長唄三味線/杵屋徳桜の「お稽古のツボ」

三味線の音色にのせて、
主に東経140度北緯36度付近での
来たりし空、去り行く風…etc.を紡ぎます。

スイカの収穫

2024年12月08日 16時18分39秒 | ベランダ実記
 自分でも訳の分からない状況なので、気を静めるために客観的作業である文章というものをしたためてみむ…と致しまするに、
 先程、うちのベランダで西瓜がとれました。



 きのうは二十四節気のうち大雪でありました。
 この秋口に突如、甘夏の棒苗を一株購入する成り行きになり(この顛末は後日…)、ちょうどよい鉢が無く、根方が土から少々はみだし、上方の根が空気に曝されたままになっておりましたのが、とても気に懸かっておりました…しかし、哀しいかな…季節労働者的演奏会&行事シーズンはshow must go on的に進みます…
 
 ふと、懸案事項の甘夏を植え替えなければ…と思い立ち、鉢を新たに買いに行っている暇がなければ、手持ちの鉢植えで代替できるものはないか…と、ロケットの損傷を積み荷内の別な器具や道具で修理し、乗組員を無事生還させたアポロ13の映画の1シーンが想い浮かんだのです。

 …そこで、実生3年目でありながら、若干大きめの鉢にて育成中のレモン苗(ゆりかご荘の一つ)と、鉢を交換しようと思い付きました。
 その作業は無事済んで……更に、実生のレモンの苗で、ふた粒が密接に生えて、想夫恋や玄宗皇帝と楊貴妃を詠った詩…連理の枝のように育っている鉢へ思いが及び、さてシャム双生児の手術を決断する時が来た…と掘り起こしてみましたら、根が別々に生えており無理なく分けることが出来ましたので、無事に空いていた小振りの植木鉢へ、おのおのを。
 …しかし、何という事、ここへ来て土が足りないことに気がつきました。

 ふたたびNASA地上スタッフの出番です。
 …そうだ、この9月、酔狂にスイカの種を植えてみたプランターに、今は枯れてしまったけれど、余分な土が、あったではないの…!!

 というわけで、ハスラーの手になる撞球の玉の如く、ほぼ奇跡的な顛末ながらもベランダの外界との際の、レモンの鉢の向こう側に捨て置かれておりましたプランターをよっこらしょ、と持ち上げてみましたところ、ゴトン…と、手摺りの向こう側で鈍い音がしました。
 一体何が…そんな錘のようなもの置いてあったのだろうか…鳥が何か運んできたのかしら…
 と、恐る恐る、レモンの向こう側を覗いてみましたら…丸い瓜のようなものが。





 夏も終わって、あだに黄色い花が咲いた…とばかり思っておりましたが、立派に結実していたのでした。
 大きさは、現在生育中のレモンの実よりちょと小さいぐらいです。



 蔓が枯れなければもっと育っていたのかも。
 しかし、植物とはなんと健気なものでしょう。
 負けずにお稽古に励まなくては…

 西瓜を育てたプランターの土を流用するのも申し訳ない気も致しましたが、檸檬にいのちを繋ごうと、二株に分かれた新・ヴィラゆりかごも誕生し、せわしない12月の初旬に暫し、清々しさを補充したのでした。

【追記】
気まぐれに蒔いた西瓜の種から芽が出て花が咲いたのは、いつ頃だったのか…
撮り溜めていた写真を調べてみましたら、
いくつか咲いた花も、終わり際になっていたのを
最後に撮影したのは10月5日のことでした。



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緑になるまで

2024年08月28日 23時45分26秒 | ベランダ実記
 昨夏の我がレモンの庭では、青虫に寄生する生物の魔手からの防衛対策が主眼となっていたのですが、酷暑に喘ぐ今年は、新たなる災厄がアゲハチョウたちを襲っていました。
 暴風や豪雨から生き延び蛹化したものの、もうすぐ羽化する様子を見せながら、眠りから覚めないサナギが多数発生する状況となったのが令和6年の八月でした。
 さながら『猿の惑星』などの20世紀のSF映画で、宇宙船がどこかの惑星に漂着するも、睡眠装置の故障で目覚められなかった宇宙飛行士たちのように…
 この“かえらぬサナギ”問題は、レモンの国の森番の心象に暗い影を落としたのですが、一方で、無垢なる幼児たちは炎熱地獄をものともせず、葉陰で一心に檸檬樹を蚕食するさまは、また、森番の心に、ひと時の安らぎを齎してもいたのでした。

