うちなー→えぞ日記 (もとすけのつぶやき)

奈良県出身、沖縄での学生生活を経て、北海道ライフを堪能する、
とある研究者の日常のよしなしごとの紹介。

高倉健な駅ベスト3

2011年06月07日 00時54分32秒 | えぞ日記(北海道編)・・日常
こんばんは、ご無沙汰しております。
ここしばらく、学術振興会の特別研究員の申請書類を書き続けていて、ブログの更新をすっかりサボってしまいました。ごめんなさい。
今週木曜日に大学側の1次(チェック)締め切りが迫っていたので焦っていましたが、教授と打ち合わせを重ね、徹夜を何度か繰り返して、なんとか書きあげることができました。(教員が科研費申請締め切り間近になると近寄り難いオーラを出す理由がよく理解出来ました・・)
あとは、大学の事務に提出して間違いが無いか確認してもらった後、大学を通して学術振興会の方に正式に申請する段どりになっています。私が申し込む特別研究員(DC1)の採用率は30%程度。数年前までは20%弱だったことを考えれば、採用率は上がっていますが、それでも狭き門です。もし無事に採用されれば、博士課程在学中は毎月お給料が支給されます。通常の奨学金と異なり返済の必要はないので、経済的に非常に助かりますし、この特別研究員に採用されること自体が「我が国の科学研究の将来を担う有為な人材である」という評価を国の機関から得ることになるため、将来の研究活動において大きなインパクトがあります。私も、是非採用して欲しいと思っています。
まあ、書くものは書いたので、後は運を天に任せるしかありませんけどね。

とまあ、冒頭に重い(?)話題を書きましたが、今回のブログ記事は思いっきり趣味の話となります。
私の現在の趣味の一つ、鉄道についてです。

先週末、6月2から5日にかけて、北海道大学では北大祭が開催されました。この北大祭は、サークルと各学科1年生が催す楡陵祭と、各学部が主催する学部祭から構成されており、今年も我らが北大鉄道研究会は楡陵祭に出展しました。
北大鉄研の展示といえば鉄道模型が中心ですが、密かに模造紙での学術展示も行われます。例年、学術展示は本格的な鉄道事情の考察がテーマになってきました。例えば去年は「札沼線の電化」がテーマで、電化の目的や予想される効果、技術的な話などを検討・考察しました。ところが、今年の学術展示のテーマは「北海道の駅ベスト3」。会員が各自好きな課題設定で駅について調べ、ベスト3を決めたものをオムニバスで展示するという異色の内容でした。事前の会員各自の調査により、合計21件の「○○な駅ベスト3」が調べ上げられましたが、学祭展示ではスペースの都合上、多数決で評価の高かった上位10選を展示しました。で、この上位10選のトップに選ばれてしまったのが、私の調べた「高倉健な駅ベスト3」だったわけです・・。

学術展示のテーマが発表された後、他の会員と課題が被るのを避けるため、半ばネタで設定したのが「高倉健な駅ベスト3」でした。高倉健は、網走番外地、幸福の黄色いハンカチ、鉄道員など、北海道を舞台とした映画に数多く出演してきました。また、それらの映画の重要なシーンでは、度々地元の駅が登場しています。今回、「高倉健な駅ベスト3」では、そんな高倉健に所縁のある駅にスポットを当てて調査しました。
取材は先月22日に敢行。事前調査で高倉健主演映画で有名どころの駅をピックアップし、鉄研の部長達と日帰りで見て回りました。

と、いうわけで、以下に「高倉健な駅ベスト3」の調査結果を記します。
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◎高倉健の駅ベスト3
北海道が似合う俳優, 高倉健. そんな高倉健と縁深い駅をベスト3に纏めて紹介する.


第1位 根室本線 幾寅駅 「鉄道員(ぽっぽや)」(東映1999年)


幾寅駅ホームにて、「鉄道員」の場面を再現(部長)
ホームの奥に見える山が印象的である.

選評:映画では,「幌舞駅」という架空の支線終着駅として登場. 高倉健はこの幌舞駅の駅長, 佐藤乙松を演じた. 駅舎周辺のロケセットが保存されていて, 観光スポットになっている.
北海道の高倉健の駅と言えばこの駅であり, 映画公開で一躍観光地となったことから, ベスト1に選んだ.



第2位 留萌本線 増毛駅 「駅 STATION」(東宝1981年)


増毛駅構内にて、映画の一場面を再現。

選評:劇中でも留萌本線の終着の増毛駅として登場.
警察官の主人公, 英次(高倉健)が故郷の雄冬(増毛町南部の集落)に戻るシーンで登場し, 連絡船乗り継ぎ駅として描かれる. 1981年に国道231号線が全通するまで, 雄冬は完全な陸の孤島であり, 増毛発着の連絡船が唯一の交通手段だった. 今では車で札幌から2時間弱で到達可能である.
増毛駅も,映画公開後しばらくはロケ地巡りの観光客で賑わった経緯がある.現在でも,駅前の売店内には増毛駅でのロケ風景写真が展示されていて,高倉健との関係が強い駅であることから,ベスト2に選んだ.



第3位 釧網本線 北浜駅 「網走番外地」(東映1965年)


流氷が接岸した北浜駅の風景

選評:映画の冒頭,主人公の橘真一(高倉健)が網走刑務所収監のために「網走駅」で汽車から降り立つシーンがこの駅のホームで撮影された. ちなみに駅舎の場面は北隣の藻琴駅にて撮影されている.
この駅はオホーツク海に最も近い駅として知られ, 多数の映画, TVドラマのロケ地になっている. 訪問は流氷の時期がおススメ.


まとめ:この他, 網走駅(幸福の黄色いハンカチ),銭函駅(駅 STATION),旧上武佐駅(遙かなる山の呼び声)なども,高倉健の映画ロケに使われている. やはりローカル風情のある,地方の駅が映画に好まれるようである.
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といった内容でした。この結果は、楡陵祭の模造紙展示で展示された外、今後発行予定の鉄道研究会の冊子にも掲載される予定です。多分、何かしら加筆修正すると思います。