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ダイキン工業が7日発表した2022年4~12月期連結決算は、売上高が前年同期比29・7%増の2兆9856億円、最終利益が同16・9%増の2089億円で、いずれも過去最高を更新した。行動制限の緩和でアジアで業務用エアコンが伸びたほか、欧州では省エネ性能の高いヒートポンプ暖房の販売が伸びた。
通期の業績見通しは、売上高が3兆9100億円(前期比25・8%増)と、昨年11月に発表した前回予想から1500億円上方修正した。最終利益は2350億円(同7・9%増)で据え置いた。
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ロシアウクライナ戦争でロシア産のガスを購入を購入できなくなり、光熱費が一気に高くなってしまった。そこで欧州では省エネ性能の高いヒートポンプの暖房の需要が高まりダイキンに限らずパナソニック、三菱電機、富士通ゼネラルの売上、利益が上がった。
それは良いことなのだが、その利益が日本人に還元されるのか。それが問題だ。ダイキンの工場は日本国内だけではない。外国に投資して工場を建て、ヒートポンプを作り、欧州に輸出する。あるいは欧州に工場を建て、ヒートポンプを作り、欧州に売る。
企業に利益は当然入るのだが、日本という国家と日本人に利益は還元されるのか。外国に建てた工場では日本人は働かない。雇用は増えない。工場の労働者は外国人で給与は外国人に支払われる。それでは日本国内のGDPは増えないし、消費も増えない。
ダイキンの2022年4月~12月の最終利益は2089億円だ。これをそのまま日本に持ち帰れば日本は潤うが、大抵の企業はそんなことをしないのだ。現地に利益をとどめておきさらに工場建設などの追加投資に費やす。それだと日本国内に戻ってくる輸出益、投資益はどの程度になるのだろう。年間で投資額の数%が関の山ではないか。
現在は円安だから企業も持ち帰るかもしれない。だがあまりに国内に持ち帰ると今度は円高になってしまうのだ。食料品とエネルギーが高騰しているから円高も悪いとは言えないが。
外国に日本が持つ対外純資産は411兆円で世界一だが、外国にあるがゆえに日本人の利益にならない。あり得ない仮定だが、411兆円全てで米国債購入すると米国債の利率は3%くらいだから年間12兆円の投資益になる。
しかし米国債411兆円を売った米国はその金でインフラを整備したり、軍隊を増強したり、教育費に費やしたり出来るのだ。年間12兆円の支払いなど端金でしかない。
世界一の対外純資産も蓋を開ければこういうことで、あまり日本と日本人の利益にならない。捨て金、死に金ではあるまいか。
輸出益や投資益も日本人の利益にならないのではないか。工場は環境を汚染することもあるが、工場建設でGDPが一気に増える。労働者の給与など利益になるし、周辺に飲食店などもできるからだ。
円安と失われた30年で国内に工場を建設しても儲かるようになってきたが、外国に工場を建設して、投資益を受け取る方式ではあまり儲けになるまい。少なくとも日本という国と日本人は儲からない。投資した企業は儲かるだろうが。
こうした構図だと省エネのためにヒートポンプが売れて日本企業が過去最高益を上げてもあまり喜べないだろう。
(参考記事)
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