江戸 明治時代に流行した浮世絵は、寝転がって読んでも咎められない気楽な冊子でした。
絵草紙 絵草子 絵双紙 と表現されています。
「義経千本桜」上下巻。
戯作者は一荷堂半水(1828-1882明治15年)
挿絵は長谷川小信ですが・・・・
浮世絵師長谷川貞信の長男は小信と言いました。
1875年(明治8)貞信没後、二代貞信となり、次男(1859~1886)が兄から小信を受け継ぎました。
長谷川小信は、兄か弟なのか不明です。
弟が28歳で没したのに対し、兄二代貞信は、1940年(昭和15)93歳まで生きました。
絵草子は、最初のページを口絵といいます。
登場人物の見せどころを描く多色刷りで、読者を引き込むのがねらいです。
ここでは頼朝の前で舞う静御前です。
物語に沿った絵を挿絵といいます。着色はあったり、無かったりです。
下巻の口絵と、挿絵です。
下巻の最後のページです。
次は一冊のものですが、絵は偶然同じ小信です。
これは、何でしょう?
落書きもありますが、出版者が明記されています。
うたい本ですって。三味線弾いて唄うのでしょう。
浪華書林 阿波屋文蔵。この人の詳細は不明ですが、1875年(明治8年)頃、他の出版物の記録がありました。
こちらはの絵は、初代小信かもしれません。
岩見重太郎一代記 全 とあるのでこれも一冊です。
口絵は、たたみ込まれた紙を左右に開きます。
着色は無く、細密描写のワイド画面な絵と、彫り師の腕でもす。
最後のページに出版に関する記載があります。
明治24年4月7日印刷、8日出版。
東京に区が存在しています。
浅草區南元町15番地 編輯(へんしゅう)印刷兼発行者 牧金之助。