8/15 人間の鬱屈をよそに、今日もアゲハチョウのお母さんたちの来訪で賑わうレモン林に散在する、ゆりかご荘に産み付けられた瑞々しい卵を発見したのは、79年目の終戦の日のことでした。(表題写真)

8/17 7:10AM 卵が褐色みを帯びてきました↓


同日 12:39 孵化しました↓


8/18 7:14 お食事に出掛けました↓



同日 9:04 生まれた場所が彼の寝床のようで、いつもの場所に戻っていました↓


8/19 8:44 二齢幼虫に脱皮↓


8/20 7:05 食欲旺盛。


8/21 7:26 トゲトゲ虫(三齢幼虫)に進化↓


8/22 8:40 恰幅がよくなる↓


8/23 9:48 おそらく四齢幼虫に↓


8/24 8:19 だいぶ大きくなりました。


同日 16:29 いつもの場所で大人しく↓


8/25 8:15 居続け↓


8/26 7:51 地色がやや緑に↓


同日 9:31 終齢幼虫(アオムシ)に脱皮しました。



同日 17:27 青虫生活の始まり。


8/27 7:36 ゆりかご荘から大きい枝葉のラフマイヤー南荘へ、自主的引っ越し計画推進中。


8/28 6:55 昨晩お引越し完了。新居にて。



 雨に濡れて、空き店(だな)となった、みどりちゃんになるまでの育ての親。


 だいぶ脛(葉ですが)を齧られました。
 蝉の声もやみて吹きくる風に、秋だなぁ…と、つるべ落とし。
 
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旧暦五月五日に生まれて…(三つ子の話)

2024年06月13日 00時55分15秒 | ベランダ実記
令和6年6月6日をうっかり遣り過してしまった。
これはホラーファンとしては失態である…と、トクオウは臍を嚙んだ。
(そうじゃないだろ、邦楽家として別な記念日があるでしょ!との𠮟責は扨措き)

決してへこたれない逆境好きな私としては、このところハマっている新作華ドラ「始皇帝 天下統一/原題:大秦賦」での秘策ありの呂不韋の如くニヤリとして…
今年の6月10日は、旧暦に換算いたしますれば令和六年五月五日…なんと端午の節句であり、そればかりか入梅にもあたるのだ。
(ここで申す入梅とは、気象用語としての梅雨入りのことではなく、雑節の一つ、五月に入って最初の壬/みずのえの日のことを言うとかや)

そして何とパーフェクトなことに、雨降る月曜日だったのが、この二〇二四年にして旧暦の皐月五日だったのだ。
昨晩、やや黒みを帯びてきた気儘な場所でサナギになっていた当人を窺えば…
同日あさ7時半


2時間後の9時半、さらに摺墨の如く…


そして10時。


もうすぐ蛹からバリバリバリっと新たな生命体が誕生しそうな薄皮一枚の状態なのだが…
見るたび少し変わったような気もしながら全然変わらないので、手持ち無沙汰の余り、ほかの蛹に目を遣れば、なんとこちらも虫がかぶっているような…


反対方向からの数時間後。


コロナ禍下であれば兎も角も、そうそう揚羽蝶ラプソディーな状況にもいられない。
持つべきものは固定三脚&撮影機。
…そんなわけで苦節何年か、やっと、安定画像にて羽化の瞬間を捉えることが出来ました。
ご覧くださいませ。

吃驚したのは、口吻がプラモデルの型の如く、長いままでサナギの中に在ったこと。
羽化したての成虫が、いつもクルクルクルっと巻いたり伸ばしたりしてたのは、支障がないかの確認作業だったのだ。
そして管は二本存在していて、先が二股に分かれているのではなく…

荒天で肌寒い月曜日に待つこと5時間。
午後3時にようやく羽化したのだった。







摑まりづらいところに30分ほども止まっていたので、脚がお疲れになったのでしょう、3本目を2本目に掛けて休んでいる様子。



お節介かもとも思ったが、こちらも落ち着かないので落ち着く場所へご案内。



やっとホッとして、我も仕事に没入。
さて、所用にて出かける時間になった1時間後、お別れを申さんとベランダへのサッシをガラガラガラっと開けると、ガラス戸に別人がへばりついていて、バタバタバタっと、慌てふためき飛び上る…思い掛けない展開に私もビックリ。
取って喰うわけでもあるまいに、そんなに警戒しなくても…と、こちらが気の毒に思うほど、まだ羽化したてでよく飛べないので、アタフタ低空飛行のまま、簀の子の下の床下に潜行。
何処のサナギの子だったかは不明。



