父の居ぬ家を静かと春の暮 笑子
ちちのいぬいえをしずかとはるのくれ


お彼岸に集まろうか、と相談していましたが
コロナのことがあって
今回は 各々が都合のいいときにお墓参りするだけにしようと
いうことで終わりました
今日は長男の誕生日で 父にとっては外孫にしても
初孫の男の子だったので とても喜んで可愛がってくれましたね
「おいっ 〇〇!」って笑みながら名前を呼ぶ顔が浮かんで
やっぱりさびしくて涙が出ますね
特大な兜飾りを初節句に買ってくれたのもいい思い出
去年の3月1日 くも膜下出血で倒れて
手術室へ送る前に手を握りながら
目を見つめ合いながら交わした言葉
「かよ、もうだめかもしれないな、頼むな、かよ」
と私の名前を呼んだ父
「お父さん、きっと大丈夫だから頑張って!!」
「待ってるから!!」
そう言って送り出して。。。。父は手術を終えて戻ってくるも
なかなか目覚めてくれませんでした
本当はもっと話したかった
でも 看護師さんから
「あまり話すと出血がひどくなるかも」と言われて諦めた
でも開頭手術だったし、リスクはあれど
今になって思えば もう少し父の言葉を聞いてあげたかったです
目覚めてから 1つ1つ、少しずつ快復していったのですが
とうとう言葉は戻らず また 実際家族の事も
ほとんど思い出せないままなのでした
ときどきふと分かったり 自分の名前なども書けたのですが
筆談とかコミュニケーションとかはとうとう叶わず
父の状態はとても不安定なものでした
だから どうしてもあの時の
手を強く握りながら目を見ながら話したときの
痛みを耐えながら訴えるような目で私に言い残した
父の声、表情が忘れられなくて 今も時々涙してしまうのです
昨日は志村けんさんの訃報が伝えられました
コロナウィルスの場合、感染リスクを避けるため
最後の言葉を手を繋いで聞き取るなんてことさえ
出来ないのだと思います、哀しいですね
怖いですね、どうなっていくのでしょうか