面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

日本の腐敗は自民党議員の世襲にある

2023-02-14 22:12:24 | 政治
岸田文雄が長男の岸田翔太郎に箔を付けるために政務担当の首相秘書官にした。しかし首相秘書官は誰でも務まるポストではない。官房長官とは別に官僚を纏める職なのだ。箔付けをしようとすれば政権の寿命が縮まる。

岸信夫を長男の岸信千世もさっそくやらかした。自分のホームページに家系図を載せて岸信介の孫で、安倍晋三の甥ですとやったのだ。世襲議員だらけの自民党で世論は世襲議員にはうんざりしていることがわからないようだ。

また今回も引用が長いが。

~~引用ここから~~
永田町「世襲天国」で“首相ガチャ” 資金も課税されず継承〈週刊朝日〉

永田町「世襲天国」で“首相ガチャ” 資金も課税されず継承〈週刊朝日〉

 親の経済力いかんで子どもの将来が左右されるという「親ガチャ」。一昨年の新語・流行語大賞でトップテン入りし、格差社会を象徴する言葉となったが、永田...

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(略)

 その総裁選を勝ち抜き、首相の座を射止めて1年後、岸田氏は長男の翔太郎氏(32)を政務担当の首相秘書官に抜擢(ばってき)する。慶大法学部を卒業後、三井物産に入社。20年に退職後は岸田氏の事務所で公設秘書を務めていた長男の起用に対し、「公私混同」「身内びいきでは」といった批判や疑問の声が野党のみならず与党からも噴出した。

 皮肉なことに、この「親バカ人事」がいま岸田政権の足を引っ張っている。今年1月に岸田氏がパリやロンドンを外遊した際、同行した翔太郎氏は公用車を使って“観光三昧(ざんまい)”をし、老舗超高級百貨店などを訪ねてはお土産を買い込んでいたと「週刊新潮」が報じたのだ。

 観光地での写真撮影は対外発信に使う、買い物は閣僚に向けた首相の土産購入が目的の「公務」である……。政府は苦しい言い訳を強いられた。

 岸田氏が翔太郎氏を秘書官に起用したのは「岸田家4代」への布石と見られている。岸田家は現首相の文雄氏だけでなく、先代も先々代も衆院議員を務めた世襲一家。翔太郎氏が跡を継げば4代目となる。文雄氏も父・文武氏の秘書から政界でのキャリアをスタートさせ、文武氏が当選を重ねた選挙区から出馬して35歳で初当選している。

 2月1日の衆院予算委員会で、翔太郎氏を「官邸の要」である首相秘書官に任命したのは妥当かを首相に問うた立憲民主党の落合貴之議員は、「自民党の衆院議員の3割以上、閣僚は半分以上が世襲」「英国の貴族院でさえ世襲の割合は2015年の調べで1割」などと例示し、日本の現状は「異常だ」と訴えた。

 日本ではかねて選挙に勝つために三つの「バン」が必要と言われてきた。後援組織の「地盤(票)」、知名度の「看板」、選挙資金の「カバン」だ。一般に政治家となるには多大なコストがかかるが、世襲候補は三つの「バン」を親の代から労せずして引き継げる。

 選挙において世襲議員が圧倒的に有利なのは、データからも明らかだ。

 小選挙区制が導入された1996年以降の衆院選の全選挙区、全候補者について分析した日本経済新聞の記事(2021年10月17日付)によると、(1)父母が国会議員(2)3親等内の国会議員から地盤の一部または全部を引き継いだ、のいずれかに該当する候補を世襲と定義した場合、候補者全体の13%が世襲で、世襲候補の勝率は比例代表による復活当選を含めると80%に達したという(非世襲候補は30%)。

 また、昨年の参院選について分析した時事通信の記事によると、世襲の定義を「父母、義父母、祖父母のいずれかが国会議員」または「3親等内の親族に国会議員がいて同一選挙区から出馬」とした場合、世襲候補者は19人。うち14人が当選した。全体の当選率22.9%に対し、世襲候補の当選率は73.7%だった。

 前に示した世襲の定義にあてはめると、96年以降に誕生した12人の首相のうち、非世襲は自民党の森喜朗氏、菅義偉氏と民主党の菅直人氏、野田佳彦氏の4人だけ。永田町の力学で、世襲議員の中から首相が選出される「首相ガチャ」の状態だ。

■親子間で資金が課税されず継承

 むろん安易な世襲の禁止は憲法の定める「職業選択の自由」に抵触するおそれがある。世襲議員のなかに立派な政治家もいるだろうが、世襲政治家の問題点について政治ジャーナリストの角谷浩一氏は、こう解説する。

