長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

野辺は緑

2023年04月28日 03時04分14秒 | 折々の情景
この一週間は諸事につき、写真を撮る心のゆとりとてなかった。
越冬さなぎのほぼ総てが、透明な抜け殻となり、ベランダのそこかしこに残されている。
やっと環境整理ができる…と安堵に伴う若干の寂寥感が…しかし、責務を果たして空に同じく晴れ晴れとする。

昨年収穫したレモンの種から実生の苗が育って、少しずつ寸を伸ばしている葉っぱに、此方を食べられては大変…と、先週まで気をつけてハーブから精製された防虫剤を撒いていたのに、すっかり手薄になっていたところへ、今朝の発見。

早くもアゲハチョウのお母さんに新たな命を託された者としては…善処するしかあるまい。
孵化したらお隣の鉢の、大きい樹の葉っぱに移住させるとして、さてはて息をつく間も無く、再び生き物の動向に気をめぐらせる季節が到来したのだった。



出先の所用が済み、久し振りに日比谷公園を散策する。
チューリップの花弁が散った花壇で、巣立ったばかりの小雀たちが、ちょこちょこと何かしら啄んでいる。
♪スズメがね、お庭でちょこちょこかくれんぼ…と、幼い頃、母が童謡のレコードをかけてよく聴かせてくれた、眞理ヨシコの歌声が耳に浮かぶ。

かつては灌木で鬱蒼としていた園内は、虎ノ門に日参していた30年前とは随分雰囲気が変わって、下草が整備され、樹下には雑草然としたネモフィラなどの植栽がなされ、むしろ貧相である。
噴水広場の芝生に、かつては見事なバラ園があったはずだが…。
園庭の手入れの予算を減らしては文化国家とは言えまい。

平成ヒトケタ時代、調べものというよりは、日中の息抜きのため周辺のビジネスマンや学生で溢れかえっていた日比谷図書館も、日比谷図書文化館と名を変え、ひそやかに存在していた。
日常が人々の活気で溢れていたあの時代から、何がどう変わって現在の日本になってしまったのか…人も疎らな虎ノ門のバス停に佇み、私は考える。




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けさの昆虫

2023年04月20日 08時21分46秒 | 折々の情景
オードミュゲの爽やかな匂いに誘われ、羽化したばかりなのか、名も知らぬ蠅とおぼしき昆虫が一匹。
スズランには毒が有るらしいけれど、大丈夫でしょうか…
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通り雨

2023年04月16日 16時36分28秒 | 趣味です。
今朝方、一昨日羽化した蝶が悪天で雨宿り三日目の朝を、いのどんと共に迎え、出掛けに様子を伺えば、もう一頭が羽化し、
昼過ぎに戻ればもう蛻の殻と思いきや、新たにもう一匹が羽化しており、
昼下りの諸事を済ませてベランダを覗けば、また一羽がふらふらしている、

https://youtube.com/shorts/jq9-RYtDUdw?feature=share

https://youtube.com/shorts/W2YnEPzXOWU?feature=share

もう、今日は何頭見送ることになるのか…とよく分からなくなっているところで、レモンの葉陰から二頭を陽光のもとに見送ると午後三時を過ぎていた。

今日はもう羽化ラッシュもお仕舞いであろうと、いのどんのご機嫌を見やり、床のあちこちを確かめて戸締りしようとするところへ、バケツの蔭でバタバタする者がいる。

羽化したてで翅がへなへなしており、放っておけば歪んでしまう。
慌てて指を伸べて、網戸に留まらせると、何となく傾いでいる。

レモンの枝振りの水平にぶら下がるのに良さそうなところへ、移し替えた。
どうやら曲がらずに翅が伸びる場所に居られそうである。

陽射しを遮る暗雲で天気は一転し、バラバラと音を立てて雨が降ってきた。
先ほど旅立った連中はどうしていることか、
遅れて羽化したのが、逆に運がよい彼は、ひょっとすると昨秋最後の一匹だった青虫の成虫かもしれない。



