ご存じ、新開孝さんの『虫のしわざ観察ガイド』。
この本で虫の観察がずいぶん変わった、というひとも多いでしょう。
私もそのひとり。
もっと、もっと「しわざ」を知りたいなあ、と思っていたら、
虫ファンの好評に応え、「しわざ本」の第2弾が先月発売になりました!
うれしいです!
『虫のしわざ探偵団』(少年写真新聞社刊)
新開さんは10数年前、都内近郊から宮崎県へ移住されました。
広大な雑木林に囲まれたご自宅はまさに虫観察のフィールドのなかに常に身を置くようなもの。
仕事部屋の窓から、いろんな虫たちの様子が見える、という聞くだけで羨ましさに身をよじりたくなる環境にいるものの、昆虫写真家というのは、たいへん。
現在制作を進めている何冊もの本のための撮影―いくつものステージを経て成虫になる虫の生態をテーマにした場合、たとえば卵、各幼虫時代、前蛹、蛹、そして成虫と、1匹の虫のライフサイクルや食性などなどをカメラに納めるには、実に長い時間と苦労と、そしてチャンスを逃さない行動力も必要。
そんなわけで、これ以上はない環境のなかで生活し、作品をつくっている新開さんも、出版の時期に合わせ、どうしても今年中に、この虫の、この撮影をしなければならない、ということもあり、年に何回かの日本列島あちこち遠征をされます。
そして関東遠征の際には、たいてい飯能に!
7月の下旬の猛暑のなか、贅沢にも2日間のフィールド探索をごいっしょしました。
1日目は絵本作家 Iさんと3人で谷津へ。
アカイロトリノフンダマシ
シリアカハネナガウンカ。初めて見ました!
こんなに大きなウンカを見たのも初めて。翅端までいれると15㎜もあります!
テングイラガか。
強力虫目人ふたりの虫のしわざ談義
クサカゲロウの仲間?
オジロサナエ
しわざ本にも載っているハキリバチのしわざ
ハサミツノカメムシのメス
ハサミツノカメムシのオス。まだ羽化したばかりらしく、お尻の突起があまり赤くない。
ハサミツノカメムシの終齢幼虫もいた。
アカスジキンカメムシとツーショット
林道で紫色に輝くセンチコガネ。
新開さんの新兵器。細部にまで工夫がある手製。
たとえば、上に載せたセンチコガネをこの新兵器をつかって新開さんが撮ると・・・・・・
http://kamakirimodoki.sblo.jp/index-3.html
私の撮ったものと雲泥の差があることがわかります。
(後日談:『センチコガネの撮影時に使用していた、あのドーム型ディフューザーは、
まだ使い始めの試用期間でした。
実地で使ってみて、使い勝手に問題があったので、宮崎に戻ってからパーツや接合法などを
大幅に見直し、少々雑に扱っても平気な改良版を新規に拵えました。
こうした工夫は、できるだけ機材をシンプルかつ軽量化することも念頭においています』ー新開さんのメールから)
「あ、あそこにウバタマムシいるよ」
「え、どこどこ?」
伐採木が乱雑に積んである上にいるらしい。
ちょっと遠くて私には見えない・・・・・・・写真撮りたいなあ―
すると、新開さんが登って―あぶない!
おかげでウバタマムシ、初めて撮ることができた。
と、ここで13時を過ぎたので、お昼に。
いつもは散策場所にころがっている丸太とかに腰かけておにぎり、ということが多いけれど
この炎暑。新開さんも遠征旅行中ということもあり、一度屋内に入るのがいいのでは、とIさんと相談し、
「あの、まずい店にしようか、仕方ないから」ということに決定。
車移動なしで、行ける飲食店というのが、他に皆無。
ただ、1軒だけあるのがこのイタリア料理店(らしきもの)で、どうも近隣の主婦たちが力を合わせてやっているらしく
その味は、家で自分でスパゲッティを茹でて、レトルトのソースをかけたものと変わらず。
でも、とにかく他に飲食店がないために、大繁盛しちゃってる。
競合する店もなく、繁盛している、とういことになると、「これでいいのだ!」と
お店に向上心は生まれず、
なんとこのまずさで「予約のとりにくい店」だったりする。
まあでもとにかく室内で一休みできて、空腹を満たせるということで
ランチをここで。
で、おなかもいっぱいになり、しばしエアコンの効いた室内で休んでいたら
私はなんとなく、だらーっとしてしまい、午後の散策をつづける体力に自信がなくなり、この後もつづけたら
ふたりの足をひっぱることになりそう・・・・・・。
とここで脱落。
明日もあることだし、と近所の図書館で待機することにして、
第二の谷津に出かけるふたりを見送りました。
(つづきはまた明日)