科相の「身の丈」発言に見られるように、現在の政府の本音は改革どころかむしろ教育格差の助長なのだ。
 一部エリートと現場労働者。つまり、正社員とアルバイトやパートの非正規雇用者たちという分断を生み出す教育。上司の言うことをおとなしく聞く人を作り出そうとするのが、まさに安倍政権が目論む「道徳教育」ではないか。なにしろ「教育勅語」を麗々しく事務所に掲げているという萩生田光一氏が文科相なのだから、それも当たり前か。
 一旦、非正規に組み込まれると、現在の日本の雇用制度では、正社員化は針の穴をくぐるような難しさだ。
 「それがイヤなら頑張って独自に起業すればいい」などと能天気なことを言う企業家や政治家もいるが、土台無理な話だ。
 少子化を嘆く政治家が、官僚のケツをひっぱたいて少子化対策案を立てさせるけれど、こんなに所得格差がある中で、子どもを産み育てる余裕がどこにあるか。貧困にあえぎ、親子心中せざるを得ない人がいる。そんな切ないニュースが伝えられるのが、この国の現実だ。
 「少子化対策」のいちばんの方法は、労働格差をなくし、できるだけ非正規労働者をなくし、「同一労働同一賃金制」を実現することではないか。企業側はむろんそんなことは無理だと言うに決まっているが、大企業の内部留保金はいまや425兆円にも達しているのだ。「やれない」と企業側が言うのは「やりたくない」という言葉の裏返しにすぎない。
 もっとも、アベノミクスの大失敗で売り上げが伸びない企業にとっては「いざという時の内部留保」の感もある。安倍政治のツケがここにも表れているといっていい。
 そしてふざけるな、と思わず怒鳴りたくなったのが「非正規という言葉を使うな」という指示を厚労省が出していた、という事実。これが明らかになったのが9月3日。その後、さすがに批判を恐れた厚労省は、この指示を撤回したが、なんでも隠蔽、言葉の言い換えが蔓延している安倍政権下での出来事である。安倍語がここまで蔓延している無惨…。
 頼りの労働組合すら、正社員優先で非正規雇用労働者に目が届かない。
 かくして、若者たちだけではなく、青年~中年の労働者たちの死因の第1位も自殺なのだ。いったい誰が幸せなのか?
ひきこもる中高年
 高齢者の苦しさを、さらに圧迫しているのが「8050問題」である。これは別名「中高年ひきこもり問題」ともいう。
 つまり、80歳代の親が、50歳代になってもひきこもりを続ける子どもを養っている、という現象である。
 内閣府が行った調査結果によれば、2019年3月現在、中高年のひきこもりは約61万3千人であるという恐るべき数字が示されている。これはやがて、極端な貧困問題へと発展する。
 年金暮らしの高齢者に寄生する中高年のひきこもり。親が死ねば、彼らは飢えるしかない。親の死を隠して年金を受給していた“詐欺事件”が報じられると、ぼくは涙ぐんでしまうのだ。
 親が死んで悲しくないわけがない。だが、葬儀代もない。親の死を届ければ、年金は止められ、明日から自分が飢える。どうしようもなく、死んだ親と同居していく。
 こんな悲しい話があるか。
 若者も、中年も、高齢者も、生きていくのが厳しい。
 こんな国で、いったい誰が幸せなんだろう?


 昨夜はものすごい吹雪。今朝はおさまっています。
これから札幌へ行ってきます。
バスで行きます。
久しぶりに街中も歩いてみたくなりました。
そんなわけで、帰ってからの更新は難しいので、今のうちです。


若者、COP25に集結、グレタ・トゥーンベリ「希望は政府や企業ではなく、市井の人々」&今年の漢字

2019年12月12日 | 自然・農業・環境問題

グレタ・トゥーンベリさんがスピーチで“How dare you?“を封印した理由。「人々は事実を覚えていない」
「私たちは待つ必要はありません。今すぐ変わり始められるのです。私たちがその“人々”です」


ハフポスト日本版編集部 2019年12月12日


スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさん(16)が日本時間の12月11日、スペインで開かれているCOP25のイベントに登壇し、「科学から目を背けている時間はない」などと呼びかけた。BBCなどが報じた。
トゥーンベリさんは9月の国連気候変動サミットで話題を呼んだ「How dare you?(よくもそんなことを)」などのフレーズを封印。一人一人が行動を起こし環境問題に取り組むことの大切をさを訴えた。


■「言葉ばかりが注目され...」
トゥーンベリさんはスウェーデン出身の環境活動家。2018年に、温暖化対策を取らない大人へのメッセージとしてスウェーデン議会の前に座り込む活動を開始。世界中の若者たちが参加する運動にまで発展した。
また、9月にニューヨークで開かれた国連気候変動サミットでは、「How dare you(よくもそんなことを)」などと大人たちに訴えかけるスピーチが話題を呼んだ。
今回、トゥーンベリさんが登壇したのは、スペイン・マドリードで開かれているCOP25の地球温暖化をテーマにしたイベント。前回注目されたフレーズについて「今日はこのようなフレーズは使いません。言葉ばかりが注目され、人々は事実を覚えていないからです」と切り出した。
その上で「私たちには、もはや科学から目を背けている時間はありません」と訴えた。
トゥーンベリさんは、世界全体の気温上昇を1.5度以内に抑えるためには、世界で排出できる温室効果ガスは420ギガトン以下しかないと指摘。豊かな国が率先して排出量の削減目標を達成し、比較的貧しい国を手伝うべきだと呼びかけた。
そして、厳しい指摘が、温暖化対策に本腰をあげない政治家や大人たちに向けられる。
「物事の全体像を見ない限り、この危機を乗り越えることはできません。包括的な解決策を見つけること、それがこのCOPでなすべきことの全てです。しかし、それが各国は“抜け穴”について議論し、(問題に取り組む)姿勢を強めることを回避するための場所に変わってしまっているように見えます」
「最大の脅威は、政治家やCEOたちが行動をとっているように見せかけていることです。実際は(お金の)計算や、クリエイティブなPR活動しかしていないのに」
■「今すぐ変われる」
トゥーンベリさんは、今の地球が置かれている状況を次のように喩えた。
「非常事態においては、人々はその振る舞いを変えます。もし子供が道路の真ん中に立っていて、猛スピードで車が突っ込んできたら、見過ごすことはできないはずです。それに耐えられないから。すぐに飛び出してその子を助けるでしょう」
そして希望は政府や企業ではなく、市井の人々が生み出すものだとしたうえで「私たちは待つ必要はありません。今すぐ変わり始められるのです。私たちがその“人々”です」と締めくくった。