仕方ないからほっとくことにして、ぁぁそうだ、ユーレカ新荘に目を移せば、こっちも既に羽化している…



三者三様の羽化その後。
一日のうちにアゲハチョウ三頭が無事羽化し、おおそうだ…これは過日、転宅記事にてご紹介申し上げた、ゆりかごヴィラからユーレカ新荘に自主引っ越ししてきた三匹のツワモノどもだったのでは!と、気がついた次第。

標題写真は、羽化直前の蛹を上方から。
ピラミッドに副葬された黒猫にも似て。

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吹く風険し

2024年05月06日 03時22分59秒 | ベランダ実記
5月5日はこどもの日だ! と言うことで、旧Twitter界隈では、昭和の頃の懐かし子どもTV番組の映像がタイムラインを賑わせていた。
旧暦とのダブルスタンダード生活を愉しむ私は、今日はまだ月暦三月廿七日なのだからして、端午の節句とは笑止なり…と、殊更こどもの日らしき話題を呈じようと、早くもすくすくと育ちつつある今季次世代アゲハチョウの幼虫近影を投稿してみむとするなり。



この葉っぱには既に産み日が違う複齢の二種類の幼虫が居りますが、小さい方の2匹は、つい2日前の5月3日に…



網目越しに揚羽蝶のお母さんが、



複数の旧居に託していったものです。
夕方から余りに強風になったので、飛ばされるのは自然の作用とて仕方あるまい…と自然にすべてを委ねるアゲハチョウ放任主義を貫く私も、些か気が咎めて、スツールの陰に植木鉢を移動させたのでした。
すると、向きを変えた実生からの2年目の小振りのレモンの苗木に…



三つ子ちゃんが飢餓地獄に落ちぬよう、移住出来る大きさまで育つのを見守らなくては…



実は昨夏、ご報告出来ぬままにいたのですが、増えすぎる幼虫たちをかつえさせぬ為、幼虫の食欲を案配しつつ二鉢ずつ買い足しておりますうちに、新たに7本のレモン樹をベランダに投入いたしておりました。
植木屋さんは「楽しめるのは来年になりますが…」と、結実めあての購入とお感じになったようでしたが、花屋さんにも檸檬の木にも申し訳ない…違った意味での食用なのでした…
…と言う訳で、ご説明が長くなりましたが、5月1日撮影、ラフマイヤー種の花の様子。佳い香りが致します。



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雄々しき虫

2023年10月13日 17時55分55秒 | ベランダ実記
 夕暮れ時に、檸檬の枝先でキッパリと世界を睥睨する青虫が居た。



彼の視線の先が気になって…



ベランダの結界である網の先なので、巧く撮れなかった幼虫の後ろ頭。
恐らく、彼が羽化した後の住処である、井の頭公園の御殿山雑木林を見ているものと思われる。

咲き初めた金木犀の香を愉しむが如き、こうべの上げようも頼もしく、
幼虫の無事と未来の棲み処の安寧なるを願う。



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さなぎの季節

2023年05月21日 10時14分32秒 | ベランダ実記
新年度からの公事、私事に紛れ、旧暦の三月尽(今年は新暦5月19日でした)も瞬く間に過ぎ、迚ても気に懸かっていることも出来ぬまま、
今春、最初の幼虫たち10匹君中、最後の一匹が今朝がた青虫になり、三日ほど前に前蛹化した最初の1ぴきが先ほど、無事サナギに脱皮しました。



朝9時頃↑



↑10時過ぎ。あっという間の早業です。

レモンの樹の枝でそのまま蛹化するのが、今季の傾向らしく、



↑今朝がた前蛹化したもう一匹。
いつもならモグモグと、一心不乱に蚕食する忙しない他の青虫も何となく姿が見えず、
陽射しは日中の暑さを予感させるものの、シーンとした檸檬の日曜日のAM風景でした。

