1. 太陽病頭痛
太陽病頭痛は、表証・熱証に属します。
もし表が虚しているならば、必ず発熱・悪風・自汗・脈浮緩を呈します。
この時は桂枝湯を用います。
後頭部痛に項から背部まで強ばる場合は桂枝加葛根湯を用います。
もし表が実しているならば、必ず発熱・悪寒・無汗・脈は浮緊を呈します。
この時は麻黄湯・大青竜湯を使用します。
後頭部痛には葛根湯を用います。
2. 少陽病頭痛
少陽病頭痛の発病部位は一般的に頭部の両側に出現します。
半表半裏証に属し、小柴胡湯や柴胡加竜骨牡蠣湯を用います。
実熱に偏るものは大柴胡湯を用います。
虚寒に偏るものは柴胡桂枝乾姜湯を用います。
3. 陽明病頭痛
陽明病頭痛は、裏証・熱証に属します。
もし陽明の腑が実しているならば、口渇・便秘・脈は沈実を呈します。 承気湯を用います。
もし陽明経の証であれば、多汗、激しい口渇になるため、白虎湯を用います。
もし後頭部痛ならば、葛根芩連湯を用います。
もし陰虚熱があれば、イライラと不眠があります。 この時は酸棗仁湯を用います。
4. 太陰病頭痛
太陰病頭痛は表証・寒証に属します。
もし表が虚しているならば、悪風悪寒・脈は緩弱を呈します。 桂枝加附子湯を用います。
四肢厥冷・血行不良のために陽気がうまく巡れないものには、当帰四逆湯を用います。
もし表が実しているならば、悪風悪寒・発熱・脈は浮かずに逆に沈を呈します。 この時は麻黄附子細辛湯を用います。
5. 少陰病頭痛
太陰病頭痛は裏証・寒証に属します。
からえずき・唾を吐くものは、呉茱萸湯を用います。
もし月経痛があれば、温経湯を用います。
四肢厥逆 (手足がひどく冷たい症状で、程度は手足厥冷よりも重い) の場合は 四逆湯を用います。
6. 厥陰病頭痛
厥陰病頭痛は寒熱錯雑または上熱下寒の状態を呈します。 烏梅丸・半夏瀉心湯などを用います。
また外治法として頭風摩散があります。 これを用いて発作性頭痛を治療します。