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「将来にツケまわすな」訴える若者、COP25に集結
抗議行動の口火を切ったスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)が加わり、世界各地から若者たちが集結している。

  朝日新聞デジタル 2019年12月12日

 スペインのマドリードで開かれている第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)で、地球温暖化対策の強化を求める若者の動きが注目を集めている。抗議行動の口火を切ったスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)が加わり、世界各地から若者たちが集結している。「将来にツケを回すな」といますぐの行動を求める声に、大人たちはどう応えるのか。
 ――何を求めるのか?
 
 気候正義を!
 ――いつ求めているのか?
 今だ!
 マドリードの中心部で6日に開かれた若者主導のデモ行進には、主催者発表で「50万人」が参加した。ゴール地点でグレタさんが「権力者は責任を持たなければならないし、未来と現在の世代を守らなければならない」と訴えると、聴衆から大きな拍手がわいた。
 気候正義とは、途上国や将来世代が温暖化の被害にあうのを不公正ととらえ、原因をつくった先進国やこれまでの世代に責任ある行動を求める考え方だ。グテーレス国連事務総長は若者をテコに各国政府に対策強化を迫っている。COP25の開幕式では「彼らは今日正しい道筋をたどる必要があることを知っている。明日ではない」と演説した。
 若い世代の危機感は高まっている。コンサルティング会社デロイトがミレニアル(1983~94年生まれ)、ジェネレーションZ(95~02年生まれ)を対象に行った意識調査では、気候変動や自然災害がテロや失業を抑えて「最も心配すること」のトップだった。
(朝日新聞デジタル 2019年12月12日


    今年の「漢字」が発表された。「令」
どうでもいいわ!

わたしにとっては何だろうか?
社会・経済・政治を見ると暗い漢字しか浮かばない。
わたし個人にとっては、「再」を選びたい。
再起の「再」です。
2015.16年のどん底から這い上がってきた年でした。

でも、今年を象徴する漢字はやっぱり、「桜」でしょう。


温暖化への決意、国や自治体でも「気候非常事態宣言」 世界で1000以上

2019年12月11日 | 自然・農業・環境問題

  東京新聞 2019年12月11日  

   気候変動の現状に危機感を示し、地球温暖化対策に取り組む決意を表明する「気候非常事態宣言」をする自治体が国内でも出てきた。宣言は世界で千以上の国や自治体に広がっており、日本では長崎県壱岐市が九月に発表。十二月も長野県と同県白馬村が続いた。台風19号などの災害が相次いだことや、スウェーデンの少女グレタ・トゥンベリさん(16)に刺激を受けた若者の行動も後押ししている。

 「雄大な自然の恵みを受けてきた村だからこそ、行動を起こさなければいけない」。四日、ウインタースポーツの拠点で有名な白馬村。下川正剛村長が、村議会で宣言文を読み上げ、二〇五〇年に再生可能エネルギー自給率100%を目指すことや、温室効果ガスの排出抑制に取り組むことを約束した。

「パウダースノーを守りたいという一文が宣言にあって、私たちの思いが伝わったと感じた」と笑顔を見せるのは、白馬高校二年の宮坂雛乃さん(17)。持続可能な開発目標(SDGs)の勉強会に参加したのがきっかけで、同級生の金子菜緒さん(16)、手塚慧介さん(17)と行動を開始。宣言を出すよう村に求める街頭活動や、気候難民支援のチャリティーバザーを企画してきた。

 暖冬の年が増え、先輩から「最近は雪が減った」と聞く。「スキーも白馬村の雪も好き」と金子さん。手塚さんは「楽しみながら続けるのが大事」と力みなく話す。

 長崎県壱岐市SDGs未来課の小川和伸課長は「大雨による農地被害や、藻場の減少で漁獲量が半減するなど温暖化の影響を感じており、市長に危機感があった」と説明。認定NPO法人環境経営学会の提案を受け、宣言に至ったという。

 台風19号で被災した長野県は今月六日に宣言を行い、都道府県の第一号に。福岡県大木町も準備を進めているという。十一月末には宣言を出すよう東京都に求める若者ら約六百人が都庁周辺を行進した。


 環境経営学会の中村晴永理事は「自治体が宣言を出すことで、住民に呼び掛け、危機感を共有できる。日本でも広がりつつあるのは非常に良いことだ」と話した。

(東京新聞)

東京都に気候非常事態宣言を出すよう求め、都庁周辺を行進する若者ら=11月、東京都新宿区で
 東京都に気候非常事態宣言を出すよう求め、都庁周辺を行進する若者ら=11月、東京都新宿区で

