長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

今夏、下北沢で…湖龍斎展@武蔵屋画廊

2024年06月26日 13時37分11秒 | お知らせ
お暑うございます。
昨日、初日を迎えました。
ご来場の皆さま、ありがとうございます。

浮世絵好きの方々にも、あまり耳慣れない、マニア向けの企画、礒田湖龍斎の作品をおたのしみ頂きながら、三味線の音色や、日本の古文の表現力の深さに廻り逢うひとときをお過ごし下さいませ。





すぐりと白い紫陽花、野イチゴの葉っぱがお迎え致します。
いけ込みは、東石川小学校五年五組、生け花クラブ、小林麻里さん。



ライブは鍾馗様の御前にて、そよそよと爽やかにお届けしております。
長唄の番組は、湖龍斎の深川八景シリーズにちなみまして「巽八景」、ダイジェスト版の「廓丹前」、「吾妻八景」
謡曲は「班女」クセ、「江口」キリ、「花月」小歌などを日替りで演じます。

曇り空のお出掛けに、暫しお立ち寄りくださいませ。
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見て聞いて愉しむ浮世絵展@下北沢を開催します

2024年06月16日 07時16分16秒 | お知らせ
昨年9月に開催しましてご好評賜りました、
横山實先生の浮世絵コレクション展。
昨年の鈴木春信から、今回は、彼の次世代である、
多彩な浮世絵を遺した礒田湖龍斎/いそだ・こりゅうさい
の特集をご覧いただきます。

伝統芸能に携わる若手の勉強会として
コラボライブも同時開催いたします。

会期は、6月25日(火)から30日(日)
場所は、下北沢の武蔵屋画廊さまにて。
連日、午前11時から夜7時まで、開廊しております。
ご観覧は無料です。

連日、昼下りの2時と夕方5時から
日や時間替りで、作品世界に関連する
長唄と謡曲のライブを上演しました後、
横山先生の解説をお聴き頂けます。

詳細は追ってお知らせいたします。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

フライヤーの浮世絵は、
『青楼藝子俄狂言尽/せいろう・げいこ・にわか・きょうげん・づくし』by礒田湖龍斎
毎年八月に開催される吉原の祭礼・俄での演し物の一つを描いたもの。
相撲の力士、行司に扮装した仕手の、しぐさや拵えの細部にわたっての意匠も見事です。
おたのしみに‼️ (*>∀<*)



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旧暦五月五日に生まれて…(三つ子の話)

2024年06月13日 00時55分15秒 | ベランダ実記
令和6年6月6日をうっかり遣り過してしまった。
これはホラーファンとしては失態である…と、トクオウは臍を嚙んだ。
(そうじゃないだろ、邦楽家として別な記念日があるでしょ!との𠮟責は扨措き)

決してへこたれない逆境好きな私としては、このところハマっている新作華ドラ「始皇帝 天下統一/原題:大秦賦」での秘策ありの呂不韋の如くニヤリとして…
今年の6月10日は、旧暦に換算いたしますれば令和六年五月五日…なんと端午の節句であり、そればかりか入梅にもあたるのだ。
(ここで申す入梅とは、気象用語としての梅雨入りのことではなく、雑節の一つ、五月に入って最初の壬/みずのえの日のことを言うとかや)

そして何とパーフェクトなことに、雨降る月曜日だったのが、この二〇二四年にして旧暦の皐月五日だったのだ。
昨晩、やや黒みを帯びてきた気儘な場所でサナギになっていた当人を窺えば…
同日あさ7時半


2時間後の9時半、さらに摺墨の如く…


そして10時。


もうすぐ蛹からバリバリバリっと新たな生命体が誕生しそうな薄皮一枚の状態なのだが…
見るたび少し変わったような気もしながら全然変わらないので、手持ち無沙汰の余り、ほかの蛹に目を遣れば、なんとこちらも虫がかぶっているような…


反対方向からの数時間後。


コロナ禍下であれば兎も角も、そうそう揚羽蝶ラプソディーな状況にもいられない。
持つべきものは固定三脚&撮影機。
…そんなわけで苦節何年か、やっと、安定画像にて羽化の瞬間を捉えることが出来ました。
ご覧くださいませ。

吃驚したのは、口吻がプラモデルの型の如く、長いままでサナギの中に在ったこと。
羽化したての成虫が、いつもクルクルクルっと巻いたり伸ばしたりしてたのは、支障がないかの確認作業だったのだ。
そして管は二本存在していて、先が二股に分かれているのではなく…

荒天で肌寒い月曜日に待つこと5時間。
午後3時にようやく羽化したのだった。







摑まりづらいところに30分ほども止まっていたので、脚がお疲れになったのでしょう、3本目を2本目に掛けて休んでいる様子。



お節介かもとも思ったが、こちらも落ち着かないので落ち着く場所へご案内。



やっとホッとして、我も仕事に没入。
さて、所用にて出かける時間になった1時間後、お別れを申さんとベランダへのサッシをガラガラガラっと開けると、ガラス戸に別人がへばりついていて、バタバタバタっと、慌てふためき飛び上る…思い掛けない展開に私もビックリ。
取って喰うわけでもあるまいに、そんなに警戒しなくても…と、こちらが気の毒に思うほど、まだ羽化したてでよく飛べないので、アタフタ低空飛行のまま、簀の子の下の床下に潜行。
何処のサナギの子だったかは不明。



