JCP市原時夫です

千葉県房総の睦沢町から、政治・経済・歴史・オペラ・うたごえを考えるgabuku@m12.alpha-net.ne.jp

韓国ドラマを見る上でも大切「韓国の現代史60年」

2013年03月10日 | Weblog
 

 韓国現代ドラマの日本のホームドラマと決定的に違うと感じるのは、その背景に「日本の植民地支配」「朝鮮戦争」「軍事独裁政権」との民衆のたたかいや犠牲などが、底流に流れていることです。
 このことが、一人一人の人物の性格づけに、リアルさを生み出し、惹きつける力になっているように思います。
 
 「韓国の現代史60年」の著者 徐仲錫氏は、自ら民主化運動で軍事裁判にかけられた経歴をもつ歴史学者です。
 この本の中に、私の好きな韓国の曲「朝露」は、1987年まで放送禁止曲だったと記されていました。
 日本の責任は韓国植民地化の時代だけではなく、戦後も軍事政権を支援し民主化弾圧に加担していた事実を指摘しています。
 それと、日本の右翼的潮流とちがい、著者の言う「進歩的民族主義者は、日本の過去精算だけではなく韓国の過去精算も協力に要求しました」と記しています。
 韓国の民主化は1990年代に入ってからのようです。
 韓国の人々は、戦前は、日本の植民地支配と戦い、戦後も1990年代まで民主主義を確立するたたかいに立ち上がり続けたことがよく分かります。
 学生たちが常に先頭にたち、多大な犠牲を出しながら、軍事独裁を打ち倒し、繰り返す軍事政権を何度も打ち倒してきた、ことが分かります。
 そして、日本の責任も。
 徐中錫氏は、熱いおもいを持ちながら、事実を丹念に冷静に記述しています。
 
 さらに知りたいのは、こうした歴史の背景にあるものが何だったのかということです。