日本は、早々と名誉ある「化石賞」を頂戴いたしました。
政府が極め付けの後退姿勢を示す以上、自治体や民間が「宣言」することは極めて有意義なことです。
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COP25inマドリード さよなら石炭火発

日本政府名指し「コール」

「しんぶん赤旗」2019127

 【マドリード=小梶花恵】スペイン・マドリード市で開催中の国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の会場入り口前で5日、途上国や日本のNGOが日本政府を名指しし、「さよならコール(石炭)」の声を響かせました。

 日本政府はバングラデシュのマタバリ島やインドネシアなど途上国の石炭火力発電所建設に融資しています。

 この行動では、安倍晋三首相の面をかぶったメンバーに向かって、二酸化炭素の排出が多い石炭火力発電をやめるよう訴える場面もありました。バングラデシュのハサン・メヘディさんは「マタバリ島の6700人以上が発電所のために立ち退きを迫られているが、ほとんどの人は日本政府からの補償がない」と指摘。「温暖化で国土が沈み漁民は漁ができない。これが日本の石炭がもたらすものだ。私たちは日本政府に石炭火力発電をやめるよう強く求める」と訴えました。

 インドネシアのムハンマド・レザさんは「日本の石炭火力で土壌が汚染し、住民は皮膚病などの健康被害を受けている。汚染を輸出するのをやめなければならない」と訴えました。

 

 

COP25inマドリード 石炭火力発電企業に融資

  日本3銀行 上位独占

  「しんぶん赤旗」2019127日【社会】

年金も投資

 【マドリード=遠藤誠二】ドイツの環境NGO(非政府組織)「ウルゲワルド」とオランダの同NGO「バンクトラック」は5日、国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が開かれているスペインのマドリードで、2017年1月から今年第3四半期までに、世界の民間銀行が石炭火力発電企業に1590億ドル(約17兆1700億円)融資し、うち日本の銀行が融資額で上位3位を独占したとする調査結果を発表しました。

 融資銀行のトップ3は1位が、みずほフィナンシャルグループ(FG)(168億ドル=1兆8100億円)、2位が三菱UFJ・FG(146億ドル)、3位が三井住友銀行(79億ドル)。日本の銀行は全体の融資額の32%を占めます。

 調査結果は今年、石炭火力発電企業に1922の機関投資家が2760億ドル投資したと発表。投資額1位は米国の資産運用会社ブラックロックの176億ドル。2位は日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の174億ドルで、国民の年金が地球温暖化促進のために使われている形です。上位10位のうち日本の投資家は4者。投資額全体に占める割合は米国の29%が1位で、日本は23%の2位。

 ウルゲワルドのシュウキング代表は5日、「国連事務総長や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、世界中の気候科学者らが石炭火力発電の迅速な廃止を呼びかけているが金融機関は聞く耳も持たず、この3年間で総額7450億ドル(約80兆円)ものばく大なお金を新たな石炭火力発電所のために投融資しました」とコメントを発表。日本企業に対して「電源開発や関西電力などの電力会社だけでなく、丸紅、三菱商事、住友商事などによってオーストラリアからバングラデシュまで新しい石炭火力発電所が開発されているのを見るのは遺憾です」と述べています。


「香港に自由を」80万人が幹線道路埋める 警察が許可、暴力目立たず

2019年12月09日 | 社会・経済

毎日新聞 2019/12/09 

   香港で8日、政府に抗議する大規模なデモ行進があり、約80万人(主催団体発表)の市民が幹線道路を埋め尽くした。民主派は11月24日の区議選に圧勝したことで勢いづいている。市民は「政府に対する『5大要求』は一つも欠けてはならない」「香港に自由を」などと訴えた。

 9日でデモ本格化から半年の節目となることを踏まえ、100万人規模のデモを何度も開催してきた市民団体「民間人権陣線」(CHRF)が企画。デモ隊は中心部のビクトリア公園を出発し、金融街・中環(セントラル)に向けて幹線道路を行進した。警察がデモを許可したため、家族連れやお年寄り、カップルなど幅広い層の市民がデモに加わった。

5大要求は、警察の暴力的な取り締まりの是非を検証する独立調査委員会の設置や、普通選挙の実現など。妻、小学生の長男と九竜半島から駆けつけた会社員の王さん(40)は「政府が独立調査委を設置するまでデモは続けるべきだ」と力を込めた。

 CHRFが申請したデモが認められたのは7月21日以来。警察はこれまで「暴力行為が起きる恐れがある」としてデモ申請を不許可としてきたが、区議選の結果を受け、軟化した可能性がある。

 警察は8日、5000人態勢で警戒し、高圧放水車を待機させたが、高等法院(高裁)付近などに火炎瓶が投げ込まれた以外に目立った暴力行為はなく、警察は催涙弾を撃たなかった。【香港・福岡静哉】


 久しぶりに太陽が出てきました。午前中は江部乙の家で本の整理。昼寝して、庭木の整枝。明日は、日中プラス気温になるようです。


高齢者にリスク高い薬、80代処方ピーク 睡眠・抗不安

2019年12月08日 | 健康・病気

朝日新聞DIGITAR 12/7(土) 

  のみ続けると転倒や骨折、認知機能の低下を招きやすいとして、高齢者はできるだけ使用を控えるべきだとされている睡眠薬や抗不安薬が65歳以上に多く処方され、ピークは80代だった。厚生労働省のデータをもとに朝日新聞が解析し、高齢者にリスクの高い薬が多用されている実態が浮かんだ。