【追記】
暮れ六つを過ぎて夕闇の中を透かし見たところ、レモンの葉に乗って、ウィンドサーフィンに興じておりました。遊びをせんとや、生まれけむ。


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つゆのひぬま

2023年04月14日 10時41分01秒 | ベランダ実記
 このところ一日の最低気温が10℃を超えているので、そろそろ本格的な昆虫たちの季節が到来したのでは…

 ♪気は早やモミジ…(長唄「越後獅子」の一節)ならぬ新緑の、気がせくので今朝も5時半に目が覚めてしまいました。



 下のほうから釣り鐘が姿を見せ…つまり、鈴蘭が徐々に花開いておりますのに目を止めると、なんと!
 葉先に朝露がこぼれていて、尚いっそう可憐。

  〽つゆのひぬまの スズランの…(改作…(;^ω^))
 文楽で以前はよく通しで上演していた生写朝顔日記の歌、そしてまた、上村松園画伯の深雪の絵を想い出しながら。



 写真だけは撮って纏める間もないまま、当家では昨日7番目の越冬サナギが巣立っていった模様。
 (すっきりした脱け殻が、ベランダに遺されておりました)
 今週の火曜日に三頭ほど羽化したのですが、一頭は何故か翅が伸びず羽化不全に。





 ロールスロイスの女神さまのように翅がたなびいております。
 レモンの花がようよう咲いたので、ポカリスエットよりは…と、蜜が吸えるか心配。






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そは誰人の子なるぞや…

2023年04月06日 09時09分35秒 | ベランダ実記
おはようございます。
昨日は清明でした。
今日が入学式の皆さまは、おめでとうございます。
昨晩早く寝てしまい、ふと、何とはなしの胸騒ぎに目が覚めました朝七時半。



スズランの花芽は雨後の筍のよう。
毎日どんどん伸びます。
ふと網戸側に目をやると、アゲハチョウが強風にあおられハタハタしておりました。
こは、如何に…Σ(・ω・ノ)ノ



把握しております十数匹の越冬サナギの所在を確かめますと、皆スヤスヤと春眠中。
さては、どこかで密かに蛹になって、この春、いち早く無事羽化したか…と思うと感慨深いものです。

ちょこちょこ歩むうしろ紐
♪さても優しき童べと 顔しけじけと打ち眺め

♪そは、たれびとの子なるぞや…

…切禿(きりかむろ:長唄に二種類ある『土蜘/つちぐも』のもう一つの方の曲)の一節。

♪月の澄む 軒端にかかる ササガニの…

本日は、旧暦令和五年、閏の二月十六日。
夕暮れて望月が出るとかや。

風雲急を告げる春の嵐の到来か、薄曇りの朝陽のなかで旅立つ健気な蝶が一匹。
皆さま、今日もお気をつけてお過ごしくださいませ。
檸檬の花も咲きそうです。



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5年目の快哉

2023年04月04日 10時32分02秒 | ベランダ実記
令和婚を祝すために探していた鈴蘭の鉢植えの運命を、密かに案じて下さった方はいらっしゃいますでしょうか、

↓昨年度末、3月29日(水)のスズラン近影。



今年の新芽は何やら恰幅がよいなぁ…と思っておりましたら、
三日見ぬ間の四月馬鹿の朝、おや、随分瑞々しく育った…と、写真を撮る間も無く過ごして、昨日4月3日(月)近影↓



今年もノボタケで元気に育ちそうだなぁ…と嬉しく思っておりましたが、お水遣りの今朝……‼️
何と、花芽らしきものが顔を覗かせておりますょ(*>∀<*)

5年目の奇跡でしょうか、
よく育ったものであります。
無事に花開きますように…

【追伸】
今季の越冬サナギはお寝坊さんです。
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