仕方ないからほっとくことにして、ぁぁそうだ、ユーレカ新荘に目を移せば、こっちも既に羽化している…



三者三様の羽化その後。
一日のうちにアゲハチョウ三頭が無事羽化し、おおそうだ…これは過日、転宅記事にてご紹介申し上げた、ゆりかごヴィラからユーレカ新荘に自主引っ越ししてきた三匹のツワモノどもだったのでは!と、気がついた次第。

標題写真は、羽化直前の蛹を上方から。
ピラミッドに副葬された黒猫にも似て。

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with a little bit of luck!(運よき男の話)

2024年06月09日 06時35分40秒 | 折々の情景
彼は運のよい奴なのです。
それは土曜日の朝のこと、ずいぶんと黒くなって羽化も間もないと思われるベランダの蛹を訪うこと幾たびか…9時半を回り10時近くなって、再々ながらふと見ると、黒い頭がムクムクと殻を抜け出すところでした。
すわ、撮影を…と室内に戻りおっ取りスマフォを手に駆けつけてみると、アニハカランヤ(変換できませんね…)何とどこにも見当たらず、正にもぬけの殻の脱けがらだけが取り残されておりました。



あまりに拍子抜けして間の抜けたことに鼻白んで、一体どうしたことか…と呆然と暫し佇んでいたものの、ひょっとして…と、テーブル下に雑然と積まれた園芸道具を周章てて取り除けると、床下の泥濘にペチャリコンと白いお腹を見せて仰けに転がっているものがおりました。
翅はまだクシャクシャで何か別な虫のようで、固まって動かない様子に、もう息絶えたのだろうかと、ぎょっとしつつも中空に突き出した脚に指を近づけてみると、必死に掴まってきます…

どうなることかと案じておりましたが、そのまま指にぶら下げておりましたら何とか翅も伸びてきたので、彼の将来を担う重責から私も解放されたい…と、彼が埴生の宿たる第一マイヤー荘へ。



今季はじめて、幼虫からの一期生一番手を見送りたかったのですが、私も渡世のため午前中に棲み処を後にしなくてはなりません。
気をつけて行ってらっしゃいね、変な虫や鳥に食べられないように気をつけるんですよ…と声をかけた私が見た彼の最後の姿が、



わずかな間にすっかり大人の顔をして、一人で大きくなったような風情ではありますまいか。
羽化する瞬間を私に目撃されていなければ、ひょっとすると羽化不全で儚くなってしまっていたかもしれない…
いのちの分かれ道はほんのちょっとしたところが、ターニングポイント。
…してみると、彼は本当に運がよい蝶々だったのです。

翌朝、無闇と早く目が覚めてしまいました。
小鳥たちの囀りがあまりに朗らかで、高原の避暑地に来た気分さえする日曜の朝5時前です。
風と共に去った運のよいヤツに、ばったり再会出来ないものかと久しぶりにお隣の公園へ。





植栽が変わっていないようで変わっていて、なるほど流れる川の水は同じように見えて同じでないように、生えている草々も、緑色の濃い薄いがあるだけでなく、種類までもが違っているのです。宿根草は必ずしも永遠ならず…
中国の古典籍のような名前の草に往き遇いました。(…あれはセンゴクサク(;^ω^)ゝ



しかし、それにつけても今年はどうしたことか、虫一匹も見当たりません。
ジョギングをするでもなくふらふらと朝歩く人が、私のほかにも意外と多いのは驚きでしたが、昆虫の姿が見えない…
池の水面をアメンボが…そしてトンボが数匹。
以前はもっと蝶や蛾やガガンボのようなものが舞い、カイツブリの雛が雨に濡れた石積み際をヨタヨタ彷徨してたりして、それなりに生き物と自然の在りようが面白い場所だったのですが…

ここ何年か、東京都内の公園に改造の手が伸びて、樹齢何百年もの惜しい大木だけでなく、井の頭公園の御殿山雑木林の灌木や下草が随分きっぱりと払われてしまいましたが、以前そこを生息地としていた虫たちへの影響が、今、眼に見える現象として顕れているのかも知れません。



小学生の頃、愛読書だった福音館書店の大草原の小さな家シリーズの、プラムクリークの土手で…という本のタイトルがふいに浮かび、同時期に流行ったホリーホビーというアーリーアメリカン調ボンネットスタイルのキャラクターを想い出しました。

あの運がよい、昨日飛び立っていった我が家のアゲハチョウは、果たして運よく伴侶に廻り合えるのでしょうか…
昆虫の居ない街で……
何やら寂しい鈍色の景色です。


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ちびと青

2024年06月08日 07時59分07秒 | 近況
飛べぬ人間でもバタバタする事があって、しみじみと植木の世話をすることも侭ならぬ。







葉陰で羽化を待つものも居るが、気儘な場所で蛹になったものもいる。





彼の出立を見送れればよいのだけれど。
コメント (2)
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