 睡眠薬や抗不安薬は、中枢神経の興奮を抑えるなどの作用があり、眠気をもたらしたり不安感を少なくしたりする。ただ、高齢者がデパスやハルシオンなどの「ベンゾジアゼピン(ベンゾ)系」といったタイプを使うと、転倒や認知機能障害が起こりやすくなるという研究が数多くある。やめられなくなる依存も起こしやすく、死亡リスクが上がるという報告もある。

 高齢になると、薬を分解して排泄(はいせつ)する能力が低くなることから、薬が効きすぎたり、副作用が強く出たりしやすい。日本老年医学会の高齢者の薬についての指針「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」は、これらの薬について「使用するべきでない」「可能な限り使用を控える」と求めている。第三者機関の医療事故調査・支援センターは6月、ベンゾ系の薬をのんでいた高齢者が入院中に転倒し、頭を強打して死亡した複数の事例を示し、慎重に扱うよう提言している。

 厚労省は3年前から、医師が診療報酬を請求するのに使う明細書(レセプト)の情報をもとに、処方量の多い薬を性別・年齢層別にまとめ、NDBオープンデータとして公表している。データ作りに携わった吉村健佑・千葉大特任教授(医療政策学)の協力を得て、2017年度に外来処方されたベンゾ系の睡眠薬・抗不安薬について集計。人口千人あたりの処方数を、総務省の統計をもとに年齢層別に出した。

 ベンゾ系の睡眠薬・抗不安薬のうち、性別と年齢層が判別できる約39億8千万錠を解析。53%の約21億錠が65歳以上に、33%の約13億1千万錠が75歳以上に処方されていた。

 男女別では女性が多く、千人あたりの処方量は、女性では80~84歳が約9万7千錠でピークに。この年代は年に平均100錠近くのんでいる計算になる。続いて85~89歳、75~79歳と続いた。男性は85~89歳が約6万2千錠と最多だった。


今日一日吹雪模様。先ほどようやく風も雪も止んだようです。
これから、また雪かきをしてきます。


温暖化対策「もう待てない」 グレタさんら若者デモ COP25

2019年12月07日 | 社会・経済

東京新聞 2019年12月7日 夕刊

 今日は記事を貼り付けると消えてしまう。何度繰り返しても消えてしまう。PCの再起動してもダメ。仕方がないので少しづつ貼り付けてみるとうまくいった。前にも文書が正しく打ち込まれないと書いたことがあるが、これはgooブログの欠陥のようだ。この茶色文字はいつも最後に書いているのだが、カーソルが最後に合わせられなくて、仕方なく、先頭に持ってきた。

 

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 【マドリード=竹田佳彦】国連気候変動枠組み条約第二十五回締約国会議(COP25)が開かれているスペインの首都マドリードで六日夜、若者らが温暖化対策の早急な強化を求める大規模なデモを行った。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)も駆け付け、各国首脳に行動を起こすよう求めた。

 直前に記者会見を開いたグレタさんは「権力者たちが行動を起こすことを心から望む。気候の緊急事態で人々が死んでいく中、私たちはもう待つことはできない」と訴えた。

 デモには数万人が参加したとみられ、中心部の目抜き通り約五キロを約二時間かけて歩いた。仏西部ブルターニュ地方から参加した学生ジャンヌ・リベさん(19)は「グレタを見て、自分たちが当事者となっている問題だと意識した」と話し、活動の継続に意欲を示した。

 グレタさんは当初、先頭を歩いたが、多数の支持者や報道陣に囲まれ混乱を避けるため途中で離脱。その後は電気自動車(EV)で移動した。

 開催中のCOP25では、各国がどこまで温室効果ガスの排出削減を示せるかが焦点。排出量の国際取引の仕組みで合意できるかにも関心が集まる。グレタさんは二〇一八年に、学校を休んで政府に気候変動対策を訴えるデモ「未来のための金曜日(FFF)」を一人で始めたことで知られる。

6日、COP25が開かれているマドリードで、若者らが地球温暖化対策の強化を求めた大規模デモ=AP・共同

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「こもりびと」(ひきこもり)

2019年12月06日 | うつ・ひきこもり

「引きこもり」を「こもりびと」に言い換えたら支援窓口に相談殺到のワケ

  池上正樹:ジャーナリスト

 DIAMONDonline 2019.11.28


引きこもり」はイメージが悪い

温かみのある名前に変えた大和市

 「引きこもり」という名称を巡っては、名詞形のレッテルで偏見につながるとの批判から、他のイメージのいい名称に変えたいという議論が以前からあった。

 そんな中、神奈川県大和市は、2019年10月から、「ひきこもり」を「こもりびと」というネーミングに変えて相談窓口を開設したところ、1カ月で28人の相談があったという。

その内訳は、本人が11人、親が13人、兄弟姉妹や親族などが4人。引きこもる本人の年齢は、40代以上が21人、10年以上の長期者も10人に上った。1カ月の延べ件数では、窓口に来訪した人は22件、電話での相談は17件だった。

 相談者からは「こういう窓口があって良かった」「話を聞いてくれるだけでもうれしい」 などと評判も上々だ。

 市では。せっかくつながった相談者を生活困窮者自立支援窓口や精神保健福祉センター、サポステなどの就労支援、介護などを行う地域包括支援センターといったメニューも用意し、本人の希望に寄り添って様々な支援につなげている。

 きっかけは、5月末の川崎の通り魔事件からの一連の事件以降、報道による関心の高まりを受け、議会で「引きこもり」に関する質問が相次いだこと。内閣府が3月末に公表した実態調査の結果、全国で推計61万3000人の中高年者が「ひきこもり状態」にあると推計されたこともあり、当事者やその家族が抱える課題に対応する必要もあった。

