JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

フランス革命への思想的準備・・・モルリィ「自然の法典」

2012年06月11日 | Weblog


 今日の科学的社会主義の運動と理論の発展の流れは、エンゲルスの「空想から科学への発展」が分かりやすく、20代に解説書とともに読みました。
 当時は、ほとんど理解できなかったのですが、今も、よく理解しているとは言えませんが。
 このモルリィの「自然の法典」は、友人の大学教授から「フランス革命に興味があるなら」と渡された一冊です。ありがたいことです。
 モルリィは、「自然状態では、人間は平等だったが、私有財産が生ずることによって、悪がはびこった、だから、法律によって平等な社会をめざす」ということではないかとおもうのですが、難しくて、理解したとは言えませんが。
 書かれた時期が、1778年でフランス革命が1789年ですから、当時の知識人の考えを表していると思います。
 同じ年に、書かれたルソーの「不平等起源論」(まだ、読んでませんが、新日本出版の「空想から科学へ」の解説を見ると)同じ思想ではないかと思うのですが。
 時代の限界だと思いますが、本のカバーに「共産主義社会こそが、人類の本来の姿であり理想社会だと説く」とありますが、最後の「神聖基本法」なるものは、国家権力による独裁社会の様相を示しています。友人も「ここは、だめだね」と言われて当時の思想を知るという視点を示されています。
 この本は、当時の封建制社会批判を人間の自然な姿から逸脱しているという立場から、様々な角度から取り上げ自然状態の平等社会を提案してますし、当時の革命的な雰囲気が伝わってきます。それが、ルソーの「社会契約にもとづきうちたてる」という思想などから、フランス革命へと具体化され、「ブルジョアジーの大国を理想化したものにすぎなかった」(空想から科学へ)となりました。
 この、フランス革命後の現実批判として登場したのが、空想的社会主義者のサンシモン・フーリエ・オーエンなどで、この思想を批判的に継承・発展させ、「唯物論的歴史観と剰余価値による資本主義生産の秘密の暴露とは、マルクスのおかげである、これらの発見によって社会主義は科学にな」った(空想から科学へ)
 現代日本社会での具体的適用・発展は、日本共産党綱領という形示されています。
 また、マルクスの理論そのものの理解と発展が、不破哲三さんなどによって、世界と日本の現実社会の変革という運動そのものの中で、次々と打ち出されていることは、議員活動としても、生き方の問題としても、指針として役立っています。