「世襲政治問題の本質は、親が代表の政治資金団体に子が代表として就任するなどして、その団体の政治資金が非課税でゆだねられてしまうことです。法律を変えるなどして、政治資金団体の代表を引き継いだ場合は課税対象にしてメリットをなくしていくか、代表が代わる場合に残金は国庫に返納させるなどし、引き継ぎができないような仕組みを構築していく必要はあるでしょう」

ここからは、主な世襲政治家の最近の言動や情勢をおさらいしよう。

 郵政民営化問題で脚光を浴びた小泉純一郎元首相(81)の次男、進次郎衆院議員(41、当選5回)は2019年に38歳という戦後3番目の若さで初入閣を果たすと、カリスマ性を持つ純一郎氏の後継者として期待を集めた。

 しかし環境大臣として施行したレジ袋の有料化やプラスチック製品の削減義務化などの評価はいまひとつ。また原発事故による汚染土の最終処分場について問われた際の「30年後の自分は何歳か、発災直後から考えていた」発言など、ときに意味不明で独特な言い回しが「ポエムのよう」「進次郎構文」などと揶揄(やゆ)され、最近は影が薄い。

福田康夫氏(左)・福田達夫氏

 祖父・赳夫氏と父・康夫氏が首相を務め、自身もその座に就けば3代にわたる首相就任となる福田達夫衆院議員(55、当選4回)は、一昨年の総裁選で岸田氏を支持し、閣僚未経験ながら総務会長に任命された。だが、昨年7月の安倍晋三元首相銃撃事件で旧統一教会と党所属議員の関係について会見で問われた際に「何が問題か僕はよくわからない」と発言。厳しい非難を浴びた。

 約半世紀にわたって自民党を取材してきた野上忠興氏はこう語る。

「今の世襲議員は野党にもまれたり党や派閥の幹部から、どつかれたりする下積みの苦労もないまま、若くしてチヤホヤされる傾向がある。『選挙に強い』が政治家としての成長を止めるというマイナス要素に働くことになる。一選挙区一人の小選挙区制になったことで、地元の政財界にしても選択肢がなくなり、その一人に頼ることになるため選挙基盤が盤石化してしまう。同じ世襲政治家でも小選挙区制以前の中選挙区制下で落選経験を持つ安倍晋太郎さんから、『自分に慢心があった。あの落選で目が覚めた』と聞かされたものだが、中選挙区制には、そうした緊張感があった」

■山口で代々続く安倍家のゆくえ

 衆院小選挙区を「10増10減」する改正公職選挙法が昨年末に施行され、選挙区が4から3に減る山口県では、この4月にダブル補選が行われる見通しだ。

 安倍氏の死去で議員不在となった4区は、妻の昭恵氏の立候補を推す声があったものの、昭恵氏が固辞。現職の下関市議が立候補を予定している。

 一方、2区は安倍氏の弟、岸信夫首相補佐官(63)が健康状態の悪化を理由に議員辞職。後継に長男で自身の秘書、信千世氏(31)を指名した。4区で途絶える安倍家の世襲の系譜を2区で次世代につなぐ構えだが、ことは簡単ではない。全国紙の政治部記者は言う。

「山口には3区選出の林芳正外相もおり、議席を巡って安倍派と林派がぶつかる可能性もある。安倍元首相という後ろ盾がない状況では、いくら信千世さんが岸家の人間でも、政治家として生き残れるか厳しい状況となる。最悪お家取り潰しとなるかもしれません」

 故小渕恵三元首相の次女、優子衆院議員(49、当選8回)は08年に少子化対策担当相として34歳で初入閣し、戦後の最年少入閣記録を塗り替えた。14年には女性初の経済産業大臣に就任。父に続く首相の座へ着々と駒を進めていたかに見えたが、同年、自身の政治団体を巡る不明瞭な資金処理問題が明るみに出た。

 東京地検特捜部が元秘書宅や後援会事務所を家宅捜索した際には、複数のハードディスクに電気ドリルで穴が開けられ、会計書類が処分されていた。政治資金規正法違反で元秘書2人に有罪判決が下り、優子氏自身への疑念も残す結果に。

「やはり政治とカネのスキャンダルがあったということは大きい。彼女自身もあまり表に出たがらないようだ。ただ不祥事の過去はあるものの、選挙で禊は済んだとして期待する声もある。初の女性首相を誰にするのかというのは、永田町だけでなく国民にとっても大きな関心ごとではないか」(野上氏)

