長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

しゃみせん指南

2019年04月26日 07時55分25秒 | 已むにやまれぬ企画実験記録
 今からでも間に合う、穴場観光地。
 こちらにございます。

 三味線体験講座です。
 混んでいる場所は苦手。
 連休中の予定を決めかねている。
 ★でもちょっとだけ新しい体験がしたい。

 そんな皆さまに、三味線のあれこれをお伝えしつつ、弾いていただきます。
 ご希望を伺い、体験する曲を決めます。
  平成を締めくくる体験
  平成31年4月28(日)29(月)下北沢・杵徳会稽古場 終日
     無料体験講座です。予定時間は40分ほど。ご希望時間をご予約くださいませ。
     お申込みは電話 0334680330へ、お願い申し上げます。

  令和を始めたい体験
  令和元年5月1(水)2(木)、4(土) 2日のみ西池袋稽古場 1日及び4日は下北沢稽古場
     無料体験講座です。予定時間は40分ほど。ご希望時間をご予約くださいませ。
     お申込みは電話 0334680330へ、お願い申し上げます。

 日々をほのぼの、わくわくと。
 こころに灯台を、持ちましょう。
 そんな何かしら…シャイニング、スパークリングするものをご希望の皆さま、光をお分けいたします。

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シロツメクサは見ていた

2019年04月14日 17時14分50秒 | 近況
 何たる不覚。何たるプロ意識の欠如。なんという不心得者。
 …なんということでしょう、4月早々のど風邪をこじらせ、2週間ほど臥せってしまいました。
 処方薬が体に合わず、快方と悪化を数日ごとに繰り返し、万事休す、もうどうしていいか分からない状態に陥ったのが先週中頃。
 土曜日の二時間待ちの診察室をやり過ごして、やっと新処方のお薬で、こうしてコンピュータに向かう心のゆとりが…
 申し訳ないことでございます。お稽古を休んでしまってごめんなさい。

 我が喉頭蓋は不思議なことに二股に分かれており(古びたこと二十年といわず、生まれた時から猫又なのです)、のどの奥がぴたっと閉まらず、黴菌の侵入を防ぐに不利なので、幼少期は季節の替わり目に必ず熱を出していた扁桃腺持ちなのです。
 (熱が出ると桃の缶詰を食べさせてもらって元気になるという、昭和のころありがちな類型なのでした)

 しかし、無類の桜好きの日本人の端くれとして、一年にたった一度のこの時季に、桜を見ずに過ごすなんて考えられない!! ちょうど西暦二〇〇〇年、平成12年の春、千鳥ヶ淵に友人と花見に行き、花冷えにあてられ体調を崩して寝込んで以来の不祥事でありました。
 (それだって、花見に行ってから熱が出たのであって、見過ごしたわけではないのです)
 しかも平成年間、最後の花見なんですぜ……

 そんなわけで花見に対する執念を家人が憐れみ、時間が取れたある平日の昼下がり、遠出はできないけれども都下で何とか満開の桜に巡り合えぬものか…と桜狩に出掛けました。なんとまぁ、ありがたい。関東平野と武蔵野台地の丘陵地、標高差・気温差に感謝。

 病床にて見えぬ桜を思い描いておりましたところ、小学校高学年だったか…の時に読んだ福永令三著『クレヨン王国の十二か月』の、三月だったか四月だったか、嘘ばかりつく鳥が桜の花びらに巻かれるシーンを不意に想い出し、あの鳥はウソだったか、シジュウカラだったか…まったくたどり着けない記憶の底を情けなく思っていたところ、お隣町の耳鼻咽喉科2時間待ちの待合室で、本当に吃驚するほど偶然に、しかし、当たり前のように、端然と病院の本棚に微笑むように在ったのが、その、クレヨン王国の十二か月、その本そのものだったので、とてもとてもびっくりしました。
 (手に取ってみて、しかし、むかし私が読んだのと若干内容が違うような気もいたしました。実を申せば昭和45年前後の小学生の私は、その作品に惚れ込み、図書館で借りたものだったので、手元に残すために本文を四百字詰めの原稿用紙に写したのです。ただ、何章分だったかは忘れました。自分の性格として全部が写文できたとは思えませんし…)
 ぁぁ、もう明日は日曜日か…と昨晩またまた脳裏をよぎったのは『らいおんみどりの日曜日』という児童書のタイトルでした。
 
 走馬灯のように子ども時分の記憶が…ぁぁ、もういけないかもしれない………

  名残りの桜


【追記】
 カタカナの“シ”と“ツ”の書き分けができない手書きの文字を見ると、心が波立ちます。
 昭和の国語の先生はきちんと教えてくれたのです。
 ひらがなの“し”の派生なので、縦にチョンチョンがつづいて、しゅっと右上にはね上げるのが、シ。
 同じく、ひらがなの“つ”から生まれたので、横にてんてんが並んで、シュッと左下にはらうのが、ツ、です。
 お習字は英語より必修だと思います。
 日本文化を世界に発信したいのなら、尚更。
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群生

2019年04月01日 11時00分00秒 | きもの歳時記
 ♪3月31日と4月1日の間に~~~と、歌い飛ばすにはつらい、制度の替り目が在って。
 じたばたしているうちに平成30年度は仕舞ってしまった。

 仕方ないので花見しょ、とお向かいの公園へ、桜のご機嫌伺いに。
 ふと見ると、昨年まで天南星が咲いていた傍らに、なんと今年はカタクリが咲いているではありませんか。



 なんとまぁ、めずらしい。
 20世紀から21世紀にかけて、カタクリの花が咲く、というと珍しいので埼玉県の群生地が必ずニュースになっていた、その便りを聞かなくなったなぁ…とふと思い立って、お彼岸の青青会@杉並能楽堂へ、稽古の都合もあって、もう何年かぶりでカタクリの織り帯を締めて行ったのがつい10日前のこと。
 まぁ、片栗の帯ですね! と声をかけて下さった見所の有難い見知らぬタバリシチに、絶滅種のシンパシーをしみじみと。
 これはもう25年前、上野の広小路の佐野仁さんのショーウィンドウで一目惚れして求めた黒地の八寸でした。
 きものの柄の約束事の一つに、四季折々の花はシーズンに先駆けて装う、というものがありまして。



 ただし、桜はその限りではない。
 …そんなお話を始めるとキリがない。
 街に、季節感を感じるきもの姿が少なくなったのが、平成も半ばから末年頃のことでした。(守貞漫稿風記録)

 雨という天気予報が、思いのほか晴れ晴れとして、平成31年度4月の最初の空に雲は流れゆく。




 
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