しかし、「引きこもり」という名称だとマイナスのイメージに捉える人もいる。そこで、1人の人として寄り添いたいとの思いから、より温かみのある「こもりびと」という呼称を大木哲市長が命名。「大人のひきこもり」の相談窓口として「こもりびと支援」窓口を開設したという。

対象は、国の定義する「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6カ月以上続けて自宅にひきこもっている状態」に準じて対応している。

 窓口には、「こもりびとコーディネーター」として専任の職員1人を増員。当事者やその家族の相談に応じるとともに、事例により担当課や関係機関への同行など、相談者に寄り添った支援を行っている。

 これはもともと潜在的なニーズに応える施策であったため、どの程度反響があるのか未知数だったものの、開設直後から多くの相談が寄せられている。

きっかけは川崎事件

当事者や家族に居場所を

 市では当初「大人のひきこもり」を想定していたものの、現在は対象者が若年者であっても、年齢にかかわらず、窓口で対応。教育委員会と連携することもあるという。

「今後は、当事者や家族の居場所も含め、ヨコの連携を構築していきたい」(健康福祉部 健康福祉総務課 山中崇史さん)

一方、3年前、駅近くに誕生した図書館や文化ホールなどの複合施設「シリウス」は、延べ来館者が900万人を超え、市民の居場所になっている。そこで、外出できないと言っていた当事者にシリウスを紹介したところ、実際に「行ってみた」という反応もあったという。

 長年「引きこもり」に代わる名称がなかなか見つからなかっただけに、大和市はなかなか上手いネーミングを付けたものだと思う。


 わたしも勝手、当事者らしき人から「抗議」のコメントをいただいたことがある。たしかに「ひきこもり」という呼び方には違和感があったのだが、それに代わる言葉が思い浮かばなかった。これならいいかも・・・?

 さて、「腰痛」持ちはフォロワーさんにもたくさんいる。
ちょっと気になる記事が
あったのでご紹介いたします。
以前にもパクチー
のことで紹介したことのある
「猫と私の自然療法養生記」https://neko-tenshi.com/
「腰痛ぎっくり腰は胃腸と怒りが原因!副作用のない安全手当て
  2019.12.6更新
氣になる方はご覧になってください。

昨日の朝。(昨日のブログにUPするのを忘れた)

30cm以上ありました。
以下は今日の江部乙です。



中村氏『100の診療所より1本の用水路』を!

2019年12月05日 | 社会・経済

中村哲医師、銃撃されたアフガニスタンで願っていたこと。遺した言葉から生涯を振り返る

この仕事が新たな世界に通ずることを祈り、真っ白に砕け散るクナール河の、はつらつたる清流を胸に、来たる年も力を尽くしたい、と語っていた

ハフポスト日本版編集部 2019年12月05日

    長年にわたりアフガニスタンで医療や灌漑(かんがい)整備などを支援していた「ペシャワール会」現地代表で医師の中村哲さんが12月4日、アフガニスタンで車で移動中に銃撃された。中村さんと、アフガン人運転手や護衛ら計6人が死亡した。

   地元の人が何を求めているのか、そのためにできることを、現地に根を下ろして理解し、現地の人の目線で支援を続けてきた。現地の人々から受け入れられ、その信頼に守られながらの活動だった。

■医師がなぜ井戸を

中村さんの合言葉は『100の診療所より1本の用水路』だった。

   活動のそもそものきっかけは、1978年、医師として同行したネパールへの山岳会の遠征隊。虫好きだった中村さんが蝶に惹かれて参加したのだった。ところが、医師がいると知った現地の人が中村さんを頼りにした。蝶が誘った縁だった。中村さんは1983年にペシャワール会を設立。パキスタンやアフガニスタンで無償で医療援助を始めた。ところが、2000年に活動の転換を迫られる。この地域を襲った大かんばつを目の当たりにし、「まずは食べられるようにすること」の必要性を感じた。中村さんは医師として治療に関わるかたわら、命をつなぐ「水」を確保しようと取り組み始めた。

   そこで参考にしたのは、資金も道具も限られていた江戸時代の治水技術。自ら工具を握って土を堀り、農地を作った。伝統的な工法は、現地の人が自力で管理できる利点もあった。

   中村さんは生前、朝日新聞のインタビューに次のように答えている。「道路も通信網も、学校も女性の権利拡大も、大切な支援でしょう。でもその前に、まずは食うことです。彼らの唯一にして最大の望みは『故郷で家族と毎日3度のメシを食べる』です。国民の8割が農民です。農業が復活すれば外国軍や武装勢力に兵士として雇われる必要もなく、平和が戻る。『衣食足りて礼節を知る』です」水がもたらす豊かさが人々の平穏を導き、ひいては大きな意味の平和に繋がると説いた。

■治安悪化の中でも活動「敵味方を超えて」

   中村さんは、自身が率いるNGO「ペシャワール会」の会報(2019年9月)にこんな言葉を寄せていた。

「全ての者が和し、よく生きるためにこそ人権があるとすれば、男女差を超え、善人や悪人、敵味方さえ超え、人に与えられた恵みと倫理の普遍性を、我々は訴え続ける。」治安が悪化するアフガニスタンで、護衛を置くなどして警戒しながら活動にあたる気概を表していた。

   事件当日の4日、中村さんは灌漑事業の現場に向かうため、車で移動途中だった。ペシャワール会は同日の会見で、移動中が一番危険なため、同じ道を通らないように気をつけたり、警備員を付けたりしていたことを明らかにしている。

    現地での活動を中村さんは著作やペシャワール会報で発信していた。

 現地での活動を著作やペシャワール会報で発信していた中村さん。著書『カラー版 アフガニスタンで考える』の出版元・岩波書店はTwitterで追悼した上で、中村さんの言葉を紹介している。