加藤紘一氏(左)・加藤鮎子氏

 かつて「宏池会のプリンス」と呼ばれた故加藤紘一・自民党元幹事長の三女、鮎子衆院議員(43、当選3回)は、岸田氏が総裁選に出馬した際に注目された。

 森内閣時代の00年、紘一氏が野党の内閣不信任決議案に賛成する構えを見せた「加藤の乱」で、父とともに造反組に回った同志が岸田氏だった。20、21年の総裁選で鮎子氏は岸田氏の推薦人に名を連ね、その後、国土交通政務官に就いた。「首相の座に最も近い」と言われた政治家の娘は、これから頭角を現すだろうか。

鈴木宗男参院議員(左)と貴子衆院議員

 初の女性首相の「大穴」になるかもしれないのが、日本維新の会の鈴木宗男参院議員(75)の長女で、自身は自民党に属する貴子外務副大臣(37、当選4回)だ。13年に27歳で当時最年少の衆院議員として国会デビューを果たすと、18年には32歳で防衛政務官、35歳で外務副大臣と経験を重ねてきた。

 しかし、ロシアによるウクライナ侵攻が始まると、ロシア寄りともとれる宗男氏の発言が取りざたされ、貴子氏の副大臣としての立ち振る舞いも問われている。

 これら世襲議員の中から未来の首相は出るだろうか。誰がなるにせよ、「世襲ありき」でなく、その働きぶりで評価されるべきなのは言うまでもない。(本誌・佐賀旭)

※週刊朝日  2023年2月17日号
~~引用ここまで~~


はっきり言うが、世襲議員で評価できるのは二人しかない。小渕恵三と中川昭一の二人だけだ。どちらも故人だ。残りは日本の腐敗を凝縮したような連中しかいない。日本の腐敗は国会議員の世襲にある。

選挙で国民が選んでいるからと世襲を正当化する意見もある。

しかし自民党の候補者には有力政治家の子供はほぼ自動的に選ばれてしまうのだ。非世襲候補は公募して厳しい選抜を経てようやく成れるのに世襲議員は簡単に自民党候補になれてしまう。

そうなればあとは簡単だ。地方の国民は自民党信仰が強いから自民党候補が誰であれ自民党に投票する。選挙で揉まれることもなく若くして国会議員になり、当選回数で閣僚、首相になっていく。

中選挙区制時代は自民党候補の中から選ぶことができた。しかし小選挙区比例代表並立制だと世襲候補が嫌でも自民党に投票するには入れるしかない。

野党に投票すれば良いという意見もあるだろうが、野党のあの体たらくで野党が投票先になるだろうか。

引用記事には小泉進次郎と小渕優子と福田達夫の失敗が紹介されている。一度の失敗で終わりというわけではないが、小渕優子は表に出てこないなら採決要員に終わる。小渕優子の子供にまた世襲させる中継ぎでしかない。今の日本に採決するだけの世襲議員を国会議員にしておく余裕はない。

小泉進次郎も小泉純一郎の息子ということで大いに期待されたが、環境大臣すら務まらないし、小泉構文なる意味のわからない受け答えで失望を買った。

福田康夫の息子の福田達夫も統一教会との繋がりが何が問題なのかよくわからないなどと発言し、首相の芽は消えた。

福田達夫の総理の芽は消えた - 面白く、そして下らない

だが野党が統一候補を早くに決めて地道に街頭演説なり、団体回りなどをしない限り世襲議員は落ちない。自民党は支部長選任を着々と進めているが立憲民主党はだらだらやっている。地道なことができないようでは自民党に勝てない。

衆院補欠選挙で岸信千世が当選するのは決まったようなものだ。野党は候補者すら決めていないのだから。これで勝てたら奇跡というものだ。

内閣総理大臣も閣僚も世襲議員ばかりだ。藤原氏の摂関政治のようだ。日本の腐敗はここにある。選挙制度を変えない限り世襲議員は減りそうにない。

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2 コメント

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Unknown (みどりこ)
2023-02-15 17:51:15
大金と地盤がないと勝てない選挙制度をどうにかしないと、二世しか当選できません。
もっとも最近はムサシで無理やり当選させたい人を当選させているようですが。
愛知県知事の話ですが、彼だけではないでしょう。
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みどりこさんへ (ぬくぬく)
2023-02-18 00:42:11
コメントありがとうございます。

中選挙区制に戻せば意欲ある新人が当選する可能性はあるのですが、小選挙区制だと自民党に公認を貰えれば当選は決まったようなものですからね。親の権力で世襲議員ばかりになってしまいます。
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