月影を きぬとよそひて くはしめに ばけてたちまち 落つる馬鹿かな
*ご存知のように、今人間世界では、天使の真似が流行っています。かのじょがあまりに美しい女性だったので、ああなりたい馬鹿が一斉に真似してとても愚かなことになっています。
月影をきぬとよそひて、とは、月に例えられるあの人の真似をして、という意味にとってください。そのようにして美人に化けた馬鹿は、たちまちのうちに、人間を落ちてしまいました。
美人になりたい馬鹿は昔からたくさんいました。なぜ美人になりたがるのか。本当の自分がとてもいやだったからです。人と比べると、自分がとてもみじめで暗いものに思えたのです。ですから自分よりいいと思える人をいじめ殺して、その人の真似をして自分をきれいにするということを、馬鹿は大昔からやってきたのです。
そんなことをすれば、本当の自分がもっとみじめで暗くなるのですが、馬鹿者はやめられなかった。人のものを盗めば簡単に自分がきれいになれるからです。そしてそんなことばかりやってきて、自分の勉強はほとんどやらずに今までやってきたら、この時代馬鹿は天使の美女に出会って、一斉にそれにしびれて、みんなで真似をして、一気に人間を落ちたのです。
盗むにも、天使を盗んだら、もう終わりだったのです。
今まで、人間的努力など何もせずに、人からの盗みで簡単に美人になってきたものですから、天使の美女などを見ても、簡単にそれをやってしまったのです。そしてみなで人類を落ちた。もう人間ではない。人間ならば得られる、神の恵みをすべて失った。あまりにも愚かなことになった。
もう何度も言われていることですが、また言いましょう。それほど大事なことだからです。
美しくなるためには、人間は愛を勉強せねばなりません。そんな勉強を何もしないで、盗みだけで美しくなってきた馬鹿は、この時代で天使につまずいて、みなが人類を落ち、人類世界を追い出されることになったのです。