新しい卵もそろそろ孵化しそうです。


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つゆのひぬま

2023年04月14日 10時41分01秒 | ベランダ実記
 このところ一日の最低気温が10℃を超えているので、そろそろ本格的な昆虫たちの季節が到来したのでは…

 ♪気は早やモミジ…(長唄「越後獅子」の一節)ならぬ新緑の、気がせくので今朝も5時半に目が覚めてしまいました。



 下のほうから釣り鐘が姿を見せ…つまり、鈴蘭が徐々に花開いておりますのに目を止めると、なんと!
 葉先に朝露がこぼれていて、尚いっそう可憐。

  〽つゆのひぬまの スズランの…(改作…(;^ω^))
 文楽で以前はよく通しで上演していた生写朝顔日記の歌、そしてまた、上村松園画伯の深雪の絵を想い出しながら。



 写真だけは撮って纏める間もないまま、当家では昨日7番目の越冬サナギが巣立っていった模様。
 (すっきりした脱け殻が、ベランダに遺されておりました)
 今週の火曜日に三頭ほど羽化したのですが、一頭は何故か翅が伸びず羽化不全に。





 ロールスロイスの女神さまのように翅がたなびいております。
 レモンの花がようよう咲いたので、ポカリスエットよりは…と、蜜が吸えるか心配。






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そは誰人の子なるぞや…

2023年04月06日 09時09分35秒 | ベランダ実記
おはようございます。
昨日は清明でした。
今日が入学式の皆さまは、おめでとうございます。
昨晩早く寝てしまい、ふと、何とはなしの胸騒ぎに目が覚めました朝七時半。



スズランの花芽は雨後の筍のよう。
毎日どんどん伸びます。
ふと網戸側に目をやると、アゲハチョウが強風にあおられハタハタしておりました。
こは、如何に…Σ(・ω・ノ)ノ



把握しております十数匹の越冬サナギの所在を確かめますと、皆スヤスヤと春眠中。
さては、どこかで密かに蛹になって、この春、いち早く無事羽化したか…と思うと感慨深いものです。

ちょこちょこ歩むうしろ紐
♪さても優しき童べと 顔しけじけと打ち眺め

♪そは、たれびとの子なるぞや…

…切禿(きりかむろ:長唄に二種類ある『土蜘/つちぐも』のもう一つの方の曲)の一節。

♪月の澄む 軒端にかかる ササガニの…

本日は、旧暦令和五年、閏の二月十六日。
夕暮れて望月が出るとかや。

風雲急を告げる春の嵐の到来か、薄曇りの朝陽のなかで旅立つ健気な蝶が一匹。
皆さま、今日もお気をつけてお過ごしくださいませ。
檸檬の花も咲きそうです。



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5年目の快哉

2023年04月04日 10時32分02秒 | ベランダ実記
令和婚を祝すために探していた鈴蘭の鉢植えの運命を、密かに案じて下さった方はいらっしゃいますでしょうか、

↓昨年度末、3月29日(水)のスズラン近影。



今年の新芽は何やら恰幅がよいなぁ…と思っておりましたら、
三日見ぬ間の四月馬鹿の朝、おや、随分瑞々しく育った…と、写真を撮る間も無く過ごして、昨日4月3日(月)近影↓



今年もノボタケで元気に育ちそうだなぁ…と嬉しく思っておりましたが、お水遣りの今朝……‼️
何と、花芽らしきものが顔を覗かせておりますょ(*>∀<*)

5年目の奇跡でしょうか、
よく育ったものであります。
無事に花開きますように…

【追伸】
今季の越冬サナギはお寝坊さんです。
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十日夜を過ぎて

2022年11月04日 09時19分51秒 | ベランダ実記
おはようございます。
昨晩は十日夜(とおかんや)でありました。
旧暦の10月10日の夜で、豊穣なる秋の収穫をお祝いする祀りの日です。
"その日に山に帰る、田の神を送るために、餅を供える"と、ものの本にありましたから、季節の替り目が実感できる頃だったのでしょう。



明けて今朝、今季最後の鯨ちゃん2匹のうち最後の一匹がミドリくんに変身しておりました。





ご参考(?)までに昨日の様子↓




今年は6月から9月まで、おおよそ4か月も気温30度の日が続き、今日も20度近くまであるようですから、昆虫たちには有難い気候。



11月2日火曜日(十日夜イブ)に先に緑ちゃんに脱皮したミドリくん。
冬が来る前に、早う蛹になってたもぅ…





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