長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

最後の紅

2024年11月29日 12時00分43秒 | 折々の情景
さて、当方のささやかな庭には、レモンの鉢植ばかり12本(全てアゲハチョウの食用)、それに付随する実生の檸檬苗数鉢、八朔、甘夏、2年目の柿…など、植木ばかりなのですが、
今年は羽化不全のアゲハチョウ対策として…人工受餌も可哀想だし此方も切ない思いを致しますので、香華の意味合いもあって、夏前に色物を購入したのでした。

園芸店の店先で、はて、どのような花が蝶たちの好みであろう…と暫し佇んでおりましたところ、1頭のシジミチョウがひらひらひら…と、花に戯れ舞い遊びながらお食事を。
そんなわけで飛ぶ蝶に教えられ、カムパニュラとジニア(百日草)ともう1つ…初めて知るスカエボラ タッチという半円状の、扇を広げたような形の花が増えました。


↑今夏7月13日撮影の、スカエボラに揚羽蝶。

思いつきで9月も末に食した後の種を蒔いたスイカの苗も、立派な蔓を伸ばし花を咲かせるまでに育っていたのですが、季節の移り変わりには如何ともし難く、十日夜(とおかんや)過ぎには…柴田是真の画題になりそうな風情をしのばせながら立ち枯れてしまいました、その庭の片隅に、百日草との名にたがわず、150日ほども次々と花を咲かせていたのが、表題の写真です。

同朋は緑っぽい白茶けたスモーキーな色合いだったのですが、ひときわ鮮やかな。
今季、最後の紅(くれない)。

かたや、



ビアフランカ種に1つだけ、レモンなのにこれまた丸い、西王母のような檸檬が実りました。
今日もよいお天気です。

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常磐の庭(ときわのにわ)

2024年11月25日 09時05分00秒 | お知らせ
常磐なる当家のレモン樹の消息をお伝えしたい…と思いながら諸事情あってノートパソコンが開けず(またもや怪しのインターネット…( ω-、)) ……

幼虫たちも冬眠に入り、すっかり静かになったベランダの我が庭にお水を遣りに参りますと、柿の苗の葉が一ひら…

この柿の苗(木と呼ぶには小さい)は、ちょうど去年の秋の日、食した柿の種が余りに立派だったので、ふと植えてみた6粒のうち、生き残った一人なのです。

レモンは常緑樹ですが、柿の木は落葉樹ゆえ、黄葉したのでした。
昨冬はそれに気づかず、双葉の頃からずいぶん気を揉んでいた私でした。
夏には朝夕お水を上げても葉っぱがしんなりと萎れるときもあって、おやおや、柿の木はレモンよりも水が大層必要なのだ、とビックリしたものです。

果樹の指南書に、柿は水切れに弱いので、乾燥防止の為に冬場は根方に藁を敷きましょう、と有ったのですが、悲しいかな、現代日本。藁が無いならおが屑を敷けばいいじゃない?(ホントかな…)と思い付き、過日頂戴したユリ根の梱包材を取っておいたのを、敷いてみました。

さて、今週木曜日の夜、渋谷の伝承ホールにて、第14回を迎えます伝統長唄伝承の会、演奏会がございます。
有難いことに、私もお教えを賜りまして、十世 杵屋六左衛門 作曲 『常磐の庭』に出演致します。

この曲は、お能でいえば『融』のような、作庭に命を懸けた大河内伝次郎のような、ガーデニング好きには堪らなく愉しく美しい曲です。
名曲のフレーズも断片的に織り込まれていて、名物裂の切り嵌めのような手練れによるパッチワークの如き造りでもあります。

江戸時代にはお浜御殿(現・浜離宮庭園)のお隣に在った、藝州広島潘の下屋敷のお庭を眺めつつ、嘉永四(1851)年のその当時日本国内に存在した、作詞者が好ましいと感じた様々な名景勝の情景に喩えたり、思い起こしたりしながら(歌舞伎舞踊『汐汲』や子持ち山姥を連想する詞章も散見します)を詩情溢れる歌詞で綴ります。
日本の風土の美しさが殊更に感じられる、四季折々の情景を描いた女性的な曲です。

お時間かないましたらお越し下さいませ。
鋭意、お稽古中です。
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