2月18日(月)
待ってました!
お正月恒例の浅草歌舞伎の面々が博多座に登場です。
出演者全員の夢だった、浅草を飛び出しての地方公演はこれが初!
皆さんの意気込みも並々ならぬものがありました。
昼の部、まずは中村勘太郎丈のご挨拶から。
初日にはなかったそうですが、2日目からはどうしても自分達の意気込みを博多の皆さんに伝えたいと言う事で、昼の部は勘太郎君が、夜の部は七之助君、愛之助さん、亀鶴さんの3人が交代でご挨拶をする事になったそうです。
勘太郎君はさすがに毎日ご挨拶されているので、話し振りもスムーズ。
「舞台はナマモノなので役者から受け取ったパワーを、お客さんも舞台の方に返してね、その為には拍手が大事ですよ」てな内容のお話でした。
「僕が拍手って言ったら拍手して下さいねー。拍手・・・・って言ったらですよー」なーんて笑いを取るのも忘れず。
会場がいい感じに暖まったところで一幕目の開演です。
義経千本桜~渡海屋・大物浦~
初見です。
有名な知盛が碇を担いで海に身を投げるシーンはポスターやチラシなどで目にしていたので、すっかり観た事ある気がしていましたが、そんな事はないのでした。
ここの場は、安徳天皇が壇ノ浦で死んでいなかったと言う設定でお話が進んでいきます。
壇ノ浦では生き残った平家方の皆々さんが、義経に追われて最早これまでと次々に身を投げて行くシーンでは泣けてきちゃいそうでした。
作者は壇ノ浦であった事をこの場で再現しようとしたのではないかと言うイヤホンガイドを聴きつつ、遠く源平の時代に思いを馳せました。
そして知盛の最期はやはり圧巻。
碇に付いている縄を自分の体に結びつけ、碇を海に放り込んで自分も後向きに海へダイブ。
迫力ありましたー。
七之助君の典侍の局、獅童君の知盛、亀治郎君の義経、男女蔵さんの弁慶と、メインキャラが全部若手の皆さんなので、見応えありまくりです。
高坏
舞踊です。
舞踊なので松羽目物なのですが、この演目ではお馴染みの松の木ではなく満開の桜がバックに描いてあります。
ある春の日、大名が花見をしようと家来とやって来て酒盛りを始めようとするのですが、盃を置く高坏がなく大名は不満です。
次郎冠者に高坏を買ってくるように言いつけますが、次郎冠者は高坏がどういう物か知りません。
それで「高坏買いましょう」と呼ばわりながら歩いて行くと、「高足売りましょう」と言う声が聞こえてきます。
高足はもちろん下駄の事。
しかし高足売りは品物を売りたいが為、高足を高坏と言って何も知らない次郎冠者に売ってしまいます。
役目を果たした次郎冠者はホッとしてその高足に盃を乗せ、大名のお酒を一杯。
一杯が二杯、二杯が三杯となってとうとう酔っ払った次郎冠者は、寝入ってしまいます。
それを見つけた大名。
次郎冠者が買って来た物が下駄だった事に腹を立て叱るのですが、すっかり酔っ払っている次郎冠者はこれこそが高坏だと、下駄を履いて踊り始めます。
この舞踊を創った六代目の菊五郎が、当時流行っていたタップダンスを取り入れたと言うだけあって、軽やかな下駄のタップに会場は手拍子で応えていました。
勘太郎君の次郎冠者、七之助君の高足売りで、兄弟息の合った所も見せてもらいました。
勘太郎君、ホントに楽しそうに踊ってましたよー。いやー至福至福。
団子売
こちらも舞踊です。
この日観た時もそうでしたが、バックの風景は太宰府天満宮。
博多座での公演という事で、縁の風景にしてるそうです。
愛之助さんの杵造、亀治郎君のお臼。
短い舞踊ながら見応えがある部分が、杵造とお臼がひょっとことおかめの面をかぶって踊るシーン。
それまで若々しかったお臼がおかめをかぶるとお婆ちゃんみたいな動きになって面白いんです。
踊りには定評のある亀治郎君、たっぷり楽しみました。
ここで昼の部は終了。
すぐに夜の部が始まります。