岩波書店

@Iwanamishoten

 医師の中村哲さんがアフガニスタンで銃撃を受け,お亡くなりになりました.謹んでお悔やみ申し上げます.中村さんはどのような思いで難民支援の医療活動や灌漑事業を続けてこられたのでしょうか.『カラー版 アフガニスタンで考える』より一部をご紹介させていただきます.(続く)

「アフガニスタンで事業をおこなうことによって、少なくとも私は世界中を席巻している迷信から自由でいられるのです。一つには、お金さえあれば、幸せになれる、経済さえ豊かであれば幸せになれる、というものです」「もう一つは、武力があれば、軍事力があれば自分の身を守れるという迷信です。武力が安全をもたらすものかどうか、丸腰でおこなう用水路建設での私たちの経験が教えてくれます。このような実体験によって、私たちは幸いにも、この強力な迷信から自由です」と中村さんは『カラー版 アフガニスタンで考える』(岩波書店 Twitterより)で語っていた。

中村さんは2019年4日付のペシャワール会報にこう綴っていたという。

「この仕事が新たな世界に通ずることを祈り、真っ白に砕け散るクナール河の、はつらつたる清流を胸に、来たる年も力を尽くしたいと思います」


 上から目線による「支援」ではない。「金」をばらまいてくる「援助」でもない。
 
「地元の人が何を求めているのか、そのためにできることを、現地に根を下ろして理解し、現地の人の目線で支援を続けてきた。現地の人々から受け入れられ、その信頼に守られながらの活動だった。」

世界には多くの「難民」であふれている。
彼らが戻れる場所を整備することに力を注がなければならない。
農業の「復興」を!自国にも、他国にも。

謹んでお悔やみ申し上げます。


雨宮処凛 生きづらい女子たちへ88 「#KuToo」が新語・流行語大賞ベストテン入りした2019年を振り返る

2019年12月04日 | 社会・経済

#KuToo」が新語・流行語大賞ベストテン入りした2019年を振り返る

雨宮処凛 生きづらい女子たちへ88

Imidas連載コラム2019/12/04

 

 

今回は、本連載『生きづらい女子たちへ』において2019年に更新される最後のエッセーとなる。ということで、19年を振り返ってみたい。

 のちに「令和」と名付けられるこの年は、『週刊SPA! 』(扶桑社)の「ヤレる女子大生ランキング」の炎上とともに幕を開けた。「ギャラ飲み」と称される場で、持ち帰れる女子大生のランキング。おっさん雑誌なんかでよくあるこの手の企画がきっちり炎上したこと、それに声を上げたのが女子大生であったこと、名前を出された5大学が抗議声明を出したこと、そして編集部がすぐに謝罪したことが、「世の中は確実に変わっているのだ」という実感をもたらした。

 そんな19年に起きた「#MeToo」やジェンダー絡みのトピックをざっと振り返ろう。

 年明け早々の出来事として思い出すのは、NGT48のメンバーがファン男性による暴行を告白したこと。純烈のメンバーが過去のDV報道によって脱退、芸能界引退を発表したことなど。

 2月には、麻生太郎副総理の「いかにも年寄りが悪いという変な野郎がいっぱいいるけど、間違っていますよ。子どもを産まなかった方が問題なんだから」発言があり、5月には、桜田義孝前オリンピック・パラリンピック担当大臣の「結婚しなくていいという女の人が増えている」「お子さん、お孫さんには子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」発言があり、どちらも大きな批判を浴びた。また9月には、人気お笑いコンビのメンバーが過去に売春斡旋で逮捕されていたことが報じられた。

  その中でも印象深いこと。それは、令和元年は「コンビニからエロ本が消えた」年でもあるということだ。

 それだけはでない。私の胸をもっとも熱くしたのは、全国各地で「フラワーデモ」が始まったことである。きっかけは193月、性暴力をめぐる裁判で無罪判決が4件続いたこと。うち2件は、実の父親による未成年の娘への性暴力だった。それに対して、「著しく抵抗が困難だったわけではない」などの理由から「無罪」判決が下されたのだ。

 いくらなんでもこれはおかしいのでは。作家の北原みのりさんたちが「東京駅に集まろう」と呼びかけ、指定したのが411日。まだ肌寒い中、午後7時から9時にわたって開催された初のフラワーデモには約400人が集まり、奇跡のような空間が出現した。主催者のスピーチのあと、トラメガ(トランジスターメガホン)のマイクが開放されると参加者が次々とマイクを握り、自分の被害を話し始めたのだ。

 話す人も、それを聞く人も泣いていた。声を、肩を震わせ、初対面の女性同士があちこちで抱き合っていた。多くが一人で参加していて、主催者の呼びかけに応じて花を手にしていた。

「裁判官に人権教育と性教育を!」

「おしえて! 性犯罪者と裁判長はどう拒否したらヤダって理解できるの?」

#MeToo

 みんなが手にするプラカードに、そんな言葉が躍っていた。

 子どもの頃、強制わいせつの被害に遭ったという女性がマイクを握り、言った。

「幼馴染みだった友人は、家庭内暴力の末に性虐待の被害にも遭って、24歳で自殺しました。助けてくれる大人はいませんでした。今日、たくさんの人が、花を持って集まってくれた。その花をどうか、生きられなかった私の友だちや誰かの友だちに、たむけてあげてください」

 私の視界も涙で歪んだ。そんなフラワーデモはあっという間に全国各地に広がり、毎月11日、開催されるようになった。1111日、8回目となるフワラーデモは札幌、青森、岩手、富山、東京、千葉、群馬、名古屋、岐阜、静岡、沼津、長野、松本、京都、大阪、茨木、神戸、奈良、兵庫、愛媛、広島、福岡、佐賀、熊本、鹿児島、沖縄、バルセロナ(スペイン)の27都市で開催された。

 ここまでの広がりを見せたのは、多くの人が「安心して被害を語れる場」「安心して性差別などの問題を話せる場」を求めていたからなのだろう。そんなフラワーデモでは、男性が被害を語ることもある。

 これまで被害を口にしても、多くの人が「あなたにも隙があったのでは」「あなたの服装や態度に問題があったのでは」という心ない言葉に晒されてきた。時に信頼していた友人や母親の口から発されるそんな言葉に、「やっぱり自分が悪いんだ」とどれほどの女性たちが打ちのめされてきただろう。セカンドレイプの心配なく話せる場。それがどれほど必要とされていたのか、フワラーデモに行くようになって改めて思い知った。

  そんな19年、盛り上がりを見せたのは「#KuToo」である。靴と苦痛をかけた言葉で、クートゥー。グラビア女優の石川優実さんが始めたムーブメントだ。一言でいうと「職場でのハイヒール、パンプス義務付けはおかしい」という運動である。

 これが大きな反響を呼んだことは多くの人が知る通りだ。6月、石川さんが厚生労働省に提出した署名は18856筆にものぼり、大きく報道された。

「なぜ、女性だけが仕事をする上でヒール、パンプスを強制されるのか」

 おそらくみんなが思っていたけれど「それが慣習」とされていたことに巨石が投じられたのだ。そんな石川さんは海外メディアにも注目され、BBC(英国放送協会)「今年の100人の女性(100 Women 2019)」の一人に選出されてもいる。

「たかがヒールごときで」と言う人もいるかもしれない。しかし、私は「#KuToo」によって「ヒールの呪い」から解放された一人だ。といってもフリーランスの物書きである私は「職場でヒール、パンプスを義務付けられている」わけではもちろんない。が、今までずっと、心のどこかで「女たるもの、常にヒールのある靴を履かなければならない」と思い込んでいた。

 そこには、今までの人生で刷り込まれた「呪いの言葉」が作用している。例えば、過去の友人(男性)の中には、とにかく通りすがりの女性にいちいち点数を付けないと気が済まない男がいて、そいつの一番厳しい目線は常に「靴」に向けられていた。

「ラフな格好でもいいけど、靴くらいちゃんとしろよ」

「あーあ、あんな楽そうな靴履いて」

「女なんだからヒールくらい履けよ」

 ただすれ違った、視界に入った、というだけの女性に、その男は「評価」を下す。そいつによると、ヒールのない靴を履く女は「女をサボって」いて、女として「終わってる」ということらしかった。あまりにもひどい決め付けで、「じゃあいつも小汚いスニーカーのお前はなんなの?」と突っ込みたくなるが、その手の呪いを刷り込ませたのはそいつだけではない。

 思い出すのは20歳頃のこと。ガラガラに空いた夜の上り電車の中で、目の前に座ったサラリーマン風の酔っ払いオッサン2人にしつこく足元をジャッジされたのだ。オッサンは、私の近くに座るハイヒールの女性の足元を絶賛し、ぺたんこのブーツを履いた私をボロクソにけなすのだった。私たちの目の前で。

なんで生きてるだけで、見知らぬ酔っ払いにダメ出しされなきゃいけないんだろう……。しかも、たかが靴の形状で。が、以来、私はヒールのある靴しか履けなくなった。「靴ごときで」ダメ出しされないための自衛として。20歳頃の私にとって、それが「デリカシーのかけらもない酔っ払い」であっても、男性からのダメ出しは、心をえぐるものだった。

が、そんな私も40代。加齢とともにヒールもきつくなってきた。

 もともと私は10代で外反母趾に苦しんだという経歴を持っている。原因は、高校時代の熱烈なバンギャ活動にあった。安物のピンヒールなんかで「追っかけ」をしていたのである。大好きなヴィジュアル系バンドのメンバーの乗った車を、全速力で走って追いかけるなどの活動をライフワークとしていたのだ。今思えば、時速80キロとかで走る車になぜ「走る」ことで追い付けると思ったのか、走ることが分かりきっているのになぜピンヒールだったのか、すべてが謎だが、若さとバカさが混同した10代のバンギャには何を言っても意味がない。

 が、ある日、そんな私の足に激痛が走った。ライブ中もピンヒールで立ちっぱなし、その後追っかけという日々だったのだから激痛が走るのは時間の問題だった。足の親指付け根の痛みは日を追うごとにひどくなり、母親に「それは間違いなく外反母趾だ、そんな靴を履いていたら当然だ」と言われ、私はヒールを手放した。一時期はヒールを見たり、「ハイヒール」という言葉を聞いたりするだけで足に独特の痛みが走るほどだった。今も、あの冷や汗が滲むほどの痛みはリアルに覚えている。

 それ以来、私はあまり高いヒールは履いていない。しかし、まったくぺたんこの靴を履く勇気も持てないでいた。でも、ヒールって疲れる……。

 そんな時に始まった「#KuToo」。これにかこつけて、私もヒールをやめてみた。

もちろん履きたい時は履くけれど、無理して履いていた無理をやめたのだ。そうしたら、なんと快適なことだろう。私はよくデモに行くのだが、デモのあと、必ず攣(つ)っていた足が攣らない。今年の初め、生まれて初めてぎっくり腰になって以来、ずっと腰が不調だったのがみるみるよくなった。仕事上、ずっと靴を履いている必要などない私でさえそうなのだ。これで18時間立ちっぱなしだったり移動しっぱなしの人だったら、どれほど身体への負担が減るだろう。健康被害につながるようなヒール、パンプスの着用が、今まで強制されていたことがおかしすぎるのだ。

#KuToo」を受けてだろう、「女性だけメガネ禁止」というような職場ルールに疑問の声を上げる動きも出てきた。そんな動きを見守っていたのだが、最近、大きな前進があった。

 1119日、加藤勝信厚生労働大臣が、女性だけメガネ禁止・パンプス強制はハラスメントであると答弁したのだ。福島みずほ議員の質問に答えて、参議院の厚労委員会での発言だった。

「男女雇用機会均等法の趣旨に照らせば、同じ職務に従事して、同じ状況で、同じ仕事をして、少なくとも男女において、男性はよくて女性はダメだというのは、これは趣旨に合っていないと思います」

 これはメガネについての発言だが、女性のみヒールのない靴がダメ、というのも同じく均等法上NGだろう。

このように、今、「みんながおかしいと思ってたけど誰も声を上げなかったこと」について、声を上げると事態がどんどん動くということが起きている。明らかに合理性も整合性もない謎習慣だったからだ。そしてそこに、多分に性差別的なものが含まれているからだ。

 たった一人の女性の「おかしいよね?」という声が、今、この国の職場の光景を変えようとしている。

 令和の時代は、もっともっと女性が生きやすい社会になりますように。

 19年を振り返りつつ、そう祈っている。


「たった一人の女性の『おかしいよね?』という声が、今、この国の職場の光景を変えようとしている。」同時に社会や国を変える力となってゆくでしょう。

 もう、今年を振り返る時節になったんですね。

昨日から吹雪模様。
さほどの雪ではないが外に出るのが億劫、雪かきっをするほどでもなく、ほとんど家の中で過ごす。


COP25 日本政府の姿勢を示せ

2019年12月03日 | 自然・農業・環境問題

東京新聞社説 2019123

  国連気候変動枠組み条約第二十五回締約国会議(COP25)がマドリードで始まった。開催国は政治の都合で二転した。それでも結局開催されたのは、私たちにとって、それほど深刻な課題だからだ。

 来年、いや来月からスタートする温暖化対策の新たな国際ルールのパリ協定は、世界の平均気温の上昇を産業革命前の二度未満、可能なら一・五度以内に抑えるのが目標だ。さもないと、異常気象は破局的になるという。

 その目標を達成するには、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を、正味ゼロにする必要がある。これが「科学の要請」だ。

 パリ協定は、温暖化により激化する異常気象を背景に、すべての国が何らかの削減義務を負う「全員参加」を最優先とした。

 そのため、先進国だけに削減数値を振り分けた旧ルールの京都議定書とは違い、参加各国が自主的な削減目標を国連に提出し、それぞれに努力するという、ゆるいやり方にして、途上国も仲間に入りやすくした。

 その代わり、二〇年以降五年ごとに国別目標を見直して、引き上げるという「進化」の仕掛けも埋め込んだ。

 各国は協定の発効を前提に、「国別目標草案」を策定し、国連に提出済みだ。しかし、それらがすべて実現できても、気温上昇は今世紀末に三度以上になると試算されている。

 パリ協定の締約国は来年、草案より高い「国別目標」を提出するよう求められている。

 九月の国連「気候行動サミット」では、七十カ国が現状より目標を引き上げるなどと表明したが、日本はまだしていない。

 国連は、温室効果ガスの大量排出源である石炭火力発電を中止するよう求めている。日本では二十二基の建設、あるいは建設計画が進行中。「温暖化対策に逆行している」との批判を浴びている。

 協定に基づく長期削減戦略として「五〇年までに80%の削減に取り組む」と言いながら、裏付けと具体策に欠ける日本に、サミットでも批判の目が注がれた。「美しい演説より具体的な計画を」と、安倍晋三首相が国連側に演説を断られたと報じられたのが事実とすれば、そのためだろう。

 パリ協定スタート直前のCOP25で、削減目標の引き上げとその具体策を示し、国際社会の信頼を取り戻せるかどうか。

 国としての姿勢が強く問われる会議である。


昨夜遅く帰ってきました。

 朝の有馬温泉から雨模様で、新千歳空港に到着しても霧雨模様でした。
ほとんど雪も消えていたのですが、我が家の周りだけはしっかり残っていました。

29日、夜の便で神戸空港着。
 ポートライナーで三宮へ。だいたいの「地図」を頭に入れておいたのですが役立たず。
まったく逆方向へ歩いていました。どちらが海でどちらが山かもわからず。
とうとう観念してタクシーを・・・(これがまた中型でした)一人で乗って、850円。

30日
 翌朝、ホテルから駅まで歩いておぼ5分でした。

 下の息子が3時ころに三宮着ということで、それまで一人で自由行動。

姫路城に行ってきました。
 電車を降りると真正面にお城がそびえたち、これなら迷子にならないで行けると店をのぞきながら天守閣まで・・・

 それからまた三宮へ戻り、息子家族と合流。カフェ巡りやら、中華街食べ歩き。この日の歩数計28000歩。(新記録、天守閣への階段もあった)

今夜は小野泊。新しくできた「工業団地」の一角にあるホテル。

法事―墓参り―昼飯。

うちの長男とも合流。今春、千葉から神戸に転勤。

有馬温泉まで乗せてもらう。

 傘を杖代わりに温泉街を闊歩。昼過ぎ、神戸空港までタクシー8000円です、とのこと。7か月の赤ちゃんもいるのでそうしました。ロビーでお茶してから皆で帰途につきました。

車を入れるスペースの除雪もなく